女の子、拾ってきました。
「まさか…兄さんがロリコンだったなんて……」
「ごめんなさい」
なぜ、否定できなかったかというと、最近読んでいたライトノベルがロリポップなバンドモノだったからだろう。いつもバトルモノを読んでいる俺にはいい刺激だった。まったく、小学生って最高だな………。
―いかんいかん!これじゃ本当にロリコンじゃないか!
有らぬ方向に向きかけていた思考を、危ういところで立て直す。
「女の子が倒れていたんだぞ。普通、助けるだろ?」
「そうですね。助けるのが普通ですよね。でも、自分のベッドで寝かせるのは普通かなぁ?」
「だって、夜だったし、救急車とか呼んだら近所に迷惑だから………」
「わたしには迷惑がかからないとでも?」
「ご、御尤もです……」
「はぁ…兄さんの悪癖にはあきれるどころか、一周回って感心するくらいですよ。」
俺、礫原深夜には、ある悪癖がある。こうして、妹の小夜に説教を聞かされているのもそれが原因だ。
俺の悪癖。俺はそれを、|《拾集癖》(しゅうしゅうへき)と呼んでいる。
その名の通り、拾い集める癖だ。
捨て犬や猫、道に落ちていたお金、捨てられた雑誌。これらは誰もが一度は拾ったことがあるのではないだろうか。
友達と廃病院に行ったときに拾ったお札、公園のベンチに行かれていた怪しげな鞄。こんなモノを拾ってくる奴は俺ぐらいだろう。当然、それが原因で誰かに迷惑をかけることになる。だから悪癖なのだ。
そして、今回拾ってきたのは、女の子だ。
「ねぇ、兄さん。この子、人間なのかな?」
「え?」
「だってさ、青い髪だし。何というか…美人すぎじゃない?妙に整った顔だなぁって。」
「言われて見れば……」
確かに綺麗だ。着ている服もファンタジー作品の妖精族が着ていそうな衣装だ。この世界に存在することが場違いすぎるように感じる………。
日本人離れした容姿といえば、ハーフである俺もそうなのだが。この少女は、人間離れと言った方が合っている。
それにしても、この少女、どこかで見たことがあるような………
いつの間にか説教も終わり、兄妹はベッドに横たわる少女を見ていた。
「う…にゃあぁ」
「「起きた!」」
小夜も、少女に興味を持っていたのか、思わず声が揃ってしまった。お互いに苦笑。
さて、この少女には何から聴けば良いだろうか。無遠慮な質問をして混乱させるのは良くないだろう。とりあえず、無難なところで、名前を聞いておこう。
少女の方に身体を向ける。
そして、人外的な美貌の少女と目が合った。
ずっと眠ったままだったせいで見えなかったが、少女の瞳は澄み渡った青色だった。雲一つ無い青空のようなその瞳は、直視すれば意識が吸い込まれそうになる錯覚さえ覚えさせる。
少女があくびをし、ベッドから降りる。周りをきょろきょろと見渡し、口を開いた。
「貴方が、私のマスターなのですね」
少女は俺を見て、そう言った。
初めて、妄想を形にしました。
小説を書くのは初めてなので、まだ勝手が分かっていません。
とりあえず、一話。
本当はもっと書いた方が良いのでしょうが、書いている途中でプロローグを書き忘れている事に気が付き、一旦切りました。
次回の投稿は二話ではなく、プロローグになります。
二話もすぐに投稿する予定です。