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死神の従者【仮】  作者: さとり
第三章  ヨシノと桜
19/26

3-2

突然現れて父親だった男を殺した女の子は私に近づいて鎌を振るった…

殺される…そう思って身構えたがその鎌は私の指先に小さい傷をつけただけだった、そして…


「ソメイヨシノが命じる、汝、花咲桜を我が従僕とし、此処に血の契約を結ばん」


女の子がそんな言葉を発した…


「いきなりすぎて怖がらせてしまいましたね。ごめんなさい。契約も無事に終わったところで私のこと、それからあなたとこの男の事について説明させていただきます」


そう言って鎌を持った女の子は携帯を取り出した。女の子が携帯を操作し終えると空中に立体映像?が映し出された。映し出されたのは綺麗な金髪の女性で彼女はミカエルと名乗った。彼女が教えてくれたのは私と男の身に降りかかったことの真相と彼女たちの正体…そしてこの世界の隠された歴史だった。


「にわかには信じられないって顔をしてますね」

「それは…」


女の子が問いかけてきた。

正直に言ったら信じられるわけがない、こんな荒唐無稽な妄想話なんて普通だったら頭がおかしいと思われても仕方がない、でも…何故だかその話には嘘がないと思ってしまう。


「初めてこの話を聞かされたら誰だって同じ反応をします。私も最初はそんな反応をしました」

「こんな話普通なら信じられません!だけど…」

「心配しないで。先生が言ってました、血の契約を交わすと血に刻まれた本能でこの話が嘘でないと理解できるらしいです」

「血の契約?本能?」

「えぇ、先ほどあなたの指先につけた傷と私が唱えた契約の言葉によってあなたと私は契約を交わしたパートナーになったわ」

「そんな勝手な…」

「勝手なのはわかってるわ。でもこうしないと私はあなたも殺さないといけない。そこの男と同じように…」

「そんなの……」


あまりにも理不尽な対応に怒りがわいてきて何かを言ってやろうと思った、私はあなたの道具じゃないんだと言ってやろうと思った、私には私の意思があるんだと、私の意思を無視するなんてひどいじゃないかと…だけど…そこまで考えて気づいてしまった…今までと何も変わらないと…結局は私を所有する相手があの男から彼女に変わっただけで今までだって十分道具みたいなもんだったことに気づいてしまった。

そのことに気づいた私がとる行動はいつも通りで…口をついて出る言葉は情けないものだった…そんな私に彼女がくれた言葉…それはたぶん私が誰かに言ってほしかった言葉…それを聞いたときに思ったんだ彼女とずっと一緒に居たい、彼女の役に立ちたい、道具としてじゃなくてパートナーとして彼女と…


「いえ…そうですよね。命を助けていただいてありがとうございます。どうか私の命をあなたのために使ってください」

「勘違いしてるみたいだから言っておくわね。桜、私はね誰でもよかったわけじゃないの…桜だから助けたのよ、桜だからパートナーになって欲しいと思ったの、ほかの誰かだったらたぶん殺してたわ。だからね、自分の命を使えなんて言わないで、桜は私の…ソメイヨシノのパートナーになったんだから」

「なんで…?」

「なんでそこまで言うのかって…それは秘密。いつか教えてあげる。

改めて、私の名前はソメイヨシノ。ヨシノって呼んでね。もちろん呼び捨てでいいわ、パートナーになるんだから、さん付けじゃおかしいしね。これからよろしくね桜」


そう言ってヨシノさん…ううん、ヨシノが私に手を伸ばしてきた、私はその手をつかんで…


「私の名前は花咲桜。私も桜って呼び捨てにしてください。よろしくお願いします。ヨシノ」

「もう桜って呼んでるわ、それから敬語も禁止ね」


そう言ってヨシノが笑う。

私は今日のこの日をずっと忘れないと思う…私を私だからという理由で必要としてくれた…とても大切な人に出会えた日…これからどんなことが起きても私の最高の思い出…



ヨシノが言っていた秘密はそれから数週間後ある事件がきっかけで私の能力が覚醒したことで教えてもらうことになる。

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