【親】
新たに「生」まれ往く「命」と共に「導かれ」…「得た」「思い」によって…
再び引き寄せられた「繹奉」と「栄子」は…小さな「灯火」が指し目指す…
“「泰平の地」…”を思い…
寝る間も惜しんで…仕事に「没頭」して往った…
工面した「費用」の返済ゆえ…また…両親と「離れて暮らす」「孤独」を…「我子」には…
味合わせないため「繹奉」は…「瀛子」と営む…靴の加工業という「道」を歩み始めた…
借家を借りての小さな「自営」ではあったが…幸いにも移り住んでいた場所は…多くの…
同胞が移り住み「ヘップ」と呼ばれる「靴加工業」を営み続けてきた「町」でもあった…
そんな両親と…優しい「兄」と共に成長して往った娘「ミョンジャ」は…
幼少の頃から…自身の「使」「命」の強さを示し「家族」を驚かせて往く…
「男尊女卑」の「思想」が厳しい「本国」の「儀礼」を最も重んじていた父「繹奉」は…
「厳格」な「父親」となり…また…そうした「威厳」に見合うほどの体格であったゆえ…
父「繹奉」として放った…厳しい「叱責」は…大の「大人」でさえも怯むほどであった…
早くに「父」を亡くし…「母」の愛情も知り「得て」いなかった「繹奉」は…「祖父」が
重んじた「儀礼」という「教育」が…「父」の「威厳」であると…「思い」続けてきた…
だが…そんな…父「繹奉」に対し…娘「ミョンジャ」は…幾度となく放たれた「繹奉」の
「叱責」に…意義を唱え…脅えるどころか一歩も引かずにいた…そんな勝気な「娘」との
「葛藤」の中で「繹奉」は…「父」とは…「親」とは「何か」を学び…「得て」往った…
幼い「兄妹」が…幼児教育を受ける年となった…ある日…触れる事を禁じる「理由」を…
知らずにいた「兄妹」は…マッチ箱に触れ…父「繹奉」の厳しい「叱責」を受けていた…
父「繹奉」は…厳しい「叱責」と共に…マッチ箱の「火」を付け…子供達を脅えさせる…
そうする事で…「火」の怖さと…「父親」としての厳しさを…伝えようとしたのだが……
そんな「繹奉」の「叱責」に…優しかった「ミョンジャ」の「兄」は…「長子」として…
厳しく「躾け」られてきた「思い」も重なり…「酷く」脅えていたのだが…勝気であった
娘「ミョンジャ」は…触れたがる「子」の「理由」も問わずに「火」を近づけた「父」を
睨みつけ…厳しい「叱責」に脅える事なく…「火」を見据え…父「繹奉」を呆れさせる…
また…別の日には…自身の身丈よりも長かった「箒帚」を…そっと…持ち出し…「兄」を
殴った「男児」に…「硬い枝」の部分で殴りつけ…兄の「敵討ち」をして…戻ってきた…
そんな…娘「ミョンジャ」の…「兄」「思い」の気持ちと…泣き寝入りしない「心意気」に
「繹奉」は苦笑し…「父」として…「娘」を褒め…「道具」を使った非を…「諌めた」…
そして…
幼子ゆえの過ちを「正し」…
「導き」往く「父」として…
「娘」が殴った「子」の「親」に…
“「頭を下げに」…”往った…