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再会

「おいおい、フィリアスそろそろ泣き止めよ。キリヤの事だからまたコロっと戻ってくるって」



「エグッアグっグスッウグゥぅだっで兄上様。100年後のルミナス王国は私たぢで平和にする筈でず。キリヤが、戻ってぐゆ理由がっうううグッ」




「お前なぁ世の中大変になって行くのはルミナス王国だけじゃないんだぞ?またコロっとおわっ!!」




「よし、ちゃんと玉座の間だな。」



「改装前ですからね。」




「フィリアスー戻ったぞー。」




何かこっちに来る時にごにゃごにゃやり取りしていたみたいだけどサッパリ聞こえなかったな。




「はっ?」



はっ?え?戻ってきて第一声がはっ?



「ハニャァァアニャァニャァ????」




フィリアスはポッボーと耳から湯気を噴き出し顔を真っ赤にしている。

ユリアスは頭を抱えている。




「おおおおお前はあんな感動的な別れ方をしてよくもまぁまたのうのうと戻ってきたな馬鹿者ぉぉ!!」




ウガーと殴りかかってくるフィリアスの顔を抑える。

腕をぐるぐると回すだけで全く届かない。




「感動的な別れ方??」



……あぁ忘れてた。

そういや俺フィリアスにファーストキス奪われて別れたんだっけ?

その後が衝撃的すぎたんだよ。




「お前その反応だと忘れてあったなぁぁ!!

この薄情者めぇ!」



「元はと言えばフィリアスお前がこの玉座の間を改装してアリエス専用の浴室にして100年後の俺が移動するタイミングでアリエスに風呂に行かせたのが悪いんだからな!!」




「そうですよおばば様!!

そのおかげでバッタリ入浴中に鉢合わせたんですからね!!」



「何?100年後の私がそんな事を。

………ぶふぅーあーっはっはっひゃっはっはっ。

私面白すぎる天才じゃない?ひぃお腹痛い。あはっくくくあでぇーー!!」



気がつくとカチンと来ていてたアリエスのゲンコツが飛んでいた



「ななな何をするアリエス!」



笑いすぎて涙目から今度はゲンコツで涙目と忙しい奴だ。



「少しは反省して下さい、おばば様。」




今のフィリアスよりは強いと確信したのだろう。少しアリエスはマウントを取り始める。



「それにしてもおばば様の今の反応非常に良かったですね。どんな別れ方をしたのか少し見せて下さい。」




そう言うとアリエスは手のひらをフィリアスのおでこに当てた。




「メモリーリロード。スクリーン」




アリエスは二つの魔法を唱えるとスクリーンで見るような画像が映し出される。

そしてあろう事がフィリアスと俺の別れ際のやり取りが事細かに映し出されていった。




「ななななにゃぁぁぁぁっ」




フィリアスにとっては数時間前の出来事なのだが顔から湯気が上がって行く。

一方のアリエスはと言うと…



あれ??



アリエスは口元を抑えて目線を外していた。




「その、おばば様も意外と大胆な事されていたのですね?」




本当はマウントをとっていこうと考えていたのだろう。だが、行動が予想外すぎたのだ。

こういう類は恐らく慣れていないのだろう。

思わぬカウンターに怯んでいた。




「まっまぁな。」



今度はフィリアスが腕を組みマウントを取り始める。




「私ももう10歳だしね。それぐらいの経験は積んでて当たり前だろう。アリエスの方はその反応を見る限り経験値が皆無なのだろう。全く色々と16にもなっているのに経験不足なんじゃないか?」



……このレベルの張り合いだったらもう好きにやっててくれ。

アリエスの顔が段々と引き攣って行く。




「そういえばおばば様はこの時代はまだ聖女の加護の力を活かしきれていなかったかと思います。どうでしょう。私が10歳の頃おばば様から受けていたウォーミングアップをやってみませんか?(怒)」




「ほんとか!私強くなれるのか??」



フィリアスの目がキラキラと輝く。

アリエスの悪意に気がついていないようだ。




「キリヤ、少しおばば様とウォーミングアップをしてくるから時間をくれなか??」




「はぁ…好きにしてくれ。概要と今後の予定についてはユリアスと話しとく。」




そのあと間も無くしてフィリアスの叫び声が続いたのは言うまでもない。






ーーーー


数時間後




「エグッアグぅぁぁ。あんなのただのイジメだよ」




案の定フィリアスは号泣して帰ってきた。

アリエスは少し満足そうだ。




「おばば様もまだまだですね。私がこっちにいる際はみっちり修行をつけてあげましょう。」




今まで相当しんどい修行をアリエスもして来たのだろうか。仕返しと言わんばかりの顔をしている。



「………わかった。やる。」



フィリアスの返事は意外なものだった。

アリエスもキョトンとした顔をしている。

…まぁ。フィリアスも俺と同じく思うところがあるのだろう。




「さて、話を戻すがキリヤから話は聞いた。ウルガルム王国に行けるように手筈を整えておく。そして、フィリアス今回の旅はお前も同行して来い」




「良いんですか兄上様!!」




フィリアスはガッツポーズをして飛び上がって喜ぶ。




「フィリアス勘違いするなよ。今回は国の代表としてウルガルム王国に友好関係を再構築し続けて行く為に同行するんだぞ。」




「はい!分かっております。」




「それでは明日3名でウルガルム王国へと向かうように。それとキリヤ、先程フィリアスから聞いたがアリエスと婚姻関係になったそうだな。」



「あぁ、まぁ一応…」




「今回フィリアスの計らいで同室で夜を過ごしてもらうが、あまり明日に影響させるんじゃないぞ。」




俺とアリエスは顔を見合わせた。

フィリアスはペロッと舌を出した




「はぁぁぁぁっ???」




二人の声が重なった。


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