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ルームシェアは、お屋敷 1
「今日からここが僕の住むお屋敷……!」
僕がシェアハウスで住む邸宅は、大家さんの祖父母が他界してから広すぎるお屋敷を放置するわけにいかず貸し出しているそうだ。
庭に目をやると昼間から酒を飲んだ男がテラスで寛いでいる。こちらに気がついたのか、男が徐にたちあがって歩いてきていた。
「君が新しいコだね」
声をかけられて会釈しながらあいさつをした。
「はい! よろしくお願いします」
「ヨロシク。きみ大学生?」
「いえ、去年卒業してライターをしてます」
あんたらをネタにするためにきました! なんて口が裂けても言えないな。