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タイムトリップ

「ふぃー終わった終わったぁ。武器ありがとうね。それじゃっ。」



正直この類のタイプの子は関わると絶対にややこしい事になるのが目に見えている。


神のお導きなのか分からないがこの世界には人も多くいそうだ。


早く楽しい異世界ライフを満



「お待ちください。私はルミナス王国国王の長女ルミナス・フィリアスです。私の命を救っていただいた事誠に感謝申し上げます。


ですがまだ貴方には聞かなければならない事が山のようにあります。我が国にとっても得体の知れぬ存在を野放しには出来ませぬ故国まで私の護衛も兼ねてご同行頂けませんか?」



喫は出来ないよね分かってた。



「国なんて何処にあるんだよ??」



確かにドス黒い空も無く青空が広がり野原に道に…あれ??




「本当に何も存じてないのですね…目の前にあるのが我が国ルミナス王国です」



フィリアスの指差す方向には廃れた更地はなく大きな城が建っていた。街とかもありそうだ。俺は一体何処に飛ばされたのだろうか?



「ささっ、それではご案内いたします。こちらに。」


よっぽど遠くから逃げて来たのだろうか?


2時間ほど歩いた場所にようやく馬車がありその馬車に乗って王国へと向かって行った。



「そういえば自己紹介がまだだったな、俺は田中ハジメって言うんだ。年は16。あ、えーっと宜しくお願い致します、フィリアス様…」



こう言う言葉遣いは性に合わない。


むず痒くて仕方なかった。


「フィリアスで良いですよ。ハジメ様は命の恩人ですから。改めてルミナス・フィリアス10歳です。こちらこそよろしくお願いします。」



フランクな王女さまで本当に助かった。



「俺もハジメで良いよ。堅苦しいのが苦手でね。」


「そうか。実は私もこう言うの苦手で…よし!分かった。それで急な本題には入るけどハジメはどうしてあんな所に現れたんだ?」



王女様も命の恩人が得体の知れぬ存在のまま王国へと入れるのは怖いのであろう。


10歳の女の子にしては命を救って貰った相手に相当勇気を振り絞って聞いているのが伝わってくる。




「実のところ俺も良く分からないんだ。現実味も無い話が続くけど聞いてくれるか?」



フィリアスはコクリと頷いた。



「俺は本当はこことは違う世界から来たんだ。異世界転生みたいな形で2100年のアステカ王国に勇者として転生した。」



「なっ…それは本当か??」



「まぁ驚くよな。普通。それでよぉ、俺時空魔法の特性があってアステカ王国の禁忌だとかで追放されてあの森に飛ばされたんだよ。」




「違う。そうでは無いんだ。転生術と言う禁忌を使っているのも驚きだけど根本的な所なんだ。今は…今は2000年なんだぞ??」



最初はフィリアスの言っていることは分からなかったが、それが本当であれば辻褄が合う。




「ハジメは…100年後から来たと言うのか?」




するとピロンと音が聞こえた。



「何かスキルを得たようだな。開け方を教えるから見せてくれないか?」



どうやらステータスオープンと言うと自分のスキルが見れるらしい。



「ステータスオープン」



自分のステータスを見てみると、ユニーク魔法タイムトリップというのを覚えていた。



タイムトリップ…周囲の者と現代と100年前を旅することが出来る。


発動条件…術者がタイムトリップを願う


スキル取得条件…術者がタイムトリップを認識する



「未だに簡単には信用出来ないけど…その…100年後はルミナス王国はどうなっていた?…」



フィリアスも何となく普通では無いと想像が付いていたようだ。何故なら100年後の現代あの場所で俺が過去に戻りたいと願ったからここにいるのだ。


とはいえ、10歳の女の子に全部話すのは流石に…


「いや、それなんだが」




「ハジメ、私は民の平和と平穏を心から願っている。100年後も200年後も。だからそこは絶対に嘘はつかないでくれ。子供でもやれる事はやりたいんだ。」



フィリアスの目は怯えながらに覚悟をした目をしていた。




「森は化け物の巣窟と化し空は暗闇のように暗くルミナス王国は滅び崩壊して更地と化していて、人一人として生きていける環境では無かった。」




「そう…か…」



フィリアスはかなり落ち込んだ顔をしていた。10歳なりに国を背負い責任感を持っているんだな。



「やっぱり目で見たものや感じたものしか私は信じられない性分みたいだし、そんなに気を使わなくて良いぞ!それよりも、これからハジメは異世界人である事を含めて正体を隠した方が良いな。そんな存在が私の味方についたなどとなったら、兄さん達から圧力とかもあるし窮屈でしょ?」



それは…窮屈だな。


何としても勘弁願いたい。



「そうだな…じゃあこれからはキリヤと名乗っていこう。それで良いか?」


キリヤという名前は自分自身しっくり来たし何よりも異世界転生っぽくて良かった。



「じゃあ、ありがたくその名前頂戴するよ。」



ステータスプレートに直々にフィリアスが改名をするとニンマリと笑った。



「因みにキリヤ、言い忘れたけど名前を改名出来るのって王国の血筋だけで、その名前の変更を受付ける事っていうのは即ち、名付けの者に生涯忠誠を誓うしきたりがあるんだよね。」



「……はぁぁぁぁっ???」




初耳だ、やってくれたな?


フィリアスはペロッと舌を出している。



「この、クソガキっ全然可愛くねぇぞ!!食えねえやつがぁ!」



「ガキじゃないもんガキじゃ!王女さまに対して無礼だよ!失礼だよこの無知人間!!」




そのあと国内へと入るまで小学生のような口喧嘩は続いた。



「キリヤ…」



喧嘩が終わり王城が近くなった所でフィリアスが思い詰めたような顔でふと話し始めた。




「その…国への挨拶が終わったら…嫌じゃなかったらと言うか、良かったらと言うか、少しだけでも良いんだ。私を100年後に。100年後の世界を私に見せてくれないか?」



フィリアスは100年後の世界が気になるのであろう。


それもそうだ、何故滅びたのか理由が見つかるかも知れない。


だけどあまりにも危険な行為だ。



「近くに化け物がいたらすぐ戻る。それで良いか?」



フィリアスの顔が少し明るくなった。




「それでは父上と兄上達に挨拶に行こうか。」




俺達は王城へと向かった。



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