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逃げる元王女とそれを追う第3皇子の物語  作者: 月迎 百
第16章 ルクレティア ~後宮の大変革~ (ルティ視点)
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144 ハカン王国からの帰国

異世界物です。転生や魔法はありません。

第17章ルティ視点になりました。

逃げなくて良くなりましたが、まだ話は続くのでこれからもお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 2日目の夜、アレク様がダートに相談があるとかで、私も同席して欲しいと呼ばれた。

 メグ様とベスは姉妹の王女達と過ごすために呼ばれているそう。

 そちらにはヨシュアが付き添うことに。


 ランスロットが呼びに来てくれて、ダートの部屋……と言ってもそんなに離れてなかったけど、入る。


 アレク様だけでなく王太子殿下もいた。マルスとランスロットが控えている。

 ん?


 私はダートの隣に腰かけた。


 アレク様が口を開く。

「ダート兄様。

 私はハカン王国に留学できないだろうか?」


 ダートが目を細める。

「留学? 何を学ぶ?」


「今日、山の方へ馬で行って……、ハカンは美しい国だ。

 ドーワルトとは違う文化や風習もあるし、私はハカンとドーワルトの懸け橋のような存在になりたいと思う。

 ハカンのことをもっと知って、ドーワルトに広めたいし、ハカンにドーワルトのことをもっと知ってもらいたい……」


「それなら留学という手を取らなくても、時々通えばいいのではないか? 

 他に理由が?」

 メグ様かな?

 

 王太子が話に入って来た。

「アレク様はメグのことだけを考えているわけではないよ。

 こちらは人質とかそんなことは考えていない。

 もっとハカンのことを知りたいと思ってくれたのはうれしい」


 ダートは王太子に向かって頷いてから、アレク様を見て話す。

「そうですね……。

 今回はドーワルトに帰るぞ。

 そして自分で話して許可を取ればいい。

 もし、留学ということやメグと一緒にというのが難しいとなったら……。

 そうだな、私の領地でハカンとの交易と交流を学んでみたいというのはどうだ?

 それならメグも帯同しやすいだろうし、俺も協力してやれる」


 アレク様が微笑んだ。

「ありがとうございます。

 はい、皇帝陛下に相談してみます。

 アルバート王太子殿下、明後日帰国の途に就きますが、きっとまた、メグと一緒にハカンを訪問できるようにします」

「ああ、その時を持っているよ。

 ……メグにはシンカイ王国との婚約を断るためとはいえ、メグのためでもあったのだが、ドーワルトにやるのは私達にしても苦渋の決断であったのですよ。

 でも、メグの夫となる人が君で本当に良かった。

 メグも君のことを愛していて、支えたいと……。

 あのおてんばで、私達を困らせていたメグがね……。

 ハカンはドーワルトともっと親しく、そして深く交流したい。

 いい返事を待っているよ」

「はい」

 アレク様が頷く。

 こちらももうすっかり兄と弟のようだ。


 最初メグ様が帰国を嫌がり、アレク様が困って言い出した……のかと思ってしまったけれど、きちんと考えての話で……、メグ様はまだ知らないのかも?!


「メグ様にこの話は?」

 私の問いに「いえ、話していません。帰国の途中に話してみることにします」とアレク様が教えてくれた。


 そこへヨシュアが訪ねてきて、メグ様とベスは今夜は王女様方のお部屋に泊まると連絡してくれた。


 そうか、姉妹水入らずでいいよね。

 アレク様とマルスはそちらに顔を出してから自分達の部屋に戻ると言ってヨシュアと王太子と一緒に出て行った。

 ランスロットもダートに礼をして出て行ってしまい、私は慌てた。

「えっ、ランスロット、送ってくれないの?」


 私は慌てて立ち上がったが、ダートに腕をつかまれ引き寄せられた。

 抱っこされるみたいに座ってしまう。


「ハカンの風呂っていいよな、広くて」

「えっ?

 まあ大きなお風呂は気持ちいよね。

 でも、混浴は……、湯浴み着を着ているとはいえ、抵抗あるな。

 ほら、アレク様やランスロット達と入ってくれば?」


「……離宮にも大きな風呂を作るか?」

「えっ?

