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56話目 初陣の行方 その顛末

俺が割り箸を、或いはその代わりとなる木の枝を探してイリーナ♂に剣を突き付けながら周囲を見回していた時のことだ。


そう、遅かった。

全ては遅かったのだ。


奴は目の前に現れた。

ついに腐女帝様が降臨してしまったのだ。

誰よりも早くこちらにやって来る。

自分に風属性魔法を掛けて、素早くこちらに移動しているに違いない。

もう、腐った臭いには敏感なんだからぁ。


あぁ、もう少しの時間があればイリーナ♂と新・彼女さん♂のナニを何して、イリーナ疑似♀と新・彼女さん疑似♀に仕立てあげられたのに。

全ては遅かったぁ。


今のこの構図はイリーナ♂に俺が剣を突き付けて、無理やり言うことをきかせようとしているシーンとしてしか腐女帝様は認識しないよな。

それ以外のシーンが思い描けないはずだ。

そして、この構図がそのまま例の腐ったネタ帳に書き加えられ、来月号に実名入りのカラーイラスト付きで載っちゃうわけだぁ。


新・彼女さん♂方は既に俺が事を済ませた後で、動けない彼女さん♂をおばちゃんが介抱するふりをして、俺の不祥事(意訳: 捕虜の虐待)を隠すために懐剣を首に当てて脅しているシーンと腐女帝様は捉えるに違いない。

あぁぁ、こっちの件では旅団司令部に報告されて軍法会議、そして、首チョンだぁ。


そして、俺の転写スタン魔法で動けないエンと彼氏さんは当然、俺がさんざん弄んで食った後だとにやっと笑って一人で納得してしまうに違いない。


みのように状況を一通り確認した後に、俺の耳元でこういうに違いない。


"随分とお楽しみの様ねぇ。

こんなにも無双して。

お疲れ様♥。

いつでもウエルカムのジェンカちゃんには手を出さないのにね、ぷっぷっぷっ♥。"


