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ナイトオブブルーローズ  作者: 陽山純樹
第1話

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11/106

迫る騎士

 増幅器を加えた疾走は、ほんの数分で大通りに到着させた。ひとまずカフェにでも行って落ち着こうかと考えた時、ふいに気配がした。

 それは今まで感じたことの無かった、変わった気配。


(戦闘で、感覚が鋭敏化しているのか?)


 普段以上の力で気配が読み取れるようになっているのだと、達樹は自覚する。

 そこでひとまず周辺を観察した。同じ魔法学科らしき女子が歩いている姿が見られる。いつも使っているカフェの一席には、教師らしき人物が座りコーヒーを飲んでいる光景がある。特に代わり映えのしない日常風景。しかし、


「……ん? 何だろう?」


 歩いていた女子が辺りを見回した。どうやら、彼女も何かに気付けている。魔法を使用し色々やっている騎士が、近くにいるらしい。


(俺を、監視している?)


 同時に達樹は思う――これでは下手に動くことができない。

 だから警戒しつつも、とりあえずカフェの一席に座った。落ち合う場所はここなので、放課後になれば笹原が来る。


 店員が注文を取りに来たが、達樹は「後で」と断りを入れると、去って行った。


「さて、ここで待つか……向こうも、手出しできないだろうし」


 鞄を膝に置いて、達樹は待つ。そこでなんとなく気配を掴もうと試みる。

 魔法の力はなんとなくわかる。しかし騎士そのものがどこにいるかはわからない。達樹は見切りをつけ、探るのを止めた。


 やがて学校からチャイムが聞こえる。時間的にはまだ授業がある。長くなりそうだと思っていたが、学校からカフェに向け歩いてくる見知った人物がいた。笹原だ。


「来たか……」


 達樹は彼女を認めたと同時に、席を立ち足を向ける。

 道中、彼女も何かに気付いたのか立ち止まり、視線を周りに向けた。達樹はすかさず笹原へ手招きをした。彼女はそれを見て、辺りを気にしながらも歩み寄ってくる。


「お疲れ様……授業は終わりですか?」


 達樹が先んじて問い掛けると、笹原は同意する。


「はい。時間が余ったのでお茶でも飲もうとかと思ったのですが……気配がしますね」

「多分見張られてます」


 答えると、彼女は警戒の色を濃くした。


「部屋に戻ったら、以前戦った騎士みたいな奴がいました。資料は無事でしたが」

「ずいぶんと、冷静ですね……」

「内心は心臓バクバクですよ……魔法使いがいる大通りで何かをするようなことはないと高をくくっているだけです。けどずっとここにいるわけにもいかないし、さっさと解決したほうがいいでしょうね。立栄さんは?」


 達樹が問うと、笹原は首を左右に振った。


「青井神斗捜索により、今日は来ません」

「そうですか……とすると、警察に持ってった方がいいのか……」

「いいえ」


 意見に、笹原は首を左右に振った。


「それも危険でしょう。西白さんを襲ったのは、会話を盗み聞きされ首謀者に伝わったということ……それに加え、ペンダントが九秋にあることを勘案すると、かの方が全ての元凶という可能性があります。警察は頼れません」


 直接的な表現を避け、彼女は話す。


 ここに至り達樹は理解する。彼女の言う人物――三石がもし首謀者なのだとしたら、警察に話せない。なぜなら、彼が警察関係者及び立栄と話をしている光景を、達樹自身も見ていた。間違いなく、彼は警察と深い関わりがある。

