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7話目 就職しました ご挨拶に伺いますね

「それではエレン教官、ご案内、ありがとうございました。

そして、これまでのご指導ありがとうございました。」


そう言って、おばちゃんが皆の代表でエレン教官に案内の、いやソンバトの肉壁の穴からの通算3年間お世話になったお礼を言っている。


「みんな頑張ってね。

私は今日これからソンバトの肉壁の穴に戻ることにしているの。

これからはあまり会うこともないと思うけど、遊撃隊としてソンバトの第9軍団に出向してきた折りには是非学校にも顔を見せてね。」


エレン教官は少し涙ぐんでいるように見えた。

3年間も俺たちの担任をしてくれたんだもんな。

担任と言えば、通常は各地の肉壁の穴で1年間か肉壁の穴本校で2年間だもんな。

それを3年間も担任をしてくれた。

えっと、十分にプルンブルンを堪能させていただきました、3年間ごちそうさまでした。


"ぽち、ちょっと来なさい、躾が必要だわね。"


「いつまでも別れの感傷に浸っていられないわよ。

これから配属先に挨拶に行くんだから。

姉御、ご案内をよろしくお願いします。」

「それじゃぁ、行こうか。

参謀総長と独立旅団の司令官が首を長くして君たちの到着を待っているわよ。

それに私の仲間も。」


おばちゃんは俺の手を取ると強引に姉御の方に引っ張って行った。

あぁ、最後にもう一目だけブルンブルンにお別れを、その雄姿を目に焼け着けさせてくれぇぇぇ。


"さっ、ポチ、乳牛の事は忘れて良いから。

とっととこっちに来なさい。

過去は振り返らず、これからのこと(意訳: おばちゃんが3年間かけて育てた網掛けメロン)に集中して。"


姉御はホールの左側にある廊下の方に歩いて行った。

それに俺は急いでそれに続いた。

急ぐことでブルンブルンへの未練を断ち切ろうと思ったのだ。

もう、振り返るのは良そう。

しかし、エレン教官と最後の別れ、ブルンブルンを一見してしまったエンと火力バカ共、そして小者隊長までが前かがみになってトボトボと一番後ろを付いてくる。

お前ら早く御子息様を鎮めろ。

そんなんじゃ階段を登れないぞ。

だいたい小者隊長までその恰好は何だ。

給料をもらっているんだから、こんな軍の総司令部で御子息様を好き勝手に暴れさせないで門前町のいかがわしいお店で抜いてもらって来いよ。


そんなあやしい一隊を引き連れて姉御は2階、3階と石作りのピカピカに磨かれた階段を登って行く。

おい、御子息様制御不能隊、ちゃんと前を見ていないと滑って一階に逆戻りだぞ。

そして、暴れたままの御子息様がぐぎっと。

あっ、そうなると一生引き籠り上等になって、今後は御子息様が勝手に暴れることはなくなるか。


姉御は3階に着いて、今度は左側の廊下をドンドン進んで行く。

廊下の両側は部屋になっていて、時たま部屋の中から怒鳴り合う様な大声が聞こえてくる。


「ビックリしたかい。

3階は軍の参謀本部なんだよ。

方々の部隊の作戦について参謀たちが議論しているんだけど、議論がヒートアップすると喧嘩の様になってしまう様なんだ。

まぁ、初めはびっくりするかもしれないけど、一週間もすればあの騒々しさにも慣れるから心配ないよ。」


そう言うと姉御は困奴らだというように両手を少し上げて首を軽く横に振っている。


そんな喧騒の廊下を進むとある木製の扉の前で姉御は立ち止まった。


「この部屋が第101~104独立旅団の事務所というか、司令部だ。

表札があるからわかるだろう。

普段の私たちの詰め所は別に用意しあるんだけどそれは後で案内するよ。

まずはTOPの参謀総長と直属のBOSSの独立旅団司令官に着任の挨拶をしてもらうよ。

旅団の詳しいことは詰め所に行ってから説明するよ。

良いかな。

じゃぁ、お淑やかな大男さんチームから入って。

次は土壁チーム、最後はバカ共チームで良いかな。」


その時、後ろの方にいた魔牛乳帝様がどすどす前に出できて姉御の前に仁王立ち。

そして、少し興奮した様子で姉御に話しかけた。

火力を省略したことに怒っているのかな。

チームだから小隊長の魔牛乳帝様もその中に含まれちゃうからな。


"乳だけに栄養が偏って大きくなって頭が軽いから姉御は間違っていないわよ。"


乳敵が一人減って(意訳: エレン教官だと思われる)、魔牛乳帝様への風当たりがさらに強くなったな、おばちゃん。


「どうしたの、シュリちゃん。

怖い顔をして。」

「BOSSたちに挨拶すんのにこのリードは外した方が良いか?

多分、暴れたりはしないと思うんだけどな。

前かがみになっていたのがBOSSに会うと言われたら急に背中がシャキンとしたぜ。

御子息様がビビッて引っ込んだだけだろうけどな、ガハハハハハッ。」


と今度は高笑いし始めた魔牛乳帝様。


"BOSSの前で下品な話をしないようにリードを首に着ける必要があるのはこいつの方じゃねぇ。

私が持ってあげるわよ。

やらかしそうになったらばっちゃの形見でチョンと・・・・。"


おばちゃん、首チョンすんならリードを付ける必要がないんじゃないのか。


"リードで首を引っ張った方がチョンとしやすいのよ。"


ひぇぇぇぇぇっ、おばちゃんマジだ。

標的が一つになって、過激度が増している。


「う~んっ、どうせリードを付けるならモーリツの分もあるかしら。」


突然、名前が出てきた小者隊長は小者らしくびくっとしている。


「えっ、俺に首輪とリードを付けるってのか、クリス。」

「こっちに来てからフラフラしてさぼりまくっているでしょ。

今日だって、ジェンカちゃんたちを迎えに行ったのに帰ってこないし。

いなくなったらいなくなったで探しに行かなくっちゃならないから超面倒なのよ。

役に立たない奴を探しに行くのは究極の時間の無駄遣いだから、いなくならないように首輪とリードで繋いでおくのが良いのよ、わかった。」


"小者隊長って、扱いが火力バカ共以下かなんだぁ。"


?


"火力バカ共のリードは無駄な動きを制御するために着けている、つまり制御できれば役に立つってことでしょ。

小者隊長は役に立たない上に他人の邪魔にしかならないってことよね。

こうやって整理してみると小者隊長はもうだめね。"


ダメって?

早くクビチョンにしろってこと。


"さすがに味方の私たちがそれをやるのはねぇ。

次の作戦で竹槍一本持たして魔族軍に特攻させれば、おのずとね。"


魔族軍がチョンしてくれるってか。


「シュリちゃん、取り敢えず今日のところはリードは外してあげて。

敵に挨拶しに行くわけじゃないし。

火力バカ共も突撃する理由もないしね。」


姉御、外したリードは小者隊長に着けて良いですかぁ。


「それじゃぁ、入りましょうか。」


そう言うと姉御はドアをノックした。


「第104独立旅団のクリスティーナです。

今日配属された同旅団の新兵を連れてきました。」


直ぐにドアが開けられ中から先ほどの受付嬢にも劣らない美人さんが出てきた。

まさか、この方が独立旅団の司令官殿ですか。

いゃ~ぁ、こんな素敵な方に命令されるのなら明日にでも魔族軍に竹槍持って特攻・・・・・


"ちょっとう、リュウ君、何を血迷っているのぉ。

こんな奴のために私、将来の愛妻を残して逝ってしまうというの。怒怒怒怒"


・・・・・・させます、小者隊長を。


"それなら、都合が良いわね。

明日にでもそうしようか。"


「参謀総長、独立旅団司令官たちが皆さまをお待ちです。

こちらの方からお入りください。」


とっ、小者隊長を特攻に誘う美女が俺たちに中に入るように促した。

なんだあ、司令官じゃなかったんだ、この方は。


ここまでの成果

魔力回復: 10% + 45%(ボーナス♡) + 22%(ボーナス♥)

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 19時間42分

(俺たちの初仕事は何だろうな。)

(当然、小者隊長とエン君に竹槍を持たせて魔族軍のど真ん中に特攻させる事よ。(おばちゃんターン))

(それって、特別報奨金がもらえるのか。)

(少なくても姉御と全女性兵士からは感謝されると思うよ。(おばちゃんターン))

(エン君との最後のお別れは熱い抱擁でよろしくね♥。(腐女帝様ターン))


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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