俺の人生が終わったぁ、社会的にも、物理的にも。


俺が老い先短い将来に一人絶望していると案の状、奴が俺の方に近づいてきた。

そして、耳元ではなく堂々と正面に立って、高らかに宣言したのだ、奴がぁぁぁ。


「イリーナはやっぱり男の娘だった? 」


あぁっ、なぜ一番聞かれたくないことを的確に突いてくるんだお腐れ様は。

あっ、このお方は腐った他に弩S特性の保持者だということを失念してたよ。

痛いところをズバッと突いてくるわけだ。


その時、彼氏さんが痺れた口にも拘らず大声を上げた。


「お嬢が男の子っていうのはどういうことだ。

お嬢は紛れない女性だ。

男なんかじゃないぞ。

見た目でわかるだろうがぁ。」


いや、最近は見た目ではわからんことが多いというからな。

おっさんだから男の娘ていう言葉を知らなかったんだな。

男の子と勘違いしていたんだな。

紛らわしいから、余計な口を挟むなよ。

弩S腐女帝様がえらく反応しそうじゃないか。


「ジェンカちゃん、このおっさんは誰なの。」

「・・・・・・・・・」


ちなみにおばちゃんはまだ妄想界にご在籍の様だな。


「エンの近くに倒れているゴツイおっさんはアドリアンさん。

俺たちが標的としていた魔族の例の偵察隊で副隊長をしていると言ってた。

ついでに、俺が剣を突き付けているのがイリーナ。

イリーナは標的の隊長をしているそうだ。

そして、おばちゃんが、意識がここにないにもかかわらず、剣を突き付けているのがアーラさん、イリーナの副官なんだって。

ちなみにアーラさんの男の娘疑惑はアドリアンさんは否定していないよ。」


妄想界の住人になってしまったおばちゃんの代わりに唯一すべての成り行きを把握している俺が答えた。


「えっ、あっちのアーラさんも男の娘なの。

弩阿呆君、本当に弩阿保ね。

男の娘の看病、いえ、拘束は君がやらないでどうすんの。

さっ、早く、ジャンカちゃんと交代して。

剣を首に突き付けるなんて野暮なことはしないで、ギュッと抱きしめて拘束して。

見ないふりをしてあげるから舐めまわしても良いわよ。」


うあぁぁ、たどり着いて早々にお腐れモード全開ですな。


「アーラも男の子だと言うつもりなのか君たちは。

彼女もれっきとした女性だぞ。」


えっ、そうなの。

イリーナも新・彼女さんも♂じゃなくて♀なのぉぉぉぉ。

嘘だ、そんなことは俺が認めん。

これまでの大前提が崩れるじゃないか。

お腐れモードがばれたくないから彼氏さんが嘘を付いているんだ。

何と言っても見かけは綺麗な女性だからな


「ちょっと待ってください。

アドリアンさんはさっきイリーナさんとアーラさんにはナニが間違いなく付いていると言ってました。

俺にそれを取り払ってくれと懇願しましたよね。

それを今更、もともと女性だからナニは付いていないなんていう道理は通用しませんよ。

だいたいアドリアンさんは本当に女性であることを確認したんですか。

裸を覗いたとか、確認したんですか。」

「儂が二人の裸を覗くわけなかろうが。」

「じゃぁ、実際にバンバンしたとか。」


彼氏さんは俺の指摘に一拍於いてから答えた。


「さっきからバンバンとか何度も言っているが、バンバンとはいったいなんだ。」


えっ、バンバンも知らないの。


「この場合いのバンバンとはお股バンバンのことね。

ナニが付いているか確認するという一番手っ取り早い雌雄の確認方法ね。」

「儂がお嬢の股をバンバンするなんてことはありえないだろう。

それに部下のアーラのもするわけないだろう。」

「まずいなぁ、それではイリーナさんとアーラさんが男の娘ではないという証拠を確認したこという事実は無いと言うことですね。」


彼氏さんは一瞬口籠った後に答えた。


「確かにないな・・・・・・・」


「それじゃ弩阿呆君が代わりに男の娘疑惑の白黒をはっきりさせるために確認すれば良いんじゃないの。」


なんてこと言うんだこのお腐れ様は。

そんな事が出来るならもうとっくにそうしているわい。


「えっとぉ、俺が確認した場合、ナニが付いていても付いていなくても俺は社会的に抹殺されますよね。

ここはエリカ様様にお願いできないでしょうか。」


お腐れ様は顔を赤くして叫んだ。


「ナニが付いていた場合、私が痴女扱いよね。

そういうのは肉壁ちゃんが魔法術士様様の代わりにやるのが世間様の理と言うものよね。」


世間様の理を守った結果、世間様から永遠に追放されるんですよね。


「わかったわ、ではこうしましょう。

バンバン出来ないなら、スラックスとパンツを引っ張り上げて覗くってのはどうかしら。

早く弩阿呆君が覗いてみて。」


そう言ってからどこからか出したのかメモ帳を手に取り、さらにメガネを取り出してガン見体制を取るお腐れ様。

そんなに見たければ自分で覗けばいいのに。


「えぇといずれにせよ社会的にも物理的にも抹殺されそうなので二人が男の娘か女の子かという最終確認は師団基地に帰ってから専門の捕虜尋問管に確認してもらうと言うことにしませんか。」

「儂はリュウ君の意見に賛成だな。

人類の少年兵にお嬢とアーラの股バンバンとかパンツの中を覗くなんてことはさせられん。」


お腐れ様はふ~んと鼻を鳴らすと言い放った。


「じぁ、弩阿呆君に尋問管の助手をさせればいいのね。

そうしたら股バンバンしても良いのよね。」


何で俺にやらせたいんだ。


「丁度、ボルバーナちゃんたちが着いたわね。

ロープを出してもらって捕虜の3人を縛ってもらおうかしらね。

当然、その役割は力のある男の子の弩阿呆君に♥。」

「何で俺が縛らなきゃなんないんだ。」

「捕まえたのがリュウ君だし、捕縛するまでが仕事よね。」


突然耳元で囁く、お腐れ様。


「捕縛するどさくさに紛れて股バンバンして、男の娘か確認して。

これは尊い雷属性魔法術士である私の命令よ。

それと今私は"いや"とか"無理"という言葉は聞こえないの。

聞こえるのは"はい! 喜んで"と言う言葉だけなの。」


うあぁぁぁ、ついに強権を発動したぁ。


「あっ、当然、アドリアンさんにもバンバンしてね♥。

彼も厳つい男の娘ではなく、見たまんまのおっさんかどうか確認する義務があるわよ。

男の娘2人にしておっさんだけ仲間外れっていうのは性差別で良くないわよね。

さっ、3人にとっととバンバンしてみて。

心配しないで。

私はここで、その様子をちゃんと見ていてあげるから。

一人でそんなことはさせないから。」


何でおっさんまでバンバンするんだよ。

絶対、汚物は付いてるって。


ここまでの成果

魔力回復: -190% + 20%(ボーナス♡) + 250%(ボーナス♥)

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 6億6千万年17時間16分

(やっぱり間に合わなかったぁぁぁぁぁ。お腐れモードが全開だぁ。)

(・・・・・・・・でへへへへへへぇ♡。(おばちゃんターン))

(ジェンカちゃんは助けてくれないわよ。

さぁ、早く、お股バンバンして。

まずはこのおっさんからいってみようかぁぁぁぁ♥、弩阿呆君。(腐女帝様ターン))


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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