 考えていると、笹原からさらに解説がなされる。


「かの方は学園に結構情報網がありますし、それで把握されたのだと思います。八方塞がりですね。誰が味方かわからない状況です」

「唯一の道は、立栄さんですよね?」


 達樹が尋ねると彼女は頷いた。

 立栄は警察と一線を画す人物。なおかつ独自に動いている節もある上、一定の発言力を持っている。原因を究明するにもこの上ない力を持つ。彼女ならば間違いない。


「舞桜は今捜索に当たっており、青井商店に行っているはずです」


 そう言うと、彼女は携帯電話を取り出した。


「連絡をします」


 電話を掛ける。しばし彼女が電話を耳に当て――やがて、離した。出ないようだ。

 彼女は再度コールする。しかし、やはり出ないらしい。


「……仕事中は、連絡が入らない場合もあるのですが」

「直接行った方が、早いかもしれませんね」


 達樹が告げる。ここから青井商店ならばそう遠くない――

 だが無論リスクもある。商店は路地の奥まったところにあるため、襲撃を受ける可能性が非常に高い。


「できれば、連絡が付くまでここにいた方が賢明だと思いますが」


 彼女は告げながら、周囲を見回す。達樹も理解している。今もどこからか気配が漂っている。


「しかし、膠着状態が続きここで襲われるのも非常に危険です。人の迷惑にならないよう、移動したほうがよさそうですね」

「俺は、どうしますか?」


 達樹は彼女がどう言うか半ば確信できたが、訊いた。すると笹原は予想通りの言葉を返す。


「同行して下さい。例え資料を渡したとしても、ここまで深く関わり騎士が現れている以上、放っておけません」

「決まり、ですね。わかりました」


 すぐさま了承。こうして協力するのは、焦燥感を抱いていた達樹には願っていた部分もある。

 だが自分が果たして協力できるのか――不安もあったが、さすがにここで身を退くことは、相手も許してくれないだろう。


「早速、行きましょう」


 笹原は告げると達樹を先導して移動を始める。けれど直後、彼女から声が発せられる。


「気配も動きがありますね。やっぱり私達を監視しているようです」

「どこにいるのかわかりますか?」

「不確定ですが……後方くらいから。あなたは判別できないのですか?」

「方向は全くわかりませんよ。笹原さんも聞いていると思いますが、俺は増幅器を使わないと学科にいられないくらいの、落ちこぼれですから」


 達樹はここに至り、どこか開き直った心境で彼女に応じた。

 直後、笹原は小さく笑う。


「ですが、あなたの戦いっぷりは窺っています。あの黒い騎士を二人も倒したそうじゃないですか」

「……偶然ですよ」


 会話をしながら、二人はそのまま青井商店へと向かった。






 二人は商店へと続く路地を幾度となく曲がり、進む。やがて、達樹にもわかるくらいに気配を感じるようになった。


「数が増えていますね」


 笹原が告げる。達樹も即座に頷いた。


「……改めて確認ですが、商店に立栄さんがいるのは、間違いないんですか?」


 達樹が笹原へ尋ねた。青井商店まではあと少し。


「はい……ただ正面からも、何かしら気配がします」

「え、そうなると彼女もまた……」

「戦闘中、かもしれません」


 達樹は体を強張らせる。

 以前出現した重騎士を思い出す。彼女と戦っているのは、間違いなく重騎士だと思ったためだ。黒幕がどんな相手かわからないが、彼女の素性は確実に把握しているはず。ならば騎士では力不足で、重騎士を使っているに違いない。


 思っていると、周囲の気配は二人へ近づいてくる。達樹は笹原がどうするのかと、動向を窺う。

 すると、彼女は小さく息をついた。


「……商店方向から舞桜の魔力を感じます。舞桜は普段魔力を見せないよう活動しているため、魔力を発散して戦っている見るべきです」

「とすると、ここは……」

「はい」


 笹原は、神妙な面持ちで頷いた。


「私達で、食い止めましょう。舞桜の手を煩わせるわけにはいきません」


 瞬間、周囲の魔力が膨らんだ。


 達樹と笹原は同時に戦闘態勢に入り、辺りを見回す。今いる場所は車が一台通れるくらいの狭い道。真っ直ぐ進めば商店に辿り着くのだが、正面から続々と素手の騎士が現れる。

 次に後方を確認。やはり騎士の姿。囲まれている。


 そこへ、今度は笹原からの声。


「西白さん」

「はい」

「戦闘能力は多少なりとも聞いていますが……この状況で、どこまでやれますか?」

「多人数の相手は初めてなので、どうなるか……」

「わかりました。前方の敵を私がどうにかします。西白さんは後方の敵に対し時間を稼いでください。突破できそうなら、呼び掛けます」

「わかりました」


 頷くと同時に、笹原の体から魔力が溢れだす。さらに彼女の手先から炎が生まれ、騎士へ威嚇するように道の真ん中に立つ。


「さすがに粉塵が舞うような術は使えないか……」


 彼女は呟き、同時に炎が収束。手に収まる程度の大きさにした。

 そしてそれを、騎士へ向けた。途端に炎がレーザー光線のように一直線に伸び、騎士の一体を貫く。それだけでは済まなかったのか、貫通し後方の騎士まで巻き込んだ。


(おいおい……)


 術の威力に達樹はたじろいだ。彼女も結構なレベルの魔法使い――認識しつつ我に返り、後方を確かめる。騎士の一体がこちらに迫っていた。


「やるしか、ないか――!」


 達樹は叫び覚悟を決め、鞄を地面に放り投げると騎士に走る。

 相手が仕掛ける前に一気に間合いを詰め、拳を繰り出した。


 一撃は騎士を見事に吹き飛ばし、空中で体そのものが消滅する――今度は、狭い路地に騎士が二人並んで突っ込んでくる。狭さにより集団で襲い掛かれない状況を作りだしており、達樹にとっては望ましい状況。


