全てこのため 1
「であるからして」
学校は退屈だ。何か楽しいことはないものか?
帰宅してゲームセンターに行っていたら、すっかり日が落ちていた。
「遊ぼうぜー」
「こいよ」
ツインドリルの女の子がよからぬ男に絡まれている。
「消えて」
彼女がそういうと、男達は消えた。
「お友達?」
「いいや」
「僕を怖がらないんだ! おもしろーい」
「君の力を見てしまった僕も殺すか?」
「どーして? 貴方わるいことしてないでしょ?」
「そうだな」
「僕もう帰るけど 聞きたいことある?」
「名前は?」
「まっさきに何者とか、今の技何か聞かないんだ」
「何者かなんて関係ない」
「僕はイクネ」
「まだ名前きいてない」
「天然かよ。 春日井イクネ」
「そうか、俺は全椅丸ミトルだ。また会えるか?」
「会いたがるなんて変なやつ。僕はそのへんで野宿してるよ」
「金に困ってるのか?」
「家出」
「なら家にくるといい。両親は海外だ」
「ラノベ主人公かよ。」
家に着くとこちらを見てくる。
「金持ちかよ」
「金持ちは嫌いか?」
「嫌いとかじゃないけど違う! 僕まともじゃないんで、泊まるのはまずいて」
「会話はできている。まともだ」
「そうじゃねえよ。僕さっき人消してたよね。見てないとは言わせんぞ」
「警察沙汰は面倒だ」
「ならなんで泊めるん」
「友人がほしかった」
「ああ、でも無理だよ。僕じゃ友達とか」
「わかっている。友人は冗談だ。男女の友情は成立しないとデータが出ている。おもしれー女が目の前にいたからだ」
「教室の窓から退屈だ……してたのと別人すぎて草。別人の双子では?」
「見られていたとは」
「ここが貴方の寝室か」
「海外から来たばかりで、あまり家具を用意してないんだ」
「漫画みたいな使用人はいないのかな。僕の部屋は?」
「案内する」
「おやすみ」