人を駄目にするもの
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
薄い恋愛です。R15です。
苦手な方はご注意下さい。
体を破壊的に壊す様な真似がしたい。暴飲暴食を繰り返して駄目になりたい。あぁ、カロリーの暴力めいたあの棒が、今は恋しくて堪らない。チョコとキャラメルとナッツとヌガーの、ただグラニュー糖だけを感じる為だけに作られたあの大味。其れが疲れている時に異様なまでに欲しくなる。
「夕飯前だよ」
「分かっているわ。分かっているの」
私はその棒を一心不乱に前歯で折りながら、陰鬱な声でそう答えた。会話に集中出来なくなる程に、今はその甘味に酔いしれる。実際に登山をしている訳では無いけれど、同じくらいの山に登っている。何時だって、新規に挑むものは苦労と摩擦を伴う。
彼は舐め回す私の仕草に、少しばかり引きながら、様子を伺っていた。
「体を壊す真似がしたいの。暴飲暴食に明け暮れて、目が覚める程に眠って、ただ欲望のままに交わって。そうして少しでも落ちぶれたい」
「まだ満たされない」
「ええ、まだ全然」
彼は私の二面性に気が付いている。貞淑さと奔放さの二面のどちらも知っている。だから今の様を見ても、独断心配する事はない。ただ軽蔑混じりの引いた顔で此方を詰る。その事にぞくりとして、私は甘い棒から舌を離す。
「愛欲は全然、満たされない。幾ら求めても、満たされない」
「人間駄目にするものは、酒と煙草と異性って言うけど。その内の二つが受け入れられないから、其方に比重を置くんだ」
私はしゃぶっていたチョコバーを彼の愚痴目掛けてねじ込むと、そのまま蓋をする様に唇を重ねた。今入れたチョコバーを舌先で優しく砕く様に舌で弄り回して、そのついでに舌を吸う。当たり前だけれど、脳が溶けるほどに甘かった。何一つ満たされはしないはずなのに、脳が嬉々としてこの現状に歓喜する。
「よくもこんな甘い物食えるな」
「あら美味しくない? 今ので少し満たされるくらいには」
掻きむしりたくなる程の喉の乾きと引き換えに、精神と飢えは満たされた。後はもう少し、私の我儘に付き合って貰おう。
チョコとキャラメルとナッツとヌガー入りのバーを買って貪り食いました。
満たされました。あの時の悦楽は忘れません。
そうして朝方浮かんでいた、自暴自棄故に発散方法が破滅的な話が書きたくてこうなりました。
疲れると行動が破滅的になる事ってないですかね?
完膚無きまでに、自分をこき下ろしたくなるです。
そうすればもう、何も出来ないじゃないですか。