「とはいえ、二人相手もきついけど……!」


 後続が控えている以上、前を手早く倒さなければ数で押し切られる――判断した達樹は、即座に全身に力を込めた。手足に魔力が収束し、体に高揚感を与える。


(問題は、どのくらい維持できるか……)


 ――元々魔力の少ない達樹は、増幅器使用の全力戦闘において魔力の上限を気にする必要があった。そのためあまり手間はかけられない。


 収束が済むと、二体の騎士に走る。またも攻撃される前に一体を拳で叩きのめし、さらに一体の腕を引っ掴んだ。腕に力を込め、騎士を思いっきり後続へ投げつけた。


 投げただけなので消滅はせず、騎士は後方の敵を巻き込んで吹っ飛ぶ。倒すことはできないが、巻き込んだ騎士の分だけ敵が遠ざかる。

 けれど飛ばされなかった騎士は、何事も無く達樹へ迫る。


「でも、これで……!」


 隊列が崩れた。騎士は多少バラバラになりながら侵攻を続ける。

 達樹は単独で迫る騎士を一体打ち倒す。続いて隊列が崩れ散発的にしか来ない騎士を、各個撃破していく。


 少し余裕が出てきた時、達樹は後方を一瞬だけ見た。同じ場所に立ち、魔法を撃ち続ける笹原の姿。魔法は炎だけでなく、雷撃を織り交ぜていた。だが騎士の数はかなりのもので、魔法を連続で撃っていても一向に減らない。


(これ、とんでもない数が来ているんじゃないか――!?)


 推測しつつ視線を戻す。二体が同時に襲い掛かろうとしていた。


(しまった!)


 胸中で舌打ちしている間に、手刀が放たれる。

 達樹はそれを自動迎撃で弾くと、反撃に出た。一体を蹴りで吹き飛ばし、もう一体を先ほど同様間合いを詰め、腕を掴んで放り投げた。先ほど同様、後続の隊列を乱す。


 攻撃によって敵が僅かに動きを止めた。達樹はそこで、一度笹原の近くまで後退し、彼女に呼び掛ける。


「笹原さん、状況は?」

「多すぎますね。これほどの数を一体どこから……」


 彼女の声音は先ほどと変わらないものだったが、苛立ちを感じさせる響きがあった。予想外の数に、少なからず狼狽しているらしい。


 会話の間に騎士達は、体勢を崩しつつもなお追いすがる。達樹は舌打ちしながら再度仕掛けた。間近の一体を倒すと、今度は蹴りで敵を吹き飛ばした。空中で消滅はせず、後方にすっ飛んで別の騎士と衝突する。


「このまま、ジリ貧か?」


 呟きつつも、心は冷静を努める。

 今慌てれば後方にいる彼女にまで危害が加わる。動転すれば間違いなく終わる。助かるには自分も戦線を維持しなければならない。


 頭の中でまとめつつ達樹はさらに攻撃を加えようとした――直後、どこからか獣の咆哮のような音が聞こえてきた。


「っ!」


 達樹は呻き、周囲を見る。聞き覚えのある声。間違いなく、以前遭遇した重騎士。

 辺りを警戒しながら騎士へ目をやると、動きが変化していることに気付いた。


 いきなり騎士達が動きを止め、立ちはだかるように進路を塞ぐようになる。後方を確認すると、商店方向の騎士も同様に動きを止めていた。笹原も異変に気付き、魔法の行使を中断する――そして、突如視界が暗くなった。


(いや、違う――!)


 達樹は瞬時に上を確認した。

 笹原の目の前に、何かが飛来する。それが轟音を立て道路に着地し――予想通り、重騎士であるのがわかった。


「これは――」


 笹原が呟いた直後、槍が放たれた。同時に彼女が両手をかざし、半透明の赤色の障壁を生み出す。

 槍と障壁が衝突する。重騎士の一撃に障壁はヒビが入り、笹原の表情が険しくなる。


 そして彼女は防ぎきれないと悟ったか、障壁を維持したまま横手に逃れた。障壁が破壊され、彼女の横を槍が通り過ぎる。

 その光景を見て、達樹は直感した。重騎士の攻撃を防ぐ手立てはない。さらに以前戦った時の、巨体に似合わない動作――このまま防戦していたら、結末は前と同じになると理解する。


 障壁が完全に消失した時、達樹は重騎士に向かって走る――笹原が何事か叫んだ気もしたが、無視した。相手は槍を引いていない。ここで間合いを詰めなければもう隙がない。

 無謀とも思えるその特攻は功を奏した。重騎士が一瞬だけ、槍を向ける相手を躊躇する。それはきっと、命令を遵守しようとして、どちらを先に倒そうか判断していた時間かもしれない。


 その間に、達樹は懐へもぐりこんだ。そして思い出す――立栄が胸を魔法で貫き、相手が消滅したという事実を。

 達樹は跳躍する。増幅器により普段よりも倍する距離を跳び、勢いをつけ拳を振りかぶり、逡巡する重騎士の胸部に叩き込んだ。全力の一撃。それは確実に手応えがあり、重騎士の動きを一瞬止める。


 倒したか――だが、そう思ったのは一瞬。胸部の一部を砕いたが、重騎士は大きくのけぞっただけで消滅には至らない。


(駄目か――!)


