ちょっと一息姉妹編 百合(ゆり)+桜(さくら)
「 いやん」
突風が吹き浮き上がろうとするスカートの裾を抑える恵美と百合
「 エッチな風ね」
恵美はそう言い百合の方を見るとかなり一生懸命になって抑えている。どうしてもイタズラ心が芽生えるようだ。
「 愛いやつめーw」
「 ちょっと恵美ちゃん何で私の両手を捕まえてるの?スカートめくれちゃうよ」
「 ちょっとぐらい良いではないか良いではないかー」
虹野姉妹の姉(百合)と同級生の恵美である。同じクラス、百合の後ろの席で大抵百合をからかって遊んでいる。
「 百合ちゃん休日って何してんの?あんまり休みの日の話って聞かないけど」
「 大体妹の桜とゲームしてるかな?」
「 今度遊びに行って良い?ゲームは結構自信あるんだー」
「 え、ゲームって言ってもその何ていうか特殊だから」
「 特殊って何?テレビゲームか携帯ゲームじゃないの?もしかしてエッチなやつ?」
「 いえ、そういうものとは違うけど」
「 隠さなくても良いじゃん、黙っててあげるからさあ」
「 そんな変なゲームじゃないんだよ、ただね、出来る人を選ぶゲームっていうか」
「 私のゲーム適合能力を舐めておるなーお主wパズルからRPG、アクション、シューティング、クイズ、大抵のジャンルは網羅しておるのじゃぞ」
「 んーどれに近いのかなあ、敢えて言えばパズルかなあ」
「 落ちゲーでも、積みゲーでも、ナンクロから数独でも大体出来るよ、今度の日曜遊びに行くからねー、んじゃの」
「 あ、ちょっと」
百合の返事も待たずに恵美は軽く手を上げたかと思うと走って去っていった。
「 相変わらず強引なんだから、日曜日ってあさってじゃんよー、桜とかどうしよ」
ぶつくさと独り言を言いながら帰路に付く百合
「 ただいまー」
「 お姉様おかえりなさいませ」
「 桜ーそんな敬語じゃなくても良いよー1年近く離れてても一応同い年なんだしさあ」
「 1年でも1日でも私にとってお姉様には違いありませんから、お姉様を尊敬するのは愚妹として当然の勤めなのですわ」
「 どこが愚妹なんだよ全くー、美人でスタイル良くて頭が良いとか、私が勝ってるの将棋位しか無いじゃんよー、出来る妹と常に比べられるって一体なんの罰ゲームなのかと」
「 私そんな美人でもスタイルが良い訳でもありませんよ、お姉様より少しだけ細身って程度で」
少し離れて姉の百合を上から下まで眺める桜。
「 うっさいわwそれをスタイル良いっていうの!それより今度の日曜日友達遊びに来るんだけど」
百合が話を切り出した。
「 あらお姉様がご友人を家に招かれるなんて珍しいですわね、雨でも降るんじゃないかしら?」
カーテンを開け窓の外を心配そうに眺める桜。
「 そんな余計なジェスチャー要らないw桜のボケは難しいんだよいっつもー、それにこっちだって呼びたくて呼んだ訳じゃないよ、どうせまた比べられるっていうのに・・・」
「 え?何か仰られました?それより明日にでもおもてなしの準備しないといけませんね、クッキーで良いかししら?材料は多分あると思うので」
「 気を使ってくれるなら外に遊びに出ていて貰いたいよ」
「 ご心配なさらなくてもお姉さまのご友人を取ったりとかしませんよ?私、ふふっ」
明るくお淑やかに笑う桜。
「 そんな心配してないよーまぁいーや桜、将棋指そうぜー」
「 はい、準備は出来ています、それでは宜しくお願いします」