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32話目 公開演習の意味 後編

でも、複数の招待状が来たり、全く招待状が来なかった場合はどうなるんだ。


"招待状には招待する魔法術士候補生の個人情報が載っているわ。

もちろん容姿もね。鏡に映ったものを紙に焼き付ける極秘の魔道具が魔法学校の本校にはあるらしいわ。

複数の招待状を受け取った肉壁ちゃんチームはそれを見て、誰の招待を受けるか決めることになるわ。

そして、残念ながら招待をお断りする魔法術士候補生へはその旨の手紙を書くのよ。

断られた魔法術士候補生は別の肉壁ちゃんチームに招待状を送ることも出来るわ。

多い人で4通ぐらいの招待状を送るとのことよ。

一方、招待状が来なかった肉壁ちゃんチームや、招待状を受け取ってもらえなかったり、招待状を端から送らなかった魔法術士候補生は、私たちが教会本山の肉壁の穴の本校に進級してから新にチームメイトを探すと言うことなの。

そのチームメイトを探す、所謂、人買い或いは人さらいの期間は本校進級後約1ヶ月間とされているの。

招待を受け入れて進級前に既に新たなチームを結成したところでも、やっぱり別の肉壁ちゃんの方が良いと思ったら、その期間内で肉壁ちゃんチームの入れ替えが行われるのよ。

さらに、各地域の肉壁の穴からいろいろな肉壁ちゃんが集まるから、肉壁ちゃんたちのチームメンバーの入れ替えもこの時期にやることが可能になるわ。

要するに、肉壁の穴本校の進級後約1箇月間で、肉壁ちゃんチームメンバーの再構築がされると言うことね。

もちろん肉壁ちゃんメンバーの選出には魔法術士候補様様のご意思が最大限尊重されることになるわね。

私たちのチームに女の子の魔法術士候補生が入ってきたら、エン君なんて真っ先に放り出されそうね。

スケベすぎちゃて、キモイから。"


そっかぁ、エンはこのままだとやばいのかぁ。

少しスケベを自重するように言っとくよ。


"そうしてあげて。

私も人のことを言えないからね。"


おばちゃんもドスケベなのか。

もしかして俺の体を狙っているのか。


"舐めまわして良い?

最後はパクリと。"


えっぇぇぇぇ。

おばちゃんは雄を喰うと言われているアラクネだったかぁ。

糸でぐるぐる巻きにして、巻かれていない部分を舐めまわすというか、消化液を塗り着けて、俺の体を溶かして、溶けたところを啜るのかぁ。

道理で良く手作りのお菓子やパンをくれると思ったら、俺を肥えさせてから食するつもりだったんだなぁ。

俺を家畜化していたとは、恐るべき魔性のおばちゃんだぁ。

もしかして"便所掃除のおばちゃん"というマイナーな魔物なのか


"冗談よ。

太るほどにはお菓子をあげていないと思うわよ。

私の場合はこの念話のことよ。

他人の心を覗くと思われているじゃない。

みんな私がいると何となく落ち着かないみたいだから。"


そうなのか。

思ったことをそのまま聞いてもらえるなんて便利と思うけどな。

口を開けると何かお腹が空くし。


"そう言って私と仲良くしてくれるのはうちのチームメンバーだけよ。

だから、今の"お淑やかな大男さん"チームを壊したくないわ、私としてはね。

まぁ、エン君はスケベな事を考えて私に押し付けてくるんで、たまにチームからたたき出したくなるけどね。"


エンは心の底からスケベだったんだな。

口だけだと思っていたけど。


"まぁ、エン君もチームに留まってもらっても良いよって感じかな。"


えっと、話は戻すけどな。

本校に進級して1箇月後にチームを組めなかった肉壁ちゃんと魔法術士候補生様様はどうするんだ。


"リュウ君、偉い。

覚えていたんだね。

アラクネの話ですべてが飛んで行ったのかと思ったわよ。

この半年でちょっと賢くなったんじゃないの。

私との補習が良かったんだね。

このまま、週に2回は一緒に勉強しようね。

ご褒美に手作りのパンを上げるからね。"


俺って、すでにおばちゃんに餌付けされてないか。


"まぁ、その辺は気にしないで。

えっと、1箇月後にチームが組めなかった場合の話よね。

その場合は去年のボルバーナちゃんやお淑やかな大男さんの様に教官が仮のチームをマッチングさせてくれるのよ。

1箇月もあれば教官も生徒の大よそは掴めてくるし、ただの人数合わせの、寄せ集めのようなチームを作るようなことはしないそうよ。

ちゃんとチームとして将来も機能していくようなマッチングを考えてくれるって。

まぁ、それでもどうしても合わなかったら、その仮のチームを解散して、また新たなチームメンバーを探すことになるわね。

チームメンバーの入れ替えは自由だからね、建前上は。"