 自身の攻撃力では通用しない――達樹は思いながらは地面に着地すると、即座に退こうとした。

 そこへ、真上から逆手に持ち替えた重騎士の槍が放たれる。


「くっ!」


 即座に横に跳んだ。

 立っていた場所に槍が突き刺さる。身体能力が向上し回避能力が上がったため、どうにか避けられるようになっていた。


 達樹が一歩距離を置いた時、今度は笹原の炎が重騎士に放たれる。先ほどと同じような、レーザー状の炎。

 重騎士は魔法を盾で防ぐ。さらに槍を差し向け、達樹や笹原を串刺しにしようとする。二人はそれを回避しながら後退する。だが、後方にいた騎士がジリジリと間合いを詰めてきた。逃げ場がない。


「……これまで、ですか」


 笹原が呟いた。言葉に反してあきらめの雰囲気は無い。だが、覚悟は決めた様子。


「西白さん。重騎士に対しあなたがやったように特攻を仕掛けます。それでたじろいだら、無理やりでも突破します」

「わかった」


 達樹は了承。それくらいしか最早方法は無かった。

 笹原が腕に力を込め、炎を腕全体に生み出す。それを見た騎士達は一歩前に出て、重騎士もまた槍を向けようと体勢を整える。


「……行きます!」


 笹原が声を発し、合わせて達樹も足を踏み出した。

 重騎士の槍が放たれる。一撃目はどうにか避けた。しかし僅かに生じた隙に、重騎士が素早く槍を放つ。速い――達樹は避けられないと、直感した。


 背筋が凍り、死を覚悟した――だが、差し向けられる直前に、槍の先が消失した。達樹は瞠目しながらも回避する。消失した先の分だけ回避に余裕ができ、紙一重でよけられた。

 次いで、重騎士の体が大きく音を立てる。見ると、重騎士の上部が軋んでいた。一体何を――思っている間に、今度は刃に触れたようにズタズタに切断されていく。


「これは――」


 笹原もまた目の前の光景に唖然としていたが、やがて答えを出したのか、ゆっくりと息をついた。

 ここに至り達樹も理解する。魔法で、二人は救われたのだ。


 残る騎士達もまた、同じように上空から飛来する刃に撃たれ、消滅する。後方を確認すると、騎士は一体残らず消えていた。

 進行方向を見る。そこには、制服姿の立栄が佇んでいた。


「舞桜……」


 笹原が少し怯えた目で彼女を見る。怒られると思っているのかもしれない。

 達樹もまた首をすくめた。関わらないという風に言っていた手前、またも助けられる形となり、申し訳ない思いを抱いた。


 立栄が歩み寄ってくるが、二人は無言。やがて彼女は間近まで来ると、二人の姿を眺め、尋ねた。


「……怪我は、無い?」


 確認の問い。達樹と笹原は同時に頷いた。


「そう。良かった……」


 心底安堵した声で、立栄は呟いた。それに、笹原が小さく頭を下げる。


「舞桜……ごめん」

「ううん、いいの。西白君がこの場にいるということは、何かあったんでしょ? 私も菜々子からの報告を受けて、もしかしたらという推測もあったから……ごめん」


 そして謝った。達樹は俺の方こそ、と言おうとしたが、先に彼女の言葉が出た。


「青井商店付近の敵も片付けた。ひとまず、情報を整理したいと思う。どうやら、色々ややこしい事態になっているみたいだから」


 その発言に達樹と笹原は二の句が継げず、黙ったまま頷くしかない。


「ついて来て。青井商店に結界を張ったから、あそこは安全」


 立栄は体を反転させる。残る二人は彼女に追随。

 達樹はそこで、後姿を目で追いながら思った――今の彼女には、どこか余裕がないように見える。


 横にいる笹原も同じ認識なのか、不安な表情を浮かべていた。


「とりあえず、全員無事で良かったです」


 そんな空気を紛らわすように、達樹が呟く。

 笹原は小さく首肯して応じると、彼女もまた気を紛らわすように言った。


「あ、西白さん。私のことはタメ口で構いませんよ。舞桜にもそうしているみたいですし」

「え、あ、わかりました……じゃなくて、わかった」


 流されるままに了承。彼女は小さく微笑んでいたが、不安までは消えないようだった。

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