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異世界転生即追放

新しいジャンルの投稿になります。良かったら是非見て下さい。

「ハジメーおはよう!」



今日も何も変わらない退屈な日を過ごしている。


俺は田中ハジメ、高校二年生になったばかりの16歳。


平凡なたいーくつな毎日を暮らしている。




「ほら、シャキッとする!シャキッと!!」




彼女は清水紬。幼なじみの同級生。いわゆる腐れ縁って奴だ。彼女は明るく活発でいつもクラスの中心人物。


いつも俺に構ってるから後ろ指を刺される事も多い。








「面倒くせぇなぁ‥もっとこう、スリルのある冒険とかドラマチックなアドベンチャーとか無いのかよ!!」





俺は拳を握り締め、心の叫びをぶつける。



「アドベンチャーは日本語で冒険だよ。日本語ぐちゃぐちゃ、変な妄想しない!」


一蹴された。


ただ、この時間は退屈じゃ無い、そう感じるのはここだけの話だ。




「はいはい、今日も退屈な毎日が始まりますね。」



俺はまだこの時退屈な平凡な毎日が急に終わりを迎えるなどとは思いもしなかった。







「えー授業を始めます。」




「始めなくていーでーす。」




「こら、ハジメ!!」




教授と紬とのお馴染みのやり取りだ。


教授に至っては気にもしていない。


クラスではクスクスと笑い声が聞こえて来る。


まぁこんな事をやってるから、クラスで浮いてるんだろうなぁ。


紬みたいに優等生でクラスの中心にいる人生はどんな感じなんだろう?




「俺には無理だぁぁ」




俺は机に突っ伏した。


刹那



「おわっ!!」




「何?キャぁぁぁぁっ」



クラスの人たちから悲鳴が聞こえる。


蜂でも入ってきたのかよ。



机から顔を上げると教授はおらず、一面が白く光っていた。


良くある異世界召喚?的な光景だ。


クラスの中は大パニックだ。落ち着いてと声を上げる紬も落ち着きがない。


だが、俺には退屈な毎日を変える願ってもない展開だった。





「ここは…お城??」



周りの光が消え周囲を見渡すと、教室ではなくいかにも転生しましたと言わんばかりのお城の城内のような光景だった。




「選ばれし勇者達よ、よくぞいらした。2100年アステカ王国にて勇者の転生術が成功したぞ。」




いかにもお偉いさんみたいな王様みたいな人が声を上げる。兵士達も盛り上がっている。





「私たちは望んでこのような所に来たわけではない!早く元の世界に戻してくれ。」




紬が大きな声をあげる。


本来ならば無礼者!等と言われそうなものだが、紬の意見はごもっともだ。望んで異世界に転生したいなどと言う輩も多くないだろう。




「それは出来ぬ!なぜなら向こうの世界で汝らはすでに死んでいるのだ。それに貴様らの器となる為犠牲となった兵士たちがいる。それぞれ汝らには使命がある。勇者としての役割をきっちりと果たした時に新たな道が見え、再転生するだろう。」



あーいるいる。こうやって匂わせといて永遠に使われる未来が見えるわ。


そして、こう言われると真面目な紬はこう返すんだ。




「くっ今は従うしかないのか…」



ってね…異世界に来て予想通りすぎる展開ってのも何か物足りないなぁ。


そして、異世界転生といえばそう!スキルだ。俺はどんな面白い特殊スキルを得たのかなぁ



「それでは汝らに与えられたスキルや適性の鑑定を行う。一列に並んでこの水晶に手をかざすのだ。」




来たっ。こういう展開を待っていた。


俺は最後にビシッと決めてカッコつけたかった為に一番最後尾に並んだ。




「フムおぬしは魔法使いの炎属性に適性があるようじゃ。お主は剣士だな。」




着々とスキルや適性について発表されていく。





「おっお主は…聖女の加護スキル持ちか…」



紬は聖女の加護を受けているらしい。


人気者なだけあって凄いねー等とクラスの注目の的だ。



そして一番最後の俺の番。ここはバッチリとだな




「こっこれは…」



王様や側近や兵士を含めて顔が青ざめている何か有ったのだろうか??




「いやっおい!!」


俺は兵士に剣を向けられ囲まれてしまった。



「お主はこの国の禁忌である時空魔法適性がある。時空魔法を扱えるものは存在してはならないのがこの国の掟。」



「待て!勝手に呼んでおいてその仕打ちは無いだろう!」



紬さんありがとう。仰る通りだよ。



「では貴様達全員反逆者として迎え撃とうではないか。」




王様の一言でざわつき始める。



「あいつ別にいらなくね??クラスでも浮いてて邪魔なだけじゃん。実は俺昔からあいつ嫌いだったわー。分かるー調子乗っててウザイよねー。」



結局はこいつらそうだ。昔から俺の事をクラスメイトとしては見ていない。紬の幼なじみだからクラスに置いといてやってる。それぐらいの認識の奴らばかりが集まっている。




紬は唇をかみしめて悔しそうな顔をしている。もう少しでキレてしまうかもしれない。




「俺がこの国から出てけば良いんだろ。この国の禁忌が他の国の禁忌とは限らないだろうしな。」




紬が待てと叫んでいるが無視無視




王様は少し考えたそぶりを見せた。



「禁忌がこの国の脅威であることは変わらん。故にここから一番遠い所にワープで飛んでもらう。そこからは命の保障もしない。好き勝手するが良い。」




兵士たちによって詠唱が為されて行く


足元に魔法陣が出来て光って行く。


「最後に言い残した事はあるか??」




国王が最後にというぐらいだ。まともな所にはワープさせられないだろう。


ただ、あの退屈な毎日にもくだらない授業も、クラスの連中にも何の未練もない。


ただ、一つあるとしたら…



「紬…お前だけは生きて帰れよ。」




目の前が光に包まれる。紬の名前を呼ぶ声が最後に聞こえたかもしれない。



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