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43話目 最前線の向こう側にある荒野の弩真ん中にて、いざ初陣へ 三交点 その7

彼女さん♂の剣がエンを薙ぎ払おうとしたその時に、俺のアイスランスがその間に突き刺さった。

あれは腹だな、エンの腹を切ろうとしたのか。

間に合って良かった。


"ちょっとぉ、何でエン君はお腹を上にむけて、無防備な状態なのよ。

どうぞ、やっちゃって下さいと言っているような、むしろ誘っているような・・・・

あっ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ちょっとそう言う事。

まったく、あいつらときたら戦場のど真ん中でなんちゅう事♡をしてやがるんじゃぁぁぁぁ。"


おばちゃん、"なんちゅう事♡"ってどんなことだ。


"もう、リュウ君ったら本当にエッチなんだからぁ。

まぁ、このことが片付いたら今晩、私たちもしようね♡。"


うぁぁぁぁぁ、"今晩"に関わる事だったかぁ。

やぶへびだぁぁぁぁ。


"なるほど、なるほどそう言うことね。"


だから、そう言う事って・・・・・・、あっやっぱりいいや。

"今晩"も押し付けられそうだからな。


"ポチ、言い出したんだから最後まで聞きなさい。

良いこと、ポチ、よ~く聞きなさいよ。

戦場でフラフラしているエン君を第27師団の後方を攪乱するために出てきたイリーナの部隊が発見。

イリーナは去年の決着を個人的につけるために、部隊の他のメンバーを先に進ませ自分はエン君を襲うタイミングを伺った。

そして、二人だけの甘~い時間、「今晩」を過ごすために、エン君を押し倒したのよ。"


ちょっ、ちょっと待て、おばちゃん。

イリーナ♂か♀はエンを宿敵と思っているという結論じゃなかったのか。


"まぁ、実はそこは両思いだったのよ。

うん、そうでないといけないわ。

もともとはその方向で話が進んでいたんだし。

はい、たった今からイリーナ♂か♀とエン君は去年の劇的な出会い以来、両思いだったのです。

あっ、もともとイリーナは♂という設定だったわねぇ、これから奴は♂よ。

と言うことで、今の状況を整理するわよ、よ~く聞いてね、ポチ。

漸く会えた二人はその激情に身を任せることになったの。

しかし、エン君のズボンにイリーナ♂の手がかかったのをこっそりと見ていた彼女さん♂は逆上して、イリーナ♂をエン君の腹の上から襟首を掴んで引き離したの。

もう少しで思いを遂げられそうなところを邪魔をされたイリーナ♂は激怒して、反射的に剣を手にとり、邪魔したやつをたたっ切ろうとした瞬間、それが彼女さん♂だと気が付いた。

三角関係の気まずさから剣を振り上げたまま、固まったイリーナ♂。

そこにリュウ君の雷属性フィールドが襲来。

剣を振り上げて固まっていたイリーナ♂は落雷のため傷つき気絶した。

地面に仰向けになったままのエン君も地面を這う雷に痺れて動けない。

避雷針の効果と雷がイリーナ♂に落ちたために一人無事な彼女さん♂は三角関係を終焉に導くために、都合良くやわらかい腹を上に向けたエン君を切ろうとした。

その二人の間にリュウ君のアイスランスが突き刺さる。 ← 今ここ"


ちょっと待って、おばちゃん。

エンは腹ばいになって気絶したイリーナ♂の方に手を伸ばしていたんじゃないのか。


"実はあれは足よ。

雷属性フィールドの影響を受けて、痺れて、思わず足が少し浮き上がったのね。

それを遠目では腕を伸ばしたように見えたのよ。

んっ、そうなのよ、足だったのよ。"


そっかぁ。

と言うことは、エンがイリーナ♂と戦場のど真ん中で昼間から"今晩"に事を及ぼうとしたところを軍人として不謹慎だと言って成敗しようとした彼女さん♂と言うことで良いんだな。


"「今晩」から遠ざけようとしてニュアンスを捻じ曲げようとしている気もするけど、概ねリュウ君の言う通りなんじゃないの。"


そうかぁ、やっぱり、戦場で"今晩"に及ぼうとすると天罰が下るのかぁ。

そうかぁ、そうだよな、おばちゃん。


"そんな屁理屈で"今晩"から逃げられると思うなよ、ポチ。"


おばちゃんの目が獲物を狙う鷹のようにギラリと光った。


まっ、まずい。

えっとぉ、それで彼女さん♂のエンへの成敗を辛うじて止めたけど、これからどうすんだ。

いつまでもアイスランスで彼女さん♂を止めてらんないぞ。

ここからなら、彼女さん♂とその彼氏さん♂にサンダーランスを正確にぶち込めるけど。


"そうねぇ。

う~ん。

あっ、今回の元凶であるイリーナ♂をとっ捉まえちゃおうか。"


