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100年後(現代)

玉座へと行くと傍にはユリアスの姿があった。




「キリヤよ…此度の活躍大儀であった。其方には感謝しても仕切れぬ。国を代表して御礼申し上げる」



おいおい…一家の国王が頭を下げてしまって良いのかよ。

まぁ今回の件は外に情報が漏れずに事が済んだ。

国を代表してよりも父としての立場が大きいのだろう。



「改めてになるがキリヤよ其方には褒美を与えねばならまい。何か欲しいものはあるか。私としては娘の婚約者として国に永住して欲しいものではあるんじゃが…」




「はニャァぁぁぁぁっ??おっえパパなにーえっ???」


隣のフィリアスからボフンと音がしてパニックに陥っている。

顔も真っ赤だ。

パパって言ってしまっているし。


ユリアスはため息をついて頭を抱えた。


「フィリアス。お前は異性との交友が無さすぎだ。少し慣れろ。」



と言ったもののパニック状態のフィリアスには何を言っても通じなかった。



「フィリアス、いつまでパニクってるんだ落ち着け」



「はうわぁはぁっ!!」


ハッとフィリアスは正気に戻った。

この世界での婚約とかはこの歳だと早くはないんだろうけど、俺らの生きてきた世界では早すぎだ。

それに俺は…



「国王様、御言葉ですが私はこの地に永住出来ない身であります。」



「…どう言うことか説明してくれるかね。」




「私は100年後のアステカ王国を追放され、魔族の手によって滅ぼされたルミナス王国跡地からやって参りました。私には100年後の現代に戻ってやらなければならない事があるのです。」



「何と我が国が…」



「恐らくフィリアスのゴブリンからの生存、そして魔族の排除により未来は変わっているものも思われます。」



「そうか…では100年先で其方を手助け出来る環境を作るとしよう。それ以外に何かあるか?」



「今この国では様々な種族や国が国交を断絶していると聞いています。もしかしたら100年後、この国以外でも大変なことになっているかもしれません。俺は自分の世界に戻る手段を探しながら世界を取り戻していきたいと思っています。」



「何と…おぬしは転生者じゃったのか…まるでこの国を救ってくださったのも歴史に刻まれておる時の勇者様のようじゃ。」



ここでも時の勇者だ。時の勇者とは一体何者で何をしたんだろう。

具体的な資料や歴史を知れると良いんだけど。


「その時の勇者ってのが、俺たちの世界に戻る鍵になりそうな気がしているんだ。何か知っている事はないか?」



「残念だが古の話だ。具体的な事実もわからぬ故おとぎ話のような話じゃ」



時の勇者へのメッセージ。あれば俺たちの世界に住んでいるものしか解けない代物だ。

決して御伽噺だけの話ではない。



「俺はこれから様々な冒険や旅をすることになると思う。その時に便宜を図ってくれればそれが何よりの褒美だ。」



「それぐらいの事ならいくらでも協力しよう。100年先もキリヤ殿の旅の後押しが出来る様にしておくとする。」



一国からの後押しを得られたのは大きい。

これで100年後平和なルミナス王国があれば良いな。


「俺はここでの役割は終えたし、フィリアスの願いも聞き届けた。現代に戻るとするよ。」



「そうか。また立ち止まったらいつでも来るが良い。この時代の我々も力を貸そう。」



正直面倒な事にはもう巻き込まれたくないけどね(笑)



「キリヤ…」



フィリアスが寂しそうな顔でこちらを見る。

俺はフィリアスの前で膝をついた。



「また困った時はいつでも助けに来るから。100年後平和なルミナス王国を作っとけよ。」



俺がニコッと笑うとフィリアスは俺の顔を手で掴んだ。

顔が近くに吸い寄せられていく。



「………っつ」



フィリアスが顔を離し俺は唇を抑えた。



「私はキリヤだったら結婚しても良いなって思ってたのに、運が悪かったなぁー

……でもそうだ、100年後アリエスと結婚できるように準備しといてあげるよ。」



にっしっしと悪戯っぽく笑う

全くこれ以上自由に振り回すのは勘弁して欲しいぜ。

ただ、必要以上に振り回された、この数日間は悪く無かった。


「フィリアス…長生きしろよ。」



そう伝えると俺は光に包まれていった。

そういえば王城でワープして大丈夫だったかな?不審者扱いされないと良いけど…


目の前の光が消えていく



「ザパーン」


玉座の間でタイムトリップしたはずなのに温かく心地の良い湯に俺は入っていた。

どうなってるんだ??

不思議に思い俺は辺りを見回す。


「……あ」


「……え?」


同い年ぐらいのアリエスに似た女の子とバッチリ目が合う。勿論入浴中だ。



「はっはっ…ハレンチぃぃぃい!!!」



彼女は手を上げるとバチバチと稲妻が固まっていく


「まっ待て話を…何も見てないから!!」



「ライディン」



そのあと風呂場で俺のぎゃぁぉぁという叫び声が響き渡った。




「……来たか。」

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