 ここのは温泉って湯が湧いてるのを使っているそうだよ。

 ドーワルトの皇都では無理だよ。

 スーリアなら……、できるかもな。

 山の方に湯が湧いているところがあったから。

 ここまで大きいのは無理かもだけど、整備すれば風呂に利用できるかも」


「へー、スーリアか……」

 ダートが目を細める。


 私はダートの頬を両手で挟むと「さっきから考える時に目を細めてる。リュートや陛下みたいだよ」と言った。


「……ルティは、この癖、嫌か?」

「嫌ってわけじゃないけど……。

 リュートや陛下で見慣れてるから、ダートがすると……、なんか悪いこと考えてるのかと思っちゃう。

 家族だから……、似てるのか?」

「ああ、そうか、家族だから……。でも、そこまで悪いことは考えてないよ」


 私はダートの顔から手を外した。

「それじゃあ、部屋に戻るね」

「もう少し一緒にいたい」

 抱きしめられる。


 まあ旅行中はダートとふたりで過ごすことはほとんどなく。

 そりゃ私だって……。


 でも、私達は婚約中であって、特に今は他国へ来ているのであって……。


「その、そういうわけだから……」

「何がそういうわけ?」

「えっ、その婚約中で……」


 キスされる。

 な……、長い……。ちょっと!!

 



   ◇ ◇ ◇




 ダートのベッドの中で目覚めてため息をついた。

 ああ、やっぱり流されちゃう。


 ダートが私を求めるように、私もダートを求めていることは……確かなんだけど。

 時と場合、そういうことをだね……。

 もう少し、考えた方が良くないか? ダート?


 まあ、こうなっちゃってる時点で、私も言えないけどさ……。


 最後の滞在の3日目は王宮でのんびり。

 メグ様もアレク様も王宮でメグ様の家族とたくさん過ごされていた。


 次の日の別れの時、ハカンの皆様は涙だったけれど、メグ様はすっきりした表情をされていて。

 何だか自信を取り戻したような?!


 馬車の中で話を聞くと、微笑みながら話してくれた。


「久しぶりにハカンに戻れて、家族に会えて……。

 もっと自分を出しても、愛してもらえることに気がついたというか、思い出したというか。

 アレク様も私が私らしくあることに応援してくれると言ってくれました。

 これからは自分の気持ちややりたいことをはっきり言ってみようと思います」


 ベスが頷いている。


「ベスは?」

 私が聞くときょとんとされる。

 あれ、この旅の最初の目的って、覚えてる?!


「……辛い恋は忘れられた?」


 はっとしてからいたずらっぽい表情になるベス。

「はい、もう忘れかけてました!

 離れて考えたら、なんかすっきりしました。

 私の、私の良さがわからない人はほっといて、次に行こうって!」

 メグ様と顔を見合わせて微笑む。


 ん? 何があったの?


 私が『?』という顔をしていたのだろう。

 メグ様が説明してくれた。


「お姉様や妹と話をたくさんしたのよね。

 恋の話をたくさん聞いたの。そうしてベスも話したのよね」


 ベスも話し出す。

「はい、そうして、皆様からいろいろ意見が出て……。

 なんだこんな……男だったのかと。

 そうしたら、思い出しても気持ちがドキドキしなくなって……」


「そうか!

 客観的に見られるようになったってことかな?

 ベス、今度服買いに行こ!

 もっと似合う服があると思う!

 マリアやエイダが見立てるのとても上手なの。

 きっと素敵になる! ね!」

「いいなあ、私も一緒に行きたい!」

 メグ様も言って、3人で笑った。

読んで下さりありがとうございます。

第1章の話のラクシュの空白の3年間を展開しています。

第17章は名前が変わり、ルティ視点となりました。

あはは、レッドがどれだけけちょんけちょんに言われたのか気になるところですが、ベスには良かったようです。

ゆっくりと毎日更新を心掛けていきますので、長くお付き合いいただけたらと思います。

メモ書きはあるのですが、この先はまだ書けてなくて……。

明日の朝には間に合わないかもしれませんが、お昼までには投稿する予定です。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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