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剣と魔法と転生者  作者: 将棋好き
2章
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6話

レオンの年を三歳にしました。

「レオン様、くれぐれも一人にならないでくださいね」


「わかったよ、ソーヤ」


 といっても所詮は下級貴族なので、領内はあまり広くない。

 領民はせいぜい200~400人ぐらいだろう。

 こうしてしばらく歩いていると、色々な人や魔物に出会う。

 まあ魔物といってもちゃんと調教されておとなしいので、危険性はさほど高くない。

 例えば、馬の代わりに荷車を引く鳥に似たバーグという魔物等がその代表例だ。

 毎朝散歩をしているせいか自然と顔見知りが増えてくる、顔見知りの多いのは商店街だ。

 そこを散歩すると、必ず誰か話しかけてくる。


「ようレオン坊っちゃん、散歩かい?」


「ソーヤちゃん、今日は魚介類が新鮮だよ」


 他の貴族の領内なら、こんな話し方では不敬罪に問われるのだが、この人数の少ない領内では、領主自ら領民とよく他愛のない話をしているので、気兼ねなく話せるようになっている。

 なので皆、口調は特に気にしていない。

 散歩を始めてしばらくたった頃、一人の見慣れない老人に出会った。

 毎朝散歩しているので、見たことのない人がいれば分かる、それはソーヤも同じようでちょっと身構えているのが分かる。


「すいませんおじいさん、私はこの近辺に住んでいるものですが、どちらから来られましたか?」


 と、ソーヤが尋ねるとその老人は


「何、儂ももう年なのでの隠居できる場所を探して旅をしとったのじゃ」


「なるほど、でしたらぜひこの領内で過ごしたらどうですか、この領内の領民は皆いい人ばかりですよ」


「そうかのではしばらくとどまろうかのう」


 そう言うと老人は去っていった。


「新しく領民が増えると嬉しいですね」


「そうだね」


「そろそろ屋敷に戻りましょうか」


 こうして朝の散歩は終わりを告げ俺とソーヤは屋敷に帰るのだった。


「あらソーヤ、レオンもう帰ってきたの?」


 俺達が散歩から帰ると、母親のクラは庭で素振りをしていた。

 なんでも腕を鈍らせない為だそうだ。


「クラ様タオルをお持ちしましょうか?」


「まだ始めたばかりだからいいわ」


「でわ私は洗濯をしていますので何かありましたらお呼びください」


 そう言うとソーヤは洗濯をしに屋敷に入っていき、クラは再び素振りを始めた。

 俺は暇なのでまた書斎に行くとしよう。

 そう思い書斎に向かおうとすると後ろから母親に呼び止められた。


「レオン一緒に素振りをしないか?」


「素振りですか?」


「ああそうだ、今から体を鍛えておいても損はないだろう」


 そう言うと母親は俺の手を取り庭に連れていった。

 俺は木刀を渡され母親と一緒に素振りをさせられた。

 色々と注意をされながら素振りを始めること二時間、屋敷から


「クラ様、レオン様そろそろ休憩してはいかがですか」


 素振りなどやったことのない俺は全身が悲鳴をあげていたので喜んで休憩した。


「ふぅ、なかなか筋が良かったぞレオン、明日から一緒にやろう」


「はい…」


 正直滅茶苦茶やりたくないのだが、この世界で剣が使えるのは役に立つので断らない。

 こうして明日から剣の訓練が、始まるのだった。

誤字脱字等ありましたらご連絡ください。

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