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40話目 最前線の向こう側にある荒野の弩真ん中にて、いざ初陣へ 三交点 その4

肉壁ちゃんが魔法術士様様のご命令に逆らえるはずもなく。

雷属性フィールドが発動し、何かに当たって放電現象が起きたため、白い煙と焦げ臭いのする方に周りを警戒しながらゆっくりと歩み寄っていく。

できれば変なものが焼かれていないことを祈ろう。

エンも生焼けは勘弁な、焼けているならできれば灰までになっていてほしい。


"あっ、待って、私も行くわ。

もう、どこに行くのも一緒でしょ。

あっ、イリーナ♂か♀とその彼女さん♂が残念ながらピンピンしているかもしれないから、奴らからの攻撃の直撃を避けるためにも取りあえず前面に視界を遮らない程度の薄いアイスシールドを展開しておいた方が良いわよ。"


俺はおばちゃんを後ろに従えて、左腕にはめた魔道具の腕輪に魔力をちょっとだけ流し、アイスシールド・レベル3改を展開した。


改というのは通常のアイスシールドの厚みを薄くして、その分面積を大きくしたものだ。

これで魔族の物理攻撃と炎属性魔法攻撃は2、3発であれば十分に防げるはずだ。

その間にもっと高レベルのアイスフィールドを展開すれば、相手のこれらの攻撃を完全に封じることが可能だ。

さらに、さっき展開した雷属性フィールドがまだまだ十分に機能しているため、その中に囚われている魔族は闇属性魔法を発動できないはずだ。


魔族の攻撃への備えを十分にしつつ、まだ、放電が続いている雷属性フィールドの方におばちゃんとゆっくりと近づいた。


白い煙や黒い煙が立ち込めており遠目からは雷属性フィールドの中は良く見えなかったが、近づくにつれて煙りの中にしゃがんだような格好の3人の姿が見て取れた。


"予想通り、エン君とイリーナ♂か♀、その彼女さん♂がリュウ君の雷属性魔法フィールドの中に囚われているようね。"


立ち上がっていないところを見ると全員、雷属性フィールドの影響を受けちゃったみたいだな。


"あっ、あれって、誰かが誰かを抱き起しているんじゃないのかな。

それに残りのもう一人はそんな二人に向かって手を伸ばして何かを訴えているような感じに見えるんだけど。"


それってまさか、弩S腐女帝様の思い描いたストーリーがそのまま展開しているってことかぁ。


"確かあの中の一人が剣を振り上げていたわね。

そいつが多分落雷の影響を一番強く受けたはずよね。

まぁ、それがイリーナの彼女さん♂だとすれば抱き起しているのは当然、イリーナ♂か♀よね。エン君が助けるわけないから。"


そうするとエンは手を伸ばして、イリーナ♂か♀に向かってなんで俺を助けないで彼女さん♂の方に行くんだと叫んでいる構図となるか。

なるほどな。

待てよ。

えっと、じゃぁ、エンが剣を振り上げていたとすればどうなんだ。


"あっ、エン君は遠目で分かるほどの大剣なんて身に着けているはずないからそれはないと思うよ。"


いやいや、痴話げんかの途中で彼女さん♂からエンがそれを奪い取ったということもあり得ると思うぞ。


"まぁね、そういうシチュエーションもなくはないわね。

その場合は雷で撃たれて倒れているのがエン君で抱き起しているのがイリーナ♂か♀、なんで私を助けないでそんな変態弩スケベなんて汚物を拾い上げているだと言っているの彼女さん♂ということね。"


んっ、そういうパターンもあるな。

じゃぁ、ついでにもう一つ。

イリーナ♂か♀が刀を振り上げたというシチュエーションの場合はどうなるんだ。


"それはイリーナがどちらに大剣を振り上げたかによるわね。

エン君に振り上げた場合・・・・・・。"


おばちゃん、それってエンがイリーナ♂か♀にフラれたってことか。


"まぁ、そうなるわね。

いやいや、もともと付き合っているような妄想を抱いていたのはエン君だけで、イリーナ方がどうだったかはわからないわよね。"


あっ、確かにそうだ。

そうするとイリーナが彼女さん♂に剣を振り上げることがパターンとしては一番考えられないということだな。


"エン君にイリーナが大剣を振り上げた場合は、エン君をイリーナが敵として打ち取ろうとしているということね。

そこに雷が落ちて・・・・・・。"


でっ、どっちが抱き起してんだ。


"彼女さん♂がイリーナを抱き起している場合は、「イリーナは俺の彼女だぁ、その役目は俺だぁ、どけぇぇぇぇ」とエン君が言っているのよね、きっと。

エン君はイリーナを自分の愛しい人と勘違いしているわけだし。

これが後々に誤解が誤解を生んで一番もめるパターンかなぁ。"


エンがイリーナを抱き起している場合ももめるんじゃねぇの。

彼女さん♂がイリーナとエンの関係を誤解して。


"確かに。それを否定するイリーナの意識がない状態なんだよね。

もめるわね、このパターンも。"


ということで、まとめるとだな。

エンが気絶して、イリーナか彼女さん♂が抱き起しているパターンはなくなったな。

おそらくイリーナとの仲はエンの勘違いの可能性が大だしね。


"ということはエン君はイリーナを抱き起しているか倒れてイリーナの方に手を伸ばしているかのどっちかかぁ。

まぁ、ケガをしているかもしれないけど、意識がある状態ね。

さすがG様の化身、しぶといわね。"


あとはエンが彼女さん♂を抱き起していることもないか。


"あっ、彼女さんがもし♀だったら・・・・・"


エンの弩スケベレベルだったら彼女(間違いなく自称)イリーナの眼前でも平気で他所様の女に抱き着きそうだな。

でもなぁ、おばちゃん、いまさら彼女さんが♀はないよな。

彼女さん♂で今まで話は進んでいるんだし。

皆、それで納得していたんだし。

よし、彼女さん♀説はなかったことに。

そんな不確定の要素を全部入れ込んで状況の選択肢を考えていたら、真実を見逃してしまうんじゃないのか。


"そうよね、今更だもんね。

話の大前提を覆しかねない説、彼女さんが♀というのは無しね。"


ということで、イリーナが倒れて、エン or 彼女さん♂が抱き起している。

もしくは、彼女さん♂が倒れてイリーナが抱き起して、エンがクレームを付けているの3パターンに絞られたわけだ。

さらに、この中で一番ありそうなのはどれだ。


"イリーナが倒れてエン君がギュッと抱き起しているに一票。"


えっ、そうなの。なんでだ。


"一番揉めそうなシチュエーションにじゃない。"


えっ。


"後々の楽しみが。

他人の恋の揉め事は蜜の味。"


おばちゃん、真のおばちゃんに覚醒しつつあんじゃねぇ。


ここまでの成果

魔力回復: 10% + 25%(ボーナス♡) + 30%(ボーナス♥)

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 20時間46分

(おばちゃん、昼ドラに覚醒してたのか。)

(灰色の戦場の一角がバラ色の戦場に。(おばちゃんターン))

(ジェンカちゃんもついに私たちうっすい本作成委員会に加入したようね♥。(腐女帝様ターン))

(まぁ、俺にそのなんちゃら委員会が関わりないのならそれでもいいけど。)

(さぁ、次回はこの3角関係に飛び込み、波乱をもたらす弩阿呆君が主役ね♥。(腐女帝様ターン))


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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よろしくお願い致します。


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