7話
既に一万人の女性をおとしてハーレムしてる予定だったんですがね…….
おかしいな……
主人公に魅力がないのかな?
7話
最近、ますます酷くあの電波につきまとわれている。
登校中、いつも通りのんびりと歩いていると、前方の曲がり角からイノシシのように飛びかかってきたのだ。
あれには流石の僕も驚いてしまい、なんというか、一瞬ビクッとした。怖かった。
「と、飛びかかってなんていませんよ!ただ、ちょっと勢いがつきすぎてしまったというか……」
「あっそ。 恐らくここら一帯をしらみつぶしに調べまわっていたのだろう、その努力は認めよう。
だがな、気持ち悪いぞお前」
「ぐうっ…… 違います!ちゃんと探知の魔術を使いました!
魔王の最終兵器とまで言われたこの私が!そんな手段をとるわけないでしょうっ」
「嘘つけ、絶対苦手だろ」
少女の身にまとっている魔力は、これでもかと言わんばかりの赤さだった。確かに火力こそ高そうなのだが、その分命令系統の『魔法』が全滅状態だった。戦闘用ばっかり、バリエーション皆無。
つまり、脳筋。
探知系なんて繊細なものが期待できるわけがない。
こいつ日常生活どうしてんだろうか…… あ、兵器だから良いのか。
人のことを言えた身分でも無いか。ちなみに僕は全部手作業だ。
「……まあいい。で?今日はどんなお話を聞かせてくれるんだ?」
「……! やっぱり興味あるんじゃないですか! 素っ気ないフリしてっこのこのっ」
「つつくな痛い」
それから電波が魔王やら勇者やらの伝説を語り出し、ふんふんと聞いていると締めくくりに逃げろ避難しろと言い聞かせてくる。
その度に適当な理由を言って跳ね返し、学園に着くと後に相田やファルスにからかわれた。
その繰り返しだった。たまに、
「じゃあ僕の奥さんとやらを連れて来てみろよ。本当はいないんだろ、そんな奴」
そういうと、大抵その最終兵器電波は黙り込むのだった。
そして、やたらと真面目くさった顔でこう言うのだ。
ここは危険です、と。
この学園から離れてください、と。
「嫌だっってんだろ!離れなさい!」
「そ、そんなこと言わないで……
御慈悲を……御慈悲を……」
……ちなみに、たまに現れてくれる生徒会長はいつもかっこよかった。