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24話目 検証 罠っにはまるは俺だったぁ

「それでは従来の落とし穴にはまるのは私とリュウ君ということに決定したので、次に、目に対する罠について話を進めたいのですがよろしいでしょうか。」


おばちゃんができる指揮官を装って、俺が罠にはまるのをさらりと流した。

まさか、目標を罠にはめる話はついでで、俺を落とし穴に落とすのが初めからの目的だったのでは。


"じゅるり♡。"


うぁぁぁ、今晩、俺は狩られるの、やられちゃうの。


"じゅる、じゅるり♡。"


その時、おばちゃんの向こうに座るうっすい本の作成者が、いつものメモをわざわざカバンから取り出してからぼそりとつぶやくのが聞こえた。


「・・・・・・今日はリュウ君とジェンカちゃんか。

でも、明日はエン君とリュウ君が落とし穴に一緒にはまっているところを観察したいわね。・・・・♥」


てめぇは何て言うことを。

俺がエンと一晩、真っ暗な狭い落とし穴で一晩過ごせというのか。

そんなんだったら、明日もおばちゃんと一緒の方が・・・・。


"漸く覚悟が定まったみたいね、じゅるり♡。

じゃぁ、リュウ君の希望どおり今晩も明日の晩も落とし穴に一緒に落ちようか、そして、じゅるり♡。"


うあああ、これって前門の虎、後門の狼だよな。


"失礼な、私はか弱い兎よ。

オオカミになるのはリュウ君でしょ。

それも満月の夜だと一段と激しく変身するのよねっ、ねっ、変身せずにはいらんないのよね。"


穴の中にから満月は見ないような気がする。

それに今日も明日も戦地ではきっと曇りだな。


"リュウ君のいけずぅ。"


「まことに勝手ではございますが、明日の昼に目標を捕捉、そのまま殲滅したいと思います。」


おばちぉん、だからどうやってだ。

目標は落とし穴ではダメなんだろ。

まさか、落とし穴に落ちた俺をそのまま目標をおびき寄せる餌にするとか。


"明日の朝、足腰が立たなかったらそのまま落とし穴で休んでいても良いわよ。"


それって、二度と外に出られなくなるんじゃぁ。


"それ良いわね。ジュルリ♡。"


「ジェンカさん、それで何か良い作戦があるんですか。

やっぱり罠を使うと先ほど言ってましたよね。」


マスクマンさんが期待を込めた視線をおばちゃんに送った。

おばちゃんはその視線に頷き、今度は俺の方に流し目をくれやがった。

絶対目標を明日の昼に片付けて、夜には罠にはまったままの俺をなぶりに来るつもりだ。


「第17師団が正面の魔族軍を攻めた時に、その後方で目標が活動しそうな場所に罠を張る方針は今までと同じです。」


"まずは私とリュウ君用にこれまでと同じように落とし穴を掘ってもらってと。"


もう絶対、俺を罠に落とし込める気で満々だよな。


「わかった、その罠がだんまり幼女が得意な土属性魔法に依るちんけな落とし穴じゃなくて、もっと立派な、幼女じゃ作れないような立派な罠なんだよな。

そっかぁ、やっぱり、こいつは役ただずだったか。」


凶暴幼女よ、それを言うならお前はどこで役に立つつもりだ。


「リンダちゃんとボルバーナちゃんには防御と目標が罠にかかった後にお仕事があるからね。

それまでは仲良く待機していてね。」


おばちゃんの言葉にうなずく座敷童帝。

顔は無表情だが、椅子に座って床に届かない足を楽しそうにぶらぶらさせている。

あぁ、なるほど。

座敷童帝の感情は顔じゃなくて、足に出るんだな。

ちなみに凶暴幼女は口と手だよな。


「ジェンカさん、そろそろ具体的な作戦の話をしてもらえないかしら。

ミーティングの時間も残り少なくなってきたし。

もちろん話し足りないなら、第17師団の最前線基地に転移してから夕食までの間で続きの話をしても良いんだけど。

もし、具体的な作戦案があるなら今、聞いておきたいわ。」


少し申し訳なさそうにクリスの姉御がおばちゃんに話しかけた。


「話が飛んじゃって申し訳ありません。

続けます。

いつものように第17師団が正面の魔族軍に攻撃を開始した後に、目標が活動しそうな時間、場所に向けて雷属性魔法のスタン或いは雷属性フィールドを広範囲にばら撒いたらどうかと思うんですけど。」