万が一エンがあまりのスケベな言動でチームを叩き出されても、教官が救ってくれると言うことだよね。


"エン君の場合はちょっとぉ・・・・・・・。"


えっ、駄目なのか。

教官でもホロー出来ないほどスケベだったのか、エンは。

でっ、卒業までにチームに入れなかったおひとり様、エンの将来はどうなるんだ。


"取り敢えず軍に所属して欠員の出たチームに入るか、チームを組む必要のない後方勤務になるか。

まぁ、そんなに悲観するほどの将来ではないと思うけど。"


エンの場合は軍でエロいことをやらかして、性〇罪者として鉱山で強制労働。

ひと月も持たずにち~んだな。

やっぱエロいことを考えるのを少し控えるように言って来るよ、俺。


窓の方に近づいた。

窓枠にロープが巻き付けてあるからテルテル坊主のままいるんだろう。


「お~ぃ、エン。生きてるかぁ。」


おばちゃんも俺の後ろに付いて来た。


「エンく~んっ、ここで逝っちゃったら、あこがれの高貴な3帝様と風神様・雷神様に君の雄姿(意訳: バカな姿)を見てもらえなくなっちゃうよぉぉぉぉぉぉ。」


そのとき、窓から黒い塊が飛び込んできた。


「おぉぉぉっ、そうだった。

俺の高貴な3帝様と風神様・雷神様のご接待と言う崇高な使命が俺にはあったんだ。

暢気に窓にぶら下がって来週の祝日(意訳: 公開演習日)は良い天気になぁれ、なんて空に祈っている場合じゃなかった。

リュウ代わってくれ、テルテル坊主。」


「なんで俺が命がけでテルテル坊主の役をやんなきゃなんいんだ。

それよりもエン、お前は凶暴幼女に今まで吊るされていたんだろ、大丈夫か。

首から上に血が行かなくなって、頭がおかしくなったんじゃないのか。」


エンは俺の言葉にハッとして、自分の下半身を見た。


「頭に血が行かなくなったから、息子が元気になったのか。

エロいこと考えていないのにどうして元気になったかわかんなかったよ。」


その時、きらりと光る物がエンの頭のすぐ上をかすめて行った。

そして、黒いものが多数、はらりと落ちてきた。

そこには伝説の魔物の河童、いや、ザビエル君の偽者が腰よりちょっと下に変な物をおっ立てて佇んでいた。


「次にそんなスケベな事を言うとそのお子様との永遠の別れが訪れるわよ。

鉄棒でも切れるこのぱっちゃの形見がひらめくからね。

エン君わかった? 」


息子を大事そうに両手で押さえながら涙目で頷く、エン。

しかし、おばちゃん、それってぱっちゃの形見なんだろ。

エンのお粗末なものを切るのに使っても良いのか。


「それに来週の公開演習では斥候職に専念できるようにザビエル君カットにしておいたから。

これで高貴な3帝様と風神様・雷神様の前で目立つとどうなるかわかるわね。」


「うあぁぁぁぁぁぁ、ザビエル坊やっていう二つ名が確定だぁぁぁぁ。

公開演習後に、あっという間に魔法学校の本校に広まってしまうぅぅぅ。

本校に進級した時にはその二つ名が災いして、女の子なんて誰も寄ってこなくなっちゃうよ。」


そうなったらお前は壁の穴本校じゃなくて、教会本山の礼拝堂に入学することになると思うぞ。


「良いかエン。とにかく公開演習では目立つな。

斥候職に徹しろ。

特にエロ事をやらかすなよ。

息子と永遠におさらばだぞ。

エロいことをやる気力も奪われるぞ。

おばちゃんはやるときはやる女だ。

そこんとこ覚えとけ。」


エンは俺の言葉に大きくうなずいた。

そして、真顔で宣言した。


「斥候をしつつ、隠れてこっそり、高貴な方々のお姿を目に焼き付けるだけにするよ。

それを宝物にして、夜に寮でし〇るよ。」


「エン君、まだわかってないでしょぉぉぉ。

女の子の前ではそういうスケベな話をしちゃだめって言ってるでしょ。

そう言うのは大好きな男の子と二人だけでこっそりとしたいの。

わかった、もうこの際だから、切ってあげるわ。

後腐れなくお子様とキッパリとサヨナラさせてあげる。」


おばちゃんもエロい話が大好きだな。

その手の話に必ず反応するもんな。


俺は鉄パイプをどてっ腹にいただきました。


ここまでの成果

魔力回復: 4%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 36時間28分

(おばちゃんの説明で少し賢くなってスキルが向上したけど、鉄パイプの洗礼でくーるたいむが延びちゃったぞぉぉ。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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よろしくお願い致します。


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