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33話目 3帝様、風神様・雷神様がお見えです 前編

そして、一週間後、公開演習が行われる日になった。

俺たち肉壁ちゃんと幼年魔法術士育成学校の生徒、そして、魔法術士育成学校本校からの見学者一堂は訓練場に集合した。


すでに2度ほど公開演習は実施済みたが、今日は3帝様と風神様・雷神様がいらっしゃるということで、肉壁ちゃんたちは緊張と興奮が入り混じったような状態、幼年魔法学校の生徒は魔法学校本校の魔法術士候補生、しかもかの有名な憧れの3帝様が見学に来るとあって、なんだかそわそわしているのが見てとれた。


「でっ、結局、3帝と風神・雷神ってのはどういう奴らなんだ。」

「リュウはそんなことも知らねぇのか。

ジェンカちゃんとの補習で教えてもらってないのか。

お前ら補習にかこつけて、二人っきりでエロいことなんてしていないだろうな。」


俺の後ろに並んだお淑やかな大男さんの背中から甲高い声が聞こえてきた。

狂暴幼女、相変わらずちっちゃいな。

お淑やかな大男さんに隠れて全く見えないぞ。

ところで、チンチクリンにとってのエロいことってなんだ。

好きな男の子と手をつなぐことか。


「リュウ、てめぇ、また俺の背丈のことを笑っているんじゃねぇだろうな。」

「何でわかったんだ、お前も念話が使えるんか。」

「弩阿呆の考えることぐらい、お見通しだ。

てめぇ、リュウ、今日の演習では背後にも気をつけろよ。

余計なことを考えてボ~っと突っ立てたら、ケツにこの杖をぶっ込むからな。

まぁ、そのことはいい。

3帝と風神・雷神のことだったな。

特別に俺が教えてやるぜ、阿呆によ。」


「ボルバーナちゃんは5歳なのによくそんな難しいことを知っているんでちゅねぇ♡。

チ〇ちゃん並みに物知りでちゅねぇ♡。」


俺の前に並んでいたエンが後ろを振り向いて、また余計なことを言いだした。


「こらぁ、ザビエル弟。

誰が5歳だぁ。俺はもう16歳だぁ。

いい加減なことを言っていると校舎に吊るすぞう。

演習で尊い殉職者が出ましたって。」

「エン、まだ、ザビエル弟のままだな。

ばっちゃの形見の切れ味すげぇなぁ。

エンの毛根まで根こそぎ刈り取ったのか。

まぁ、吊るされるならその方が良いよな。

殉教者の様で目立つしな。

殉教者の頭を見て3帝も笑うことはしないだろう。

むしろ演習で逝っちゃったエンを憐れんで、お祈りぐらいは捧げてくれるかもしれないぞ。」


俺がそう言うとエンは真剣に悩み始めて、ぶつぶつ言い始めた。


「・・・・・3帝が俺を崇めてくれるのか。

そうか、これで俺の美少女ハーレム計画が現実味を帯びてきたぜ。

これは絶対に校舎に吊るされるべきだな・・・・・。」


"リュウ君、エン君に何を吹き込んだの。"


エンの前に並んでいたおばちゃんが念話をしてきた。


俺はエンが演習で逝っちゃったら殉教者として校舎に掲げられて、それを見たの3帝が安らかに天国に逝けますようにって、祈ってくれるんじゃねぇ、と言ったんだ。


"逝っちゃったら美少女ハーレムなんて作れないよね。"


エンはそれで満足らしいぞ。

とにかく、美少女に囲まれれば幸せなんじゃないのか。

脊髄までスケベで固められている奴の考えてることなんて、俺には理解できないからな。

まぁ、エンは狂暴幼女から校舎に吊るされるのに慣れているから逝っちゃう心配はないだろう。

でっ、話の途中だったその3帝と風神・雷神って何者なんだ。


"リュウ君は知らないんだ。

奇跡の美少女で、魔王並みの魔法の力を持つと言われている彼女たちのことを。

クラスで何度も話に出でいると思うんだけどな。"


俺は3帝が魔王なのか、美少女なのかをはっきりしろと言いたい。


"魔王なんだよ。

リュウ君はそんな方たちには近づいちゃだめだからね。

わかったわね、危ないんだからね。

ちゃんとできたら、手作りクッキーのご褒美を上げるからね。"