おばちゃん、殲滅するんじゃなくて、とっ捉まえるのか。


"標的である敵偵察部隊がひとまとめになっていたらね、殲滅した方が良いんだけど。

結局、その姿を捉えたのがエン君の待ち人のイリーナ♂とそれを追ってきた彼女さん♂、そして、さらにそれに引っ付いて来た彼氏さん♂でしょ。

こいつらを殲滅しても大した業績じゃない、ボーナス査定と特別報奨金なんてとてもじゃないけど期待できないいわよね。

それよりもイリーナ♂だけでも拘束して、敵のエース部隊の情報を引き出した方が良いと思うのよ。"


なるほど、それじゃぁそうしますか。


俺たちは彼女さん♂と彼氏さん♂に気付かれないようにそのまま雷属性フィールドの左側面を回り込み、イリーナ♂が気を失って寝かされている岩の背後に回り込んだ。


"リュウ君、イリーナ♂の背後に着いたわね。

それじゃぁ、サンダーシールドを発動して転写雷属性フィールドを中和しながらイリーナ♂の首根っこを押さえるわよ。

あっ、向こうでは彼女さん♂とその彼氏さん♂がアイスランスを放った者を探しているようね。

エン君から注意がそれている間は大丈夫ね。

その間にイリーナ♂を拘束してしまおうか。

もし、彼女さん♂がまたエン君に剣を向けたら遠慮なくサンダーランスをどたまに打ち込んで。

股たまでも良いわよ。

余計なモノが無くなって真の彼女さん♀? に成れるわよね。"


おばちゃんらしい、ギャグセンスに脱帽。


どちらの"たま"にサンダーランスをぶち込むかは別にして、彼女さん今はまだ♂と彼氏さん♂も拘束するのか。

それとも両方とも"タマ"をぶち抜いて、イリーナ♂たまだけを拘束して連れ帰るのか。


"私とリュウ君で3タマを捕縛するのは無理よ。

その上、エン君という余計なタマの面倒も見なけりゃならないし。

取り敢えずイリーナ♂たまだけを拘束すれば良いんじゃねぇ。

残り3タマは廃棄で。"


えっ、エンも廃棄で良いのか。


"彼を助けてボーナス査定が上がるとでもいうの。

それに金一封は絶対にもらえないわよね。

つぶせとは言わないけど放置の方向で。

危険は去るんだから自力で後は何とかしてもらおうよ。

それよりもイリーナ♂たまを捕縛した方がきっとボーナス査定が高いと思うの。"


そうだよなぁ。

女性兵士の間では汚物扱いされているエンを後生大事に旅団指令部に連れ帰ったら、方々で非難されそうだからな。

何でしれっと敵のど真ん中に置いて来ないんだとぶちぶち言われるのがおちだな。


ところで、イリーナ♂タマはどうやって拘束するんだ。

殲滅だと思ったから縄のようなものを持ってきてないんだが。


"まずは武器を取り上げて、雷属性フィールド極局所だけを重ね掛けして、逃げられないようにして。

そして、彼女さん♂と彼氏さん♂を殲滅するかおっぱらうか。

それからボルバーナちゃんを呼んで捕縛するというのでどうかな。"


なるほど。

オムツな奴なら常にロープをどこかに隠し持っているからな。

いや常に体に巻き付けて・・・・・・って、縛りプレイ?

あぁぁぁぁ、幼女にこんな考えが浮かぶとは変質者へ一直線だぁ。

おっほん、オムツな奴が来たらイリーナ♂に雷属性魔法を放って気絶させ、ロープで捕縛。

後はお淑やかな大男さんに担いでもらって基地にお持ち帰りすれば良いか。

彼なら2タマ、エンとイリーナ♂の両方を担いで基地に戻れるだろうし。

2タマを担ぐことになるけど、ちょっとの間だから我慢してもらおう。


"それじゃぁ、決まりね。

まずはイリーナ♂の体を探って、武器を取り上げないとね。

リュウ君お願い。"


えっ、俺?


ここまでの成果

魔力回復: 10% + 35%(ボーナス♡) + 15%(ボーナス♥)

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 22時間26分

(♂の体をまさぐるなんて、相手がどんなに女っぽい恰好をしていても嫌だからな。

おばちゃん、よろ。)

(向こうでやきもきしているお隠れ様に良い土産話が出来ると思ったのに。

それに私はリュウ君以外の男の体をまさぐるつもりはないわよ。

やっぱり、リュウ君、やって。(おばちゃんターン))

(あぁぁぁぁっ、私のいないところで今回の遠征で最大の山場がやってこようとはぁぁぁぁ。

弩阿呆君、私が駆け付けるまでイリーナの体をまさぐるのは待ってぇぇぇ。(腐女帝様ターン))

(すぐ来るなら腐女帝様にやってもらおうよ。)


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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