LOVE 1 課金は皮膚病
「ヤロウ! どこに消えやがった!」
「親が踏み倒した借金、ミミ揃えて返してもらうで!」
拝啓両親殿。いかがお過ごしですか、俺は絶賛、怖い人に追いかけられて逃げ隠れしています。
「お前、最近は大学に来ないと思ったら」
追っ手を巻いたころ、友人の黒川が路地から声をかけてきた。
「ちょっと借金とりがきてて、黒川こそ大学は?」
「休学」
間髪入れずに答えが返ってきた。なんで、お前も借金とりに追われでもしてるのか?
「なんだよ、別に悪い理由じゃない」
「そうなんだな」
「お前どうして借金なんて」
「取り立てのやつが言うには親の借金だってさ」
「ご両親そんな人には見えなかったが」
「俺も驚いてるんだよ。そんな親じゃなかったし、でも行方不明で夜逃げしたとしか思えないし」
「警察には行ったのか?」
「まともにとりあってくれない」
「しかたない……ついてこい」
□
「なに? 友達?」
同い年くらいの少女、タバコらしきものをくわえた男がこちらを一瞥している。
借金取りたちと似ている職業なのか、それでも小物感はなくて、親玉のような立場の雰囲気がある。
「こいつが、借金取りに追われてるらしい」
「そうなんだ。好きに住めば?」
興味なさそうに男が退室していった。
こうして友人に紹介された先がヤバい仕事場、という不思議なやりとりで、俺はタダ働き覚悟で安全そうなこの事務所にお世話になることになったのだ。
□
「最近は課金で一家離散、怖いね」
「課金ってのは皮膚病なのさ、我慢しても治まることはない」
「なにガチャ画面見ながらかっこつけてるんですか」