「ヤンデレなハコさんと部長のお話」
すまない、息抜きで書きました。
「部長、お話があるんですが……」
「……改まってどーしたんだい、ハコくん」
二人は会社の上司と部下。上司の部長と部下のハコ。
仕事を終えて二人して、とある場所へとやって来た。
「……実は……」
呟きながら伝えるハコの言葉に、部長は二の句を継げなかった。
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「……前から……部長の事が……好きだったんです!!」
「……」
「……ええ、判っています! 部長にも立場と言うモノが有りますし、妻子ある身だと存じています!!」
「……ハコくん」
「……でも、好きなんです!!」
「……」
「……部長……」
「……ハコくん」
「……はい」
「……キミ、男だったじゃん」
「だって先月いきなり見慣れないヒトが部内に入ってきて、キミの机で仕事始めるじゃん!! 誰だって判るじゃん!? つーかキミの面接に俺も同席してたよね!?」
「その時『御社は扶養対応もしっかりしていて親しみの持てる社風ですよね』って言ってたじゃん!! あれ嘘だったの!?」
「……あー、ええ……あれは双子の……弟?」
「キミってば一人っ子だったじゃん!! 面接シートにそー書いてあったじゃん!?」
「……取り乱してしまったね、済まない。ああ……うん。キミの過去には目を瞑るとしよう。しかし、キミも知っている通り、私には家族が……」
「中学生の娘から『パパ部屋の扉閉めて! だって臭いんだもん!!』って言われているのに?」
「……ッ!?」
「奥様からは『私がパートに行っているの、お金の為だけじゃないって、理解してる?』とか言われているのに?」
「……そ、それは……」
「……だから、もう……」
……っ!? はぁ、はぁ、はぁ……
……夢、だったのか?
俺は驚いて起き上がると、周りを見回した。
……い、居酒屋だと……いや、まさか……
「部長、お目覚めですか……? うふふふ……♪」
背中の方から聞き覚えのある声が聞こえて、背筋に冷や汗を感じた。そこにはスーツを着崩した箱崎が座っていた。そう、女の姿のハコである。
……それから三十分後、シャワーを浴びた箱崎と何故かホテルの一室で向き合った俺は、下半身だけ男のハコと対面していた。
……モンタージュ写真かよっ!? って、思った。だから《男として部長を愛したい》とか言うなムカつくから。
最後の言葉が書きたかったんです。ではまた!!