補習をしなくてもそいつらに近づかないだけでご褒美がもらえるのか。

わかった、おばちゃん。俺、魔王たちには絶対に近づかないよ。


"そうそう、お利口にしていたら私がちゃんとご褒美をあれげるからね。

何なら私を食べてもいいのよ・・・・・、きゃ、言っちゃったぁ♡。"


おばちゃんは良いから、クッキーおくれ。

でっ、近づかないためにも、その3魔王帝+2魔神について教えてちょんまげ。


"ちぇっ、私のピチピチした肉体よりもクッキーを選ぶとは、この弩阿呆がぁ。

その内に後悔するわよ。毎日、牛乳飲んでエレン教官超えを目指しているんだからね。

・・・・・・・・ふっ、今日の所はまぁ、良いわ。

3帝と風神・雷神は今、正面で私たちと対面しているわよ。

エレン教官の左側に並んでいる5人ね。"


ああっ、あいつらか。ちょっと遠目で詳しくはわかんないな。

まぁ、魔王というけど、見た目は普通の女子生徒だな。

あっ、ひとりだけ胸がエレン教官とタメを張っているけど。

ここからでもはっきりとわかるぞ。


"そっ、リュウ君、良い所に気が付いたわね。

3帝だの風神・雷神などともてはやされいいるけどね、結局は私たちと同じ年齢の「普通の」女の子なの。

ちょっと強い魔法が使えるだけなの。

ねっ、エン君のように噂に惑わされちゃだめだからね。

物珍しいからって近づいちゃだめよ。

わかった? "


今度は魔王じゃなくて、普通のちょっとできる女の子ってことか。

何かおばちゃん必至だなぁ。


"そんなことはないわよ。いつもの通りよ。

私はリュウ君が危ないものに近づいてほしくないだけよ。"


あいつら危ないのか。やっぱり、魔王か。

もしかしてあの巨〇は乳じゃなくて、爆弾か。

やっぱり、もう少し詳しい情報をおね。


"もう、しょうがないわね。

エレン先生の隣が爆帝、シュリさんよ。炎と風の魔法術士よ。

胸にはきっと爆弾を仕込んでいるのよ。"

その隣のちっちゃい子が氷帝、リンダさん。水と土の魔法術士。

次が雷帝、エリカさん。水と風の魔法術士。

そして、次に並んでいる二人が風神・雷神のアイナさんとアラナさん。

双子のエルフ族よ。友好関係にあるエルフ族の交換留学生よ。

アイナさんが風の魔法術士、アラナさんが水の魔法術士、双子なんでどっちかどっちだかわからないわね。"


おばちゃん、交換留学生ってなんだ。


"同盟関係にある人類とエルフ族で毎年数名の軍人候補生を交換して、相手の軍人教育施設で一緒に訓練をしてもらう制度よ。"


何のためにそんなことすんだ。


"例えば、人類が魔族に攻められて苦戦して、エルフ族に援軍を求めるとするじゃない。

援軍に来たエルフ族が全く人類の軍のことを知らないとうまく連携して魔族と戦えないじゃない。

その時に人類領や人類軍に詳しいエルフ族の軍人、特に司令官や指揮官クラスがいれば連携して戦いやすいという理由らしいわよ。"


司令官クラスかぁ。

ということはあのアイナとアラナってやつらは軍の幹部候補なのか。

すげぇエリートなんだな。

んっ、待てよ、人類もエルフ軍に留学生を送っているんだよな、将来の軍の幹部候補を。

じゃぁ、あの3帝は留学生になれなかったということか。

やっぱり3帝なんて言われているけど魔王じゃなくてちょっとできる普通の女子学生なんだな。


"そっ、そうなのよ。よっちゃんと同じ魔法術士候補生の普通の女の子なのよ。

・・・・・・3帝は人類軍の秘蔵っ子。

将来の人類軍の中核。

そのままエルフ領に居つかれちゃ困るもんね。

留学させるわけにはいかなかった超エリートよ・・・・・・。ボソ"



ここまでの成果

魔力回復: 4%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 34時間28分

(3帝の名前が分かったんでポチは少し賢くなりました。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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