39話目 最前線の向こう側にある荒野の弩真ん中にて、いざ初陣へ 三交点 その3
「おばちゃん、撃っても良いのか。
おしめ幼女のおねだりで攻撃して、後でまずいことになったら、幼女の言葉に踊らされた変態とか言われて俺だけ責められるのは嫌なんだけど。」
「誰がおしめ幼女じゃぁ。
俺はパンツだぁ。
それもクマさんの刺繍が入った自慢の可愛い奴だぞぉ。」
クマさんパンツだって、ぷっ。
"可愛いわね。
でも、私のは黒いビキニタイプ。
いつリュウ君に見られてもいいように、超セクシーな奴よ。
ここで確認して見る、リュウ君。
でも、脱がすのはあ・と・でね♡ "
幼女とパンツで競わないでください、いい大人なんだから。
"リュウ君に見せるためだけにこんな布の部分が極端に少ないのにべらぼうに高くてお腹の冷えるものを履いているのに、なかなか見てくれないわよね。
パンツが泣いているわよ。
あっ、見るよりやっぱ脱がせたい方かなぁ。私はそっち方が望むとこだけど。
布の部分が少ないので摩擦が小さくて、脱がせ易いわよ♡。"
えっとぉ、俺が知りたいのはパンツの形状じゃなくて、エンを巻き込んで雷属性魔法を発動しても良いかなってことをなんだけど。
現状、敵が目の前に居て、味方の首が飛ぶか飛んだ後かという非常事態なんですけど。
エンならパンツ談議の方が最優先だろうけど。
"わかったわ、「今晩」脱がしてもらうということで妥協しましょう。
絶対に今晩よ。
明晩じゃ、駄目だからね。
毎晩なら尚、結構♡"
・・・・・・・・・
「まぁ、もう撃っても良いわよ。
どうせこのままじゃ、エン君の首が飛ぶのは確定のようだし。
さっきから話が出ているように、物理的に首か飛ぶより、雷属性魔法に当たる方がまだ生き残る可能性は高いわよ。」
「俺は弩阿呆の雷属性魔法に当たったら確実に逝けると思うがな。」
「ボルバーナちゃん、それで良いのよ。
弩スケベ君とイリーナ(意訳: うっすい本の作者は♂だと断定している)の浮気現場を目撃した弩阿呆君が二人に雷を落として制裁を加えるの。
そして、か弱そうなイリーナ♂だけが逝って、G様並みの生命力を持つ弩スケベ君が生き残るの。
イリーナ♂の亡骸を抱えた弩スケベ君が弩阿呆君と顔を合わせて・・・・・・・」
「エリカちゃん、どうなるんだ。」
「私もそれが見たいのよ。さぁ、早く怒りの鉄槌をあそこの二人に落とすのよ、弩阿呆君。
そして、弩スケベ君の愛を取り戻すのよ。」
「エリカ様様、盛り上がっているところ大変申し訳ございませんが、あそこにはエンとイリーナ(意訳: 俺は♀だと信じたい)の方にもう一人、エンの首を取らんとしている奴つがいそうなんですけど。
エンとイリーナ(♀)はいいとして、もう一人は誰なんですかね。
まぁ、魔族っぽいからもう巻き込んでも良いですかね。」
「んっ、わからないの、これだから弩阿呆なのよ。
もう一人は弩スケベ君とイリーナ♂の浮気に嫉妬した、イリーナの彼(もちろん♂)よ。」
「エリカちゃん、ちょっと待ってくれぇ。
じゃぁ、あそこではすでに三角関係(それも♂だけ)のもつれが勃発しているというのか。
そこに弩阿呆が突っ込んだら、弩スケベを中心とした♂だけの禁断の三角関係と言うことじゃねぇか。
もうここまでくると地獄絵図だな。
全く華がねぇ。くせぇだけだ。」
お淑やかな大男さんの背中でやれやれと首を振るオムツちゃん。
それを見た腐女帝様は左手を腰に当てて、右手を付き出し、その人差し指を横に振っていた。
「ちっちっちっ。
ボルバーナちゃん、まだ理解できないかもしれないけど、そこには大きなバラが見えるの。
だから決して臭いだけではないの。もちろん一番はきっつい臭いのが来るけどね。」
「あぁ~っ、そう言うのは一生理解できなくてもいいや。」
「まぁまぁ、そう言わずに、今度発行する私の雑誌の最新刊を購入して、じっくり読んでみてよ。何か得られるものがあるかもよ。」
騙されるな凶暴幼女よ。
腐女帝様みずから自費出版するうっすい本から人類が学べるものなんて何もないぞ。
小さいうちからそっちの世界に入り浸るのはお兄さんは反対です。
読むなら算数の本にしなさい。
まぁ、腐女帝様の前ではこのことは口が裂けても言えないけどな。
"お隠れ乳のうっすい本は魔族軍にバラ撒けば何らかの嫌がらせにはなるんじゃないの。
誰だこんなものを最前線に見持ち込んだのは、それも人類が発行してものじゃないかって。"
確かに。
今度こそっと敵陣においてこようか。
"まぁ、入手出来たらね。
私は買う気はないわよ。
ちょうだいって言う勇気もないわね。
