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死神の従者【仮】  作者: さとり
試験
11/26

2-4

「こんばんは、こんなところで会うなんて奇遇ですね。ヨシノさん」


ヨシノを知っている?ヨシノの知り合いなのかな?あれ、でもさっき敵だって言ってたような…


「何故あなたがここにいるんです?あなたは今回の試験監督ではなかったはず?そして何故あなたは敵と同じ力を発してる?」


「ミカエル先輩から聞いてはいたけど、本当に優秀だね君は…こんな言葉を聞いたことはないかい、あまり優秀すぎると早死にするって」


「闇に落ちたんですか…あなたほどの人が見損ないました。ルシフェル様」


「アハハ!ルシフェル…違うね。僕はルシファー。堕天使にして大悪魔ルシファーさ」


「闇に落ちた?どういうことなの、ヨシノ」


「いったいどんな方法を使ったのか分からないけど、悪魔になったってこと」


「悪魔に…そんなことがあるの…」


「僕が教えてあげますよ。邪神に頼んだんですよ」


「邪神に魂を売ったというんですか…ルシフェル…いや、ルシファー…貴様を倒す。行くよ桜。ユニゾン」


「たとえ邪神に魂を売っても僕にはやり遂げたいことがある。ただそれだけのことですよ。しかし、僕も舐められたものですね、あなた達ごときが僕にかなうはずないでしょう」


「やってみないと分からない」


「わかりますよ。ほらこんなに簡単」


何が起きたのか分からなかった、私たちは確かにルシファーを見ていた。突然目の前から消えた、次の瞬間には私たちの目の前にいて、手に持っていた武器を振りかぶっていた。


「ユニゾン解除」


突然、ヨシノとの繋がりが断たれる…ルシファーの剣に切り裂かれるヨシノが目の前にいた…


「ヨシノォォォォ‼」


「おやぁ、パートナーをとっさに逃がしましたか。素晴らしい反応ですね。ですが、それに何の意味があるんですかねぇ」


「貴様は知らないだろうが、私のパートナーは治癒能力を持っているんだ」


「ほぉ~、それは珍しい。で、それが何か?」


「この程度の傷なら直ぐにでも治せる、そしたら貴様を」


「アハハ!おめでたいですね。それだけの隙があれば僕なら貴方たち二人を殺せますよ。まぁそんなことはしませんがんね、残念ですが、僕の剣には呪いがかかっていましてね、彼女の治癒ではその傷は治せませんよ」


「ヨシノ!この傷おかしいよ!本当に治せない」


何で治らないの、治って、治ってよ…このままじゃヨシノが死んじゃう…


「おやぁ~、治りませんねぇ。可哀想なヨシノさん、何でこんなことになってるんでしょうねぇ」


「何を言ってるの…貴方が…貴方がやったんじゃない‼」


「確かに、ヨシノさんを切ったのは僕ですが、仕方ないでしょう、僕だって死にたくはありません。そりゃあ、抵抗もしますよ。つまり僕がやったことは正当防衛というやつです。では、何が悪いのか。それは、あなた達が今日この場所で僕と会ってしまったこと。じゃあ、なぜ会ってしまったんでしょうか。貴方たちはすでに試験の課題をクリアしているにもかかわらずなぜ地上に残っているんでしょうか?地上にいなければ僕に合うこともなかったはずですが、何故でしょう?」


「それは…エルさん達が…まだ…」


「Exactly…その通りでございます。そうです、すべてはエルさん達がいまだに課題をクリアしていないことが引き起こしたのです。つまり、僕を恨むのはおかしい。恨むべきは彼女等ではないでしょうか?」


「そんなの詭弁よ!」


「いえ事実です。僕の眼を見てください。これが、あなたを騙そうとしている眼に見えますか?」


「桜…ダメだ…視ちゃ…ダメ…」


「そんな…こ…と…な…」


「視ましたね。そう、すべては彼女等の、いえ、あなた方をいまだ地上にとどまらせているミカエル先輩の、いいえ、いいえ、あなた方にこんな戦いを強いる世界のせいです。さぁ、憎みなさい…世界を…憎みなさい」


「世界が…悪い…」


「そうです。その通りです」


世界が、私たちに戦いを強いる世界が、私を助けてくれない世界が、ヨシノを酷い目に合わせる世界が…憎い、ニクイ、にくい、憎い‼‼


「いい、実にいいですよ。桜さん、さぁ憎みなさい、世界を憎みなさい。そうです、一つ良い事を教えましょう。ヨシノさんですが…あなたがユニゾンすれば助かりますよ」


「‼」


助かる、ヨシノが助かる、しなきゃ、ユニゾンしなきゃ…


「貴様…何を…考えている」


「滅相もない、親切心ですよ」


「桜…聞いちゃダメだ…」


「ヨシノ、絶対助けるよ…ユニゾン‼」


そう、絶対に助けるんだ、ヨシノは私を救ってくれたから、次は私がヨシノを…


「愚かですね、無知とは罪とよく言ったものです。呪いを受け契約を交わした者が世界を憎み『適格者』と一つになる…それが邪神を作り出すとも知らずに…まぁ今回は僕が誘導したんだけど、僕の調べでは彼が僕の求める者を持っている」


貴方たちはエサです。彼の力を目覚めさせるためのエサ。彼女は来る…彼を連れて。そして、彼は、あなた達のため、ミカエル先輩のため、彼女のために…きっと、僕の期待に応えてくれる。

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