3話
今回も短いです。
部屋のなかに入るとそこには、事務用の机がありその向こうには、この部屋の主であろう、老年の人が、いや神様がいた。
「ご苦労じゃったなミシェル、もう下がってよいぞ」
「はい、では失礼します。」
そう言って部屋を出ていってしまうミシェルさん、正直めちゃくちゃ緊張していたので、ある程度は打ち解けたミシェルさんにいてほしかったのだが、その願いは、あっさりと消えたのだった。
ミシェルさんが、出ていくと同時に神様が話しかけてきた。
「そんなに緊張しなくともよい、なにもとって食おうというわけではないのじゃから」
そうは言われても、相手はこの世界のトップだ、緊張するなというのはいささか無理がある。
「まあよい、それよりも天音よ、ミシェルにもう聞かされておる通り、これからお主の行く先を決めねばならん」
そうだった、ここに来た理由をすっかり忘れていた。
「ちなみに、どうやって人生を決めるんですか?」
「そんなもの儂の独断と偏見に決まっておるじゃろ」
「え、そんなんで決めていいんですか!?」
「さすがに、今のはお主の緊張を解くための冗談じゃ」
びっくりした、さすがに今のが本当だったら神様をひっぱたいて考えを改めさせるつもりだった。
まあ、そんなことをしたら消されるかも知れないが…
「オホンッ、まあさっきのは置いて、本気で考えんとな」
「それで結局どうやって決めるんですか?」
「それはな、自分のしてきた善悪で決めるんじゃよ」
これは予想していた、問題はどのくらいの大きさで悪や、善が決まるのかだ。
「その善悪は、どのくらいの大きさで決まるんですか?」
「そればかりは、トップシークレットでな、教えることができんのじゃ」
やっぱりか、まあそんな簡単に教えていたら、世の中善人ばかりだろうからな…
「まあお主は、早く死んでしまったから、悪はあまりたまっておらぬ」
「比率で言うと、どれくらいですか?」
「7:3ぐらいじゃの」
おお割りと善が多い、昔から良いことしてて良かった。
「おしいのう、善が8だったら、天使として天界で働けたのにのう」
「7割だと、どれくらいの事が可能なんですか?」
「さっきから質問ばっかりじゃのう、7割じゃったら別の世界に生まれ変わるか、地上世界の監視員になるかじゃな」
い、異世界だって!!もしかしたら魔法とかドラゴン等が実在してるのか!!
「あの神様!!」
「なんじゃ、急に大声出しおって」
「その異世界には、魔法や、ドラゴンって存在しちゃってます?」
「お主口調が、違って来とるぞ…確かあったはずじゃよ」
よし行き先は決まった!!
「神様!!俺異世界に生まれ変わりたいです!!」
「本当にそっちでいいんじゃな?」
「もちろんです!!」
「しかし、向こうの世界と、こっちの世界では、なにかとかってが違うじゃろう、特別にお主になにか一つ能力をやろう、なんでもいいぞ」
なにがいいだろう、こういう時は、生きていた頃に読んだ小説の重要な能力にしよう…となると一つしかないな
「決まりました、神様」
「ほう、なんじゃ?」
「鑑定眼をください」
「よし、分かった生まれ変わったら、ちゃんとつけておこう」
「はい、ありがとうございます。」
そこに最初の緊張した空気は無く、むしろ朗らかな空気が広がっていた。
「では、頑張るのじゃぞ」
その言葉を最後に世界が回っていき、意識を失った…
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