仲間認識されるのはちょっと、いえ、かなり抵抗があるわね。"
と言うことで、この件が尾を引かないようにするためにあそこの3人をドカンとやってしまえば良いんだよな、全く躊躇なく。
そうすれば俺が奴らとのバラ色の関係などという誤解を招かなくなるんだよな。
"よし、ここは思い切って、ドカンとやっちゃおうか。
私のリュウ君が世間様に後ろ指を指されないためにもね。"
「リュウ君、あそこに雷属性フィールドを展開して。さらに、サンダーアローを投下して。
まとめてやっちゃってぇ。」
おばちゃんの言葉に即座に反応した俺は、きりっとした表情と敬礼をおこない、命令を復唱した。
「中隊長殿、了解しました。
全力であの3人を見事に葬ってみせましょう。」
足に巻いてある魔道具のナイフに魔力を通して、雷フィールドを発動する。
それを200m先のエンたちに向けて急速に広げて行った。
そして、エンたちの直ぐ近くに雷属性フィールドが到達した刹那。
バチバチっと言う音と共に至る所で何かが発光するのが見えた。
「エン君たちの周囲のいろんなところで何かにぶつかって放電しているような感じね。」
「もしかして、魔族の奴ら金属針でもばら撒いたか。
それに雷属性フィールドがぶつかって、放電しているんじゃねえのか。」
一段高いところから戦況を観察していたオムツちゃんがこちらを振り返って言った。
その時、ど~ん、ど~んと2発ほど大きな音が聞こえてきた。
「ん、今3本の雷が見えたぜ。
ありゃぁ、落雷だな。
でも、自然の落雷のような大きなものじゃなくて、細い糸のようなもんだったな。」
「3本と言うことはあそこにいる弩スケベ君とイリーナ♂、そしてイリーナの彼女♂に落ちたのかしら。」
腐女帝様、彼女♂ってのはいったい。
「とにかく、雷属性フールドは敵の何かしらの対策で放電させられて威力は落ちたけど、目標の3人の♂には小さいかもしれないがちゃんと雷が落ちたみてぇだな。
まずは作戦成功と言うところじゃねぇのか。」
「ボルバーナちゃん、作戦は失敗なのよ。」
「エリカちゃん、そうなのか。
ちゃんとイリーナ♂とその彼女♂をやったぜ。
まぁ、弩スケベまで逝っちゃたのは確かにすこし、ほんの少しだけ反省すべき点ではあるかもないかも知れねぇけどよ。」
腐女帝様はオムツちゃんの言葉を聞いて、腰に両手を当てて首を左右に振った後に口を開いた。
「この場合の作戦成功というのは弩スケベ君が無事で、イリーナ♂が×、その彼女♂は意識はあるけど痺れて動けないと言うことよ。」
「んっ、一応弩スケベの野郎が無事でいてほしいんだ。
仲間だからか。」
「とんでもない、それはありえないけど。
落雷で逝ってしまったイリーナ♂を抱きしめながら、オロオロする弩スケベ君。
その様子を見て、本当は俺の腕の中でイリーナ♂の最後を見取りたいと思っても、体が痺れて言うことを効かない彼女♂さん。
眼をぎらつかせて弩スケベ君を睨みつける。
そこにのこのこ現れる弩阿呆君。
さて、最愛のイリーナ♂をこれも最愛の弩阿呆君に亡き者にされた弩スケベ君がどんな対応をするのかを見るのが今回の攻撃の最も大事なところじゃない。
それが3人♂とも逝っちゃって、弩阿呆君だけが残るなんてね。
攻撃失敗も良い所じゃないの。」
「エリカちゃん、そこまで言うならば、自らの手で最愛の弩スケベの野郎を結果的に葬ってしまった弩阿呆の泣きっ面を見て楽しめば良いんじゃねぇのか。」
「んっ、なるほどそれもそうね。
最良とはいかないけど良ぐらいな結果ね。
まぁ、それであれば我慢できなくもないわね。
よし、弩阿呆君。
弩スケベ君がどうなったか見に行きましようよ。
あっ、まっ黒に焼け焦げて変な臭いを発していたら教えて。
私見ないようにするから。近づかないから。
私、グロいのはちょっと。」
と言うと弩S腐女帝様は俺を手招きして、様子を見に行くように顎をクイッと前方に向けて振った。
ここまでの成果
魔力回復: 15% + 20%(ボーナス♡) + 25%(ボーナス♥)
次にスキルを発動するまでのクールタイム: 22時間01分
(エンのヤツ、焼き鳥に転職か。)
(まぁ、あれだけ騒いでいたイリーナ♂か♀と一緒に逝けて本望じゃないの。
(おばちゃんターン))
(弩阿呆君、どんな状態でも最愛の弩スケベ君をしっかりと抱きしめてあげてね♥。(腐女帝様ターン))
(バラ色からグロい色に話が変って来たんですけど。)
活動報告に次回のタイトルを記載しています。
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