その言葉を聞いた姉御とマスクマンさん、グロいギャルはあっと言うような顔をしている。

小者隊長はまだぶつぶつ、なんまいだぁ、何枚だぁ、10枚だぁとか言って、この世の者だない者と対決した場合のシミュレーションに余念がないで、おばちゃんの話なんてさっきから聞いていない。

ゾンビ先輩は・・・・・、まぁ、言わなくてもいいだろう。


そして、学生の方の反応は。


「あぁ、なるほどね。

スタンであれば事前に罠をしかけなくても良いし。

それにどの属性魔法よりも到達スピード早いから、発動に気が付いても魔法防御系の魔法を即座に展開しなければ、逃げることも防ぐこともできない。

その上に何と言っても、魔族にはその雷属性魔法を防ぐ手立てがないのよね。」


おばちゃんの話を聞いた腐女帝様がすこし興奮した口調で同意を示す。


「でもよお、雷属性魔法術士が第17師団にいることをバラしちゃっても良いのか。

去年の話では新たな雷属性魔法術士の誕生は秘匿したいってことだったよな。

だから、去年は水属性魔法と氷属性魔法を使って、あえて雷属性魔法は見せなかったんだよな。」


その話を聞いたクリスの姉御が、驚きから立ち直ったように口を開いた。


「その点は大丈夫みたいよ。

エリカちゃんが雷属性魔法を使っても良いという許可は出ているわ。

一年前の様に、魔族軍との均衡がとれていた時期ならいざ知らず、第17師団の支配地域が大きくえぐられている現状ではあれこれ隠しておいくなんて意味がないということよ。

それに、軍に雷属性魔法術士が全くいないのならいざ知らず、他に2名ほどいるしね。

敵にはその2名が来たのか、新しい魔法術士が加わったのかなんてのはどうせわからないしね。

というのが教育大隊本部から私たち小隊に指示されたことよ。

ねっ、小隊長・・・・・・。

マスクマンさんそうだよね。」

「えぇ、クリスさんの言った通りですね。

エリカさんの雷属性魔法の使用は問題ないですよ。」


先に同意を求められた小者隊長は未だにお皿を数えていた。

今、何枚だぁは、28枚まで進んでいた。


「んっ、そういうことならこの作戦実行に何ら問題はないわね。」


おばちゃんが息を一つ付いた。

考え付いた作戦が軍から邪魔されなことが分かってほっとしたのか。


その時、また、クリスの姉御が手を挙げて発言を求めた。


「雷属性魔法のスタンや雷属性フィールドを発動するのは良いとして、第17師団の後方にばら撒かないといけないわよね。

ある程度の範囲は絞るとしても。

今回のスタンの罠は目標がそれを認識していないから有効なのよね。

と言うことは、目標を捕えるまで広範囲に長時間スタンを発動する必要があるから相当な魔力を消費するんじゃないの。

エリカちゃんとここに居る肉壁ちゃんだけで足りるかしら、魔力量的な意味で。」


それを聞いたおばちゃんがにやっと笑って、答えた。


「リュウ君に今晩、お腹いっぱいに唐揚と"私"を食べさせておけば魔力が満タンに。

それに"私"が"今晩"で満足すればスキルの魔力回復のボーナス分が大幅UPするわよ。

ねっ、リュウ君。」


えっ。


ここまでの成果

魔力回復: 12+33%

次にスキルを発動するまでのクールタイム: 26時間29分

("今晩"のことでスキルが大幅にdownしたんですが。)

(私は今晩シュウ君に満足するまで食べてもらえば、それ以上にボーナス分がUPするわよ。

覚悟を決めてね。

皆の命が掛かっているんだから。

もう、逃げらんないわよ。

まぁ、明日は寝不足になっても、私の指示通りスタンを発動するだけだから余裕でしょ。

頭を使わないから、ぼ~っとしていてもOK。

と言うことで、今晩は心行くまで罠の中で楽しもうね。

お・と・なの娯楽。(おばちゃんターン))

(あぁ、俺は蜘蛛の巣に摑まった哀れな虫っていことかぁ。)

(じゅるり♡。(おばちゃんターン))


活動報告に次回のタイトルを記載しています。

お話に興味がある方はお読みくださいね。


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