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お味噌汁は飲み物の中で三番目に好き

作者: 雨薫うろち

お酒のあてって、皆何食べる?


ビーフジャーキー、枝豆、冷奴、炙ったスルメに卵焼き・・・。


自分は圧倒的にお味噌汁。


液体で液体飲むなよとか言う奴ら、ほんとに何も分かってない。


こちとらお酒飲み過ぎて20代の頃の記憶がほとんどないアルコール漬け人生ぞ?


アルコールで痺れる舌に、濃い目のお味噌汁の塩気が沁みる。


いつもの居酒屋、ビールとで夕飯を食べ終わり、


濃い焼酎のお湯割と日替わり味噌汁を貰う。


今夜はじゃがいもと玉葱の味噌汁。


甘みのある味噌汁も有りだよね~。


隣の席は見慣れないお姉さん。何かこっちを見てる。


「それ、どうやって頼むんですか?」


味噌汁の事かな?と思ったので、壁に並べられたメニューを指差す。


早速白飯とお味噌汁を頼むお姉さん、幸せそうだ。夜もいい時間に朝ごはんのような食事で喜ぶお姉さん何者かな?


まあ、いいか。


どこぞのグルメ番組の様に綺麗においしそうに食べる事は出来ないが、ただただ幸せな時間。


お酒で熱くなった筈の体が、お味噌汁で更に温まる。不思議な感覚を楽しむ。


「あの、いつもこのお店に来てるんですか?」


まあ、しょっちゅういるのは間違いないので、一応うなずいておく。


お味噌汁のじゃがいもがホクホクしてたまらんな~。


もそもそする食べ物って苦手な筈なのにお味噌汁のじゃがいものなんとうまい事か。


「安いし、おいしいし、いいお店ですね。おススメってありますか?」


お酒を指差しておく。


この店は店主さんが完全に個人でやってる本当にただの居酒屋だが、お酒の種類がとにかく多い。


好きなお酒を飲みながら、量の多い家庭的な食事をリーズナブルに楽しめる地元民の憩いの場。


ああ、玉葱が甘くてうまい!


しょっぱい、甘い、お腹に溜まる。今日の味噌汁も最高だったな~。


晩酌を堪能し、支払いをして帰る。


翌朝、近所のバス停で缶コーヒーを飲みながら、仕事の段取りを考えぼんやり時間を潰す。


いつの間にか自分の次に並んだOLのお姉さんが、声をかけてくる。


「おはようございます。この辺りって自販機ありましたっけ?」


「いや、向こうのホームセンターでまとめ買いしたやつ」


「ふーん、喋れるんですね」


「そりゃね」


「あのお店でいつも何頼んでるんですか?」


「お酒と味噌汁。お酒は何で飲む派?」


自分の一番好きな飲み物はお酒、二番目はコーヒー、三番目はお味噌汁。

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