2話
今回短いです。
そう言えばどうやって神様のところへいくのだろうか、見あたす限りまっしろな空間が続くだけである。
「でわ、そろそろいきましょうか。」
「あの、どうやって神様のところに行くんですか?」
「どうやってと言われても飛んで行くだけですよ♪」
「と、飛んで?」
「はい、飛んで♪まあ百聞は一見にしかずと言うことで、私に掴まってください♪」
この際何故そんなことわざを知っているのかは、おいておこう。
取り敢えず差し出された手に掴まってみる。
すると次の瞬間には、ものすごい勢いで飛んでいた。
何の予告もなしに行われたその行動によって一気に吐き気を催したが、なんとか我慢した。
そして飛び続けること数分、ようやく何か建物らしき場所が見えてきた。
「あれが、神様の居られる神殿ですよ♪」
話かけられていたが、今口を開くと胃の中のものが出てきそうなのでうなずくだけにしておいた。
それは、地球で言うならパルテノン神殿のような形だった。
「ふぅ、着きましたよ、天音さん…大丈夫ですか?」
地面に降りた瞬間に、すごい疲労感に襲われすぐには返事を出来なかった。
しばらくの間休憩をして(主に天音)神殿を改めて見てみると途方もなくでかかった。
「でかいなー!!」
あまりのでかさに、年甲斐もなく興奮してしまった。
隣でミシェルさんが、微笑んでいるのを見て、猛烈に恥ずかしくなると同時に、今からこの神殿の主に会うと思うと、いささか緊張してくる。
しかしそんな緊張を知ってか知らずかミシェルさんは、一人で先に行ってしまう。
置いてかれないようにしないとすぐに迷子になってしまう。
「そう言えば天音さんは、自分が死んだ話や、神様に会うという話を聞いても、あまり驚きませんね?」
「いえ、充分驚いてますよ、ただ感情に出にくい性格なんですよ。」
昔から周囲に、もうちょっと感情豊かになれと言われるが、これが性格なので仕方がないと割りきっている。
「そうなんですか、前に来た方は、逆に驚きすぎて連れてくるのが、難しかったので、助かりますが」
そう言えば、前に来た人達は、神様にあった後に、どうなったのだろうか?
今のうちにミシェルさんに聞いてみよう。
「ミシェルさん、他に神様にあった人達は、どうなったんですか?」
「前に神様にあった人達は、裕福な家庭に生まれ変わったり、私と同じように天界で働いている人もいますよ。」
「つまり、死んだ後は神様に、どうしたいかを言えば叶えてくれるんですか?」
「正確には、神様からいくつか提案があってその中から自分が良いなと思ったものにしてくれるんですよ♪」
なるほど、自分の提案じゃないのか…
まあ、無理やり決められるよりも、自分で選んだ方がいいか…
そうして、しばらく話をしながら、どんどん奥に進んでいくとついに
「着きましたよ♪天音さん」
目の前には、両開きのドアがあり、その向こうには、神様がきっといるのだろう。
いざ神様に会うと思うといささか緊張してきた。
「さあ、準備はできましたか?」
「はい」
そういうと、ミシェルさんは、ドアの近くに行きノックをした後、
「神様、天音深夜さんをお連れしました。」
と言い、そのちょっと後に、
「どうぞ」
と言う、厳かな声が聞こえて来たのだった。
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