色々と手の込んだサラダがあるんだな
またまたお家でご飯。サラダを作ります。
どうぞよろしくお願いします!(* ̄▽ ̄)ノ
少しでもお楽しみいただけたら嬉しいです!
そう言えば、この世界に来てから手の込んだサラダ類をろくに食べていない事に気付いた。
この世界での献立は、煮物をメインに据えて、たまにサラダやスープなどの一品にパン、と言うものが多かった。
浅葱は野菜をたっぷり摂りたいと言う理由で、スープを作る事が多かった。
生野菜を食べる時には、洗って水気を切って適当に切ったり千切ったりした野菜にドレッシングを掛けるのだが、そのドレッシングはオリーブオイルと塩胡椒、ワインビネガーを混ぜ合わせただけのシンプルなものだった。
浅葱たちの世界で言うところの、ベーシックなフレンチドレッシングである。
手軽に作れる上にとても美味しいものだが、ドレッシングには他にも様々な種類がある。折角なのでいろいろ作ってみたい。
しかしその前に、浅葱は久々に食べたいサラダがあった。まずはそれを作る事にしようか。
馬鈴薯の皮を剥き、角切りにする。今回はでんぷんは流さず、水から茹でて行く。
燻製豚は短冊切りにして、オリーブオイルを多めに引いたフライパンでじっくりと焼いて行く。
表面が香ばしく焼き上がったら、塵紙の上に上げて余分な油分を切り、粗熱を取っておく。
玉葱と胡瓜はスライスして、別々に塩を塗して置いておく。
馬鈴薯が茹で上がったので、一旦笊に上げて水気を切り、また鍋に戻して火に掛けて、しっかりと水分を飛ばす。
火から下ろし、塩とバターを入れて混ぜ、マッシャーで粗く潰して行く。
それをバットに平たく上げて、粗熱を取る。時折混ぜて、満遍無く冷める様にして。
玉葱、そして胡瓜から余分な水分が出てしんなりして来た。胡瓜はそのまま軽く揉んで、程良い力で水分を絞る。
玉葱は笊に入れてしっかりと水洗い。こちらも水分を絞って、胡瓜と合わせておく。
さて、次に卵を出して、泡立て器でしっかりと解きほぐす。
そこに白ワインビネガーを入れて混ぜ、続けてオリーブオイル。少量ずつ流し入れ、良く攪拌する。白っぽく乳化させ、マヨネーズを完成させる。
粗熱が取れた馬鈴薯をボウルに移し、燻製豚、玉葱、胡瓜を入れてざっくりと混ぜる。
そこにマヨネーズを入れ、しっかりと混ぜる。胡椒も振って。
器にこんもりと盛って、ポテトサラダの完成である。
「へぇ、具を混ぜたマッシュポテトか。でも味付けが生クリームじゃ無くてマヨネーズだったよな」
「うん。僕の世界で良く食べられているポテトサラダって言うんだ」
「マヨネーズは、以前にお好み焼きをいただいた時の調味料でしたカピね。確か少し酸味のある調味料でしたカピね」
「うん。馬鈴薯とマヨネーズが凄く合うんだよ」
今夜はこのポテトサラダに、海老とアスパラガスの白ワイン煮込みを合わせた。今夜はパンは無しである。代わりにポテトサラダをたっぷりと用意した。
「じゃあいただくとするか」
神に感謝を捧げ、手を合わせる。
「いただきます」
「いただきます」
「いただきますカピ」
まずは白ワイン煮込み。ポテトサラダがやはり少し重めなので、メインはさっぱりと仕立てた。
ぷりぷりの海老に爽やかな甘味のあるアスパラガス。白ワインはしっかりと煮詰めてあるので、酸味がすっかりと飛んでまろやかになっている。
さて、ポテトサラダである。バターは隠し味で少量を使った。これがコクになるのである。
粗く潰した馬鈴薯は、滑らかさと歯応えが混在していて食べ応えがある。それに塩揉みした玉葱と胡瓜のアクセント、燻製豚の旨味が良く合い、マヨネーズがそれらを纏めている。胡椒も良く効いていた。
「へぇ! こりゃあ旨い! 確かに馬鈴薯とマヨネーズは合うな。胡椒も良い。野菜の食感も良いな」
「本当ですカピ! とても美味しいのですカピ。お野菜がしんなりしているのに、良い歯応えなのですカピ」
「塩揉みして余分な水分を抜いているからね。普通のサラダだったらそのまま食べるけど、ポテトサラダに入れる時にはそうしないと、水分が出てべちゃべちゃになっちゃうんだ」
「そう言うのも一手間なんだな。こりゃあ確かに凝ったサラダだ。馬鈴薯たっぷり使ってるから、パンが無くても充分だな」
「そうですカピね。煮込みがさっぱりしていますので、お味のバランスも良いのですカピ」
「良かったよ。どんどん食べてね」
「おう」
「はいカピ!」
そうして、カロムとロロアはまたポテトサラダを美味しそうに頬張った。
さて、今日は生の野菜をばりばりと食べたい気分である。なので、メインにも出来るサラダを作ろう。
まず、豚肉を薄くスライスする。鍋に湯を沸かして、沸騰する寸前で弱火に落とし、豚肉を1枚ずつ入れて茹でて行く。
肉の色がピンク色から白っぽく変われば充分である。平たい笊に丘上げして、粗熱を取る。余熱でも火が通る。
次にドレッシングを作る。白胡麻をフライパンで乾煎りし、香ばしくなったら乳鉢に上げて混ぜながら粗熱を取る。
粗熱が取れたらそのまま乳鉢で良く潰し、白ワインビネガー、砂糖、塩を入れて混ぜ、オリーブオイルで伸ばして行く。
胡麻ドレッシングの完成である。掛ける直前まで冷暗庫で冷やしておこう。
野菜の準備である。全て洗って水分をしっかりと拭う。
玉葱は繊維を断ち切る様にスライスし、辛味を飛ばす為にバットに並べて放置しておく。
レタスは一口大に千切る。人参は細く千切りに。これらも冷暗庫で冷やしておく。
さて、豆のスープの仕上げをするとしよう。ブイヨンをベースに、味出しの角切り玉葱と燻製豚を炒め、雛豆や大豆、グリンピースをたっぷり入れたスープである。
「これは、お肉が乗ったサラダですカピか。豪華ですカピ!」
「茹でた豚肉だぜ。旨そうだろ」
冷暗庫で冷やしたレタスと人参、常温で辛味抜きをした玉葱をざっくりと混ぜて、皿に敷き、その上に茹でた豚肉をたっぷりと盛り付ける。そして胡麻ドレッシングを掛けて。
豚しゃぶサラダの出来上がり。豆のスープと白パンを添えて。
それを見たロロアが歓声を上げた。
「この掛かっているソースは、何のソースなのですカピか?」
「胡麻だよ。胡麻でソースと言うかドレッシングを作ったんだ。茹でた豚肉にとても合うんだよ。勿論お野菜にもね」
ロロアが鼻を寄せ、うっとりと眼を細める。
「とても香ばしい香りがするのですカピ。美味しそうなのですカピ」
「じゃあ食おうぜ。楽しみだ」
感謝を捧げ、いただきますと手を合わす。
早速豚しゃぶサラダをいただこう。豚肉に胡麻ドレッシングを程良く絡めて。
うん、しっとり柔らかく茹で上がっている。香ばしい胡麻ドレッシングとの相性は最高だ。
野菜を巻いて食べると、爽やかな味わいと良い歯応えで、これもまたとても美味しい。
「凄いな! あんなさっと茹でただけなのに、こんなに柔らかくなるなんて」
「柔らかさも凄いのですカピが、本当に胡麻のドレッシングと合うのですカピね。とても美味しいのですカピ!」
「この場合は、沸騰していないお湯でゆっくりと、色が変わる程度に茹でるのがポイントなんだよ。強火で急に火を入れると、硬くてぱさぱさになっちゃうんだ。煮込みとはまた違うよね」
「そうだな。へぇ、他の肉でも出来るのか?」
「牛肉でも薄切りで出来るよ。鶏肉は塊のままじっくり火入れするのが良いかな。どちらにしても、弱火でゆっくりと火を入れて行くんだ。そうしたら柔らかく美味しく茹で上がるよ」
「それも食べてみたいですカピ。どちらもこの胡麻ドレッシングと合いそうですカピ」
「鶏肉は胡麻ドレッシングを合わせたら、また違う料理になるんだよ。合わせる野菜は胡瓜でね。勿論美味しいよ」
「この前のホルモンも茹でてたが、その時の遣り方とも違うよな」
「そうだね。ホルモンはしっかり茹でたもんね。部位が違うから火の通し方も違うって思って貰ったら良いかも」
「成る程な。赤身はこうして茹でた方が良いって事だな。本当に勉強になるぜ。しかしこの前のポテトサラダもだが、アサギの世界には、色々と手の込んだサラダがあるんだな」
「ドレッシングもいろいろあるよ。いつものドレッシングが手軽に出来ちゃうからついついそれにしちゃうけど、今度作ってみるね。また生野菜たっぷり食べよう」
「そうだな」
「楽しみですカピ」
浅葱は微笑み、豆のスープを啜った。こちらも味わい深く、勿論美味しかった。
ありがとうございました!(* ̄▽ ̄)ノ
次回もお付き合いいただけましたら嬉しいです。




