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不撓不屈の勇者の従者  作者: くろきしま
第1.5章 村を追い出されたのに、近くの森で迷子になりました。
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第8話 自主練の成果

本日3本目です。

現状書けているのがここまでです。

大晦日までに森を抜けた……かった……ガクリ。

 森で迷って三日目の朝を迎えた


「どうしたんだ? 随分と機嫌が悪そうだな」

「……別に」

「……別に。とか全然否定出来てないのですよ?」

「どうしたのイクス? お腹痛い?」


 昨晩のイシャルタが言った通り、石ころにマナを移す練習をした。


 あっさり出来た。


 それが癪だ。

 楽しみを奪われた気分だ。


 俺は魔法の結果が欲しいわけじゃない。

 いかに模索するかも大切にしたいんだ。


「今日もやるぞ、鬼ごっこ」

「「「今日も!?」」」

「今日の俺は逃げるだけじゃない。攻撃もする」

「「「逃げよう」」」


 蜘蛛の子が散らすように三人は逃げ出した。


「……あれ? 俺が鬼になっただけじゃね?」


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「くそ、イクスめ……私は肉体派ではないのだぞ!!」

「なら一人になったら駄目だろ」

「っ!?」


 一人目はあっさり捕まえた。


「くっ、殺せ!!」

「いや殺さねぇよ!? そもそもなんで皆バラバラに逃げるんだ……さて次は……」


 足元に転がっている豆粒ほどの小石を拾い上げ、ほんの少しマナを込める。


「お前!?」

「そこっ!!」


 親指で弾いた小石は木を撃ち抜いた。

 ……打ち抜いた?


 木の影から青ざめたイースラが出て来た。


「ひゃわわ!?」

「ステラを囮にするなんてやるじゃないかイースラ」

「バカなのです!? お兄さんバカなのです!! 見るのですこの木のところ!! 豆粒ぐらいの穴が貫通して向こう側見えちゃってるのです!! 殺す気なのですか!?」

「うわっ、マジかよ……ごめん、加減間違えたわ」

「許さないのです!! 一度痛い目遭わすのです! シュッ、シュッシュ」


 イースラは口で風切り音の真似をしながら拳を突き出す。


「へぇ、意外と様になっているゴベルァゴボォゥッ!?」


 イースラの拳がイクスの腹を打ち、そのあまりの痛みでくの時に身体が曲がったところに次の容赦のない拳が左頬を打ち抜いた。

 打ち抜かれたイクスはそのまま崩れ落ち、打ち上げられた魚のようにピクピクと痙攣している。


「イースラを子供だと思って侮ったな」

「そこは神職と言ってほしいのです。今のお兄さんみたいに相当油断してくれないと、一撃入れる事も難しいのですけどね」


 ちくしょう……。

 そのまま夜まで気を失った。


 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「ぶぅうううううううううううううううううう!!」


 レイラが不貞腐れていた。


「ごめんレイラ」

「私だけ……仲間外れ……」


 そこにイースラの容赦のない煽りが入る。


「お兄さんが糞雑魚でごめんなさいなのです」

「なんだとテメェ」

「たった二発で沈むとはボクも思わなかったのですぅ♪」


 んぐっ!? そこを突っ込まれると弱い。

 自分もまさかイースラに沈められると思っていなかった。


「イースラ、意地が悪いぞ。イクスもあまり落ち込む必要はない。イースラはこれでも昔はワルだったのだ、喧嘩している場数ならもしかしたらこの中で一番かもしれないぞ」

「やめるのですステラ。昔は昔、今はただの敬虔な神聖教団の一神官なのですよ」


 ワルって……イースラがねぇ。

 頭の中ではう〇こ座りをして睨んでくる姿を思い浮かべたが……似合ってねぇな。


 まぁ過去の事なんて俺が一番人の事言えねぇんだけど。


「へぇイースラが……意外ね」

「レイラは昔どんな子だったんだ?」

「私? ……んー今と変わらないかなぁ」

「お兄さんは何かないのです?」

「レイラのか? んーー俺子供の頃の思い出あんまり覚えてないんだよなぁ……」


 奴隷として買われる辺りは覚えているんだけどな。

 それより遡ると途端に記憶がおぼろげになっていく。


「……駄目だ、やっぱ思い出せねぇわ」

「これは若年性健忘症の疑いなのです!!」

「やめろ!? 怖いから!」


 否定しきれないのが尚更怖いわ!!


「…………」

「レイラ?」

「あ、ごめん。なんか足が辛くって」

「ボクにおまかせ、なのです」


 この晩はこれでお開きになった。

 ステラの魔法講義が出来なくて残念だったが、レイラが疲れた顔をしていたのが気になった。


 跳ねすぎて筋肉痛が辛いのかもしれない。


 この森に入って三日目の晩だが、レイラはこの特訓に泣き言をまだ言っていない。


「がんばれよ、勇者様」

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