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ディウラス界 共通① ライングラム

自分の命はいらないと思ったとき、命を絶つ前に、他の誰かに自分の寿命をあげることが出来たらいいのに。

――――そうは思いませんか?



私の名は“ライン=グラム”

元の名を幸先こうさきミツメ。


元は人間界で暮らしていたが死んだ。



今の私は魂だけの存在になっている。

暮らしているのは、寿命管理世界・ディウラス。


私と同じく魂だけになった存在が無数に暮らしている。


天界や上界の末端であり、ここは寿命管理組織が人間の命の長さを管理している。

私も組織に所属している。


偉くなれば寿命を縮めたり、伸ばしたり、自由に決められる。

寿命の売り買いをしたり、死人を運んだりもする。


死人の魂は本来は死神に渡るもの。

だが、霊金をもった死人ならディウラスで寿命を買えば生き返ることもできる。


要するに霊金を積めば死神を追い払えるわけだ。


霊金は人間界で生前善行をしたものが自然とたまる。



霊金はディウラスで使う通過であり、天界に賄賂として使うこともある。


私も昔は人間として生きていた。

だけど寿命は生前の従弟にあげた。

私には人間界で生きることが向いていなかったから。


生まれて意志が芽生えたときから、早く死んで、天に行きたくてたまらなかった。


でも自分で命を絶とうなんて出来なかった。

どうしようもない生きることへの抵抗感を抱え、誰かに助けてもらいたくて、たまらない日々だった。


そうしたら、17才のときにディウラスから使いが来て、素質があるからと言われて今に至る。


「ライン、なに浮かない顔してんだ」


‘ライン=グラム’それが私の新しい名前。


私と同じく生前の記憶のある人間だった者がいる。

彼はその一人‘クラッシュ=スクウェア’。

似たような時期に来た同僚である。

好戦的でよく死神を叩き潰している。

そのため苦情が多いが、上層部は一方的に商売敵としている死神が大嫌いなので、クラッシュのやることにほくそ笑んでいるだろう。


「みんな良くきけー新人が入るぞー」

‘ロスト=スター’私やクラッシュの気のいい先輩。


「ほんとうに惜しい人材だ…」

別部署の‘ルーペ=ハート’さんがぶつぶつ何か言いながらこちらに向かってくる。

私たちが前衛で商売しているのに対して、彼は管理担当の眼鏡。


後ろに誰かいるけど、先輩の言っていた新人だろうか。


「どうも~今日から寿命管理組織の前衛部に所属することになったあー

コードネーム‘トリック=ダイヤ’でーす」

超やる気がない。これが湯枯れ世代というやつ?


「皆、集まったようだな」

‘トレイス=メビウス’私達のリーダー。


「あの、新人の発表は済みましたよね

そろそろ私達仕事に戻りたいんですけど」


「そう急がなくても」

相手は逃げるというか、つれていかれるわけで、リアル重視のタイムリーな仕事なわけだ。


予想も計画も、実際の現場ではただのゴミになる。

その場で判断して行動することがなにより優先される。


なのに、まだ何か話があるようだ。


「最上官をお連れした…皆、失礼のないように」

扉が開かれ、中に入ってきたのは――――――


「畏まらなくていい、自然体で頼むよ」


‘マイン=クロス’

寿命管理組織、トップであるウェルト=エンドの右腕であり次に偉いという。


シタッパより少し偉い程度の私達が姿を見られるなんて、夢のようだ。


一瞬彼と目があった。

実際に会うの始めてなのに、懐かしい気がした。



「近頃売れ行きが死神に負けている」

もっと深刻な話をされるかと思っていたが、そうでもなかった。

私達が金を稼ぐように死神は人の数が金の代わり。

こちらの利益が向上すれば向こうも躍起になるはずだ。



「上が我々を野放しにしてくれているのは死神のライバルとして競争心を植え付けるためだ」

そうだったのか、はじめて知った。


死神の武器はカマしかないから特殊能力の使える私達が負けることなどない。

だから対等に相手にしていなかった。

かちあっても向こうが敵うわけないからだ。


実際に私達は無傷で何年も、やってきている。

ライバルだなんて思い上がりもいいところである。


「このままでは死神と合併されるか、ディウラスが消えるかの二つしか選択の余地がない」


「コソコソ