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東方黄葉郷~Rest Of Battle~  作者: にいな
2/6

幻想郷を愛する疾風の悪魔

  ~コラボ作品~

・神風鏡

(東方魔神録/KYON著)


コラボありがとうございました!!


翌日、昼食を食べたあと紫は龍二に話しかけた。



「龍二、今から来て欲しい場所があるんだけど……」


「?構わないが……」



紫の後をついていき、招かれた場所はある和室。



「待たせたわね。」



そう言い紫は中に入る。

その後に続くように龍二も中へ入った。


中にいたのは一人の男性。オレンジ色の服を着た黒髪の……正確には先が白い男性が座って待っていた。


「紹介するわ。彼は神風鏡。昨日私が言った、幻想郷を愛する者の一人よ。」


「神風鏡だ。よろしく。」


「………藤崎龍二だ。」



笑顔で言う鏡に対し、龍二は少し不機嫌な表情で言った。

龍二と紫は座り、まず龍二が鏡に聞く。



「やっぱりアンタも人間じゃないのか?」



その問いに鏡は頷き、答えた。



「ああ。俺は人間じゃない。悪魔だ。」


「悪魔……か。」


「そういえば龍二にはまだ幻想郷に近い世界のことを言ってないわね……」




紫の言葉に少しだけ食いつく。



「幻想郷に近い世界?俺の世界以外にもあるのか?」


「ええ。少なくとも、2つはあるわ。」


「1つは悪魔界。名前の通り悪魔が沢山いる世界だ。悪魔界では力が全てだ。俺も昔は力こそが正義と考えていたくらい……あの世界では常識だった。」


「今は違う考えなのか?」



龍二は聞いた。

その問いにも鏡はうなずいて答えた。



「ああ。幻想郷にある僧侶がいてな……そいつが俺に教えてくれたんだ……力が全てなんかじゃない……大事なものはもっと沢山あるってな。」


(大事なもの……か。)



龍二は心の中で思う。

鏡は説明を続けた。



「さて、もう1つ魔界というのがある。」


「悪魔界と魔界か……ややこしいな。」



龍二はそう呟く。



「確かに字は似てるわ。けれど魔界は一人の神様が作り上げた場所なの。」


「一人の神様が……?」


「神綺、魔界の創造神と言っても過言ではない。確か霊夢や魔理沙も会ったことがあるな。」


(あいつらいろんな奴と顔見知りなんだな……)



龍二がそう思った。



「そういえば少なくとも2つなんだよな?それはつまり他にも世界があるということか?」


「勿論、この世にはいろんな世界があるわ。外の世界ってくくられてるけど実際に細かい部分が違うパラレルワールドだってあるわ。例えば、ある世界ではその雑誌は廃部になったのにもう1つの世界ではその雑誌は続いてたり。」


「成る程な……」



龍二が納得すると紫は開いてた扇子をパチンと閉じる。



「さて、鏡はとにかく悪魔界という場所にいて、本題に入りましょう。」


「本題?」


「お前の宿敵の……東條雪菜だよ。」



鏡がその名前を口にすると、龍二はまた眉間にシワをよせた。



「とは言っても俺も少しだけしか情報はないんだ。何せ彼女は“元から幻想郷の住人”ではないからな。」


「それは、つまり……」



龍二がそう言うと、鏡は頷き話を続けた。



「彼女は外来人系だ。まぁ人ではないが……思念体というものだな。それも特殊なね。」


「思念体?だが俺の世界では実態していたはず……」


「だから“特殊な”思念体なんだ。おそらく彼女は何らかの方法で無理矢理本体と引き裂かれた感情の一部だろう。そしてその感情が思念体となったんだ。」


「何らかの方法で……か?」



龍二がそう聞くと鏡は頷く。



「まぁ詳しいことはよくわからない。実際見たことはないから俺もよくわからないんだ。彼女はどんな姿をしてるんだ?」


「あいつは……緑色の髪に緑色の和服。真ん中の眼は青か黒か……どうだっただろうか?」


「緑色の髪……」



鏡は繰り返し言う。何かが引っかかったかのように……



(緑色の髪か……そして今回の被害者の早苗は紫が言うには記憶を龍二の部分だけなくした。この事件と、東條雪菜の誕生………)


「何かわかったのか?」



考え込む鏡に龍二はそう聞いたが鏡は今考えたことを答えずに首を横にふり、



「いや、全くわからない。けれど何かわかったら早急に伝えるよ。」


「ああ。」


(まだ確定するには早い……もう少し慎重に待とう……)



鏡がそう考えていると、紫が何かを思い出したのか両手をパンっと叩いた。



「そういえば、龍二に渡すものがあるんじゃなかった?」


「渡すもの?ああ……これのことか。」



そう言い鏡が渡したのは和服の上着だった。



「なんだ?」


「お前の種族に関わるものさ。」


「……アンタ、なんでも知っているな。」


「これはあくまでも仮定だが、紫からお前の話を聞いて持ってきたんだ。その瞳、もしかしたらそれはある種族に共通する瞳なんだ。」



鏡はその和服を龍二に渡す。



「お前の種族はおそらく、守護神のようなものだ。まぁ神ではなく妖怪だが……人々を悪から守った妖怪の四種族の一種だと思う。青龍の妖怪……青い髪と龍のような瞳が、外の世界の青龍という神様に似ていることから名付けられたらしい。」


「青龍……京都の神か。」



龍二はそう呟き、その服を着てみた。



「似合ってるじゃない。」



微笑む紫をじっと見てそれから鏡に聞いた。



「それで、これを着ると何か効果あるのか?」


「それは……ゴメン、俺にもよくわからないんだ。」


「はぁ!?」


「けれど、おそらくだけど体にかかる能力の負担は軽減されるかも……ね。」


「かもって……」


「仕方ないだろ。もう何百年も前のものだ。忘れてるのが普通だろ。」



ため息をつく龍二に鏡はそう言った。



「そろそろ俺は行くよ。」



鏡はそう言い立ち上がる。



「まぁ、彼女が危険なのは変わらない。気をつけろよ。」


「………なあ。アンタがさっき言っていた、力より大切なものってなんだ?」



龍二はそう聞いた。

鏡は少し考えて答える。



「まぁ、人それぞれだろうな。まぁ少なくとも俺は仲間という答えをだした。」


「……仲間か。」


「そう。例え力があってもその使い道が間違っていれば仲間を守ることは出来ない。それに、仲間を守るのに必要なのは力だけじゃない。」


「他にあるのか?」


「それは自分で見つけろ。」


「…………」


「まぁ、俺が言えることはひとつ。相手を倒すだけの力を得るんじゃない。仲間を守る力を得るんだ。」



人差し指を立てて笑顔で言う鏡を紫は驚くように見ていた。



「珍しいわね。教えを言うなんて。」


「そうか?」



腕を組んで鏡は紫に聞く。



「………俺にそれが出来ると思っているのか?」



突然龍二は聞いた。



「ああ。お前がその力を手に入れるのを俺が手伝ってやる。何かあったら助けてやるよ。」


「………わかった。俺もアンタやここが困っていたら、出来る限りのことはする。」


「ああ。頼んだ。」



鏡はそう答えた。



「急にやる気出したわね……」



鏡が帰ったあと龍二に聞く。



「別に……元からやる気は少しあった。けれど、アンタやあいつを見てたら、いつか俺もなれるんじゃないかなって……少しだけ期待しただけだ。」



そう答えた龍二に微笑んで返事をする。



「貴方もなれるわよ……諦めず頑張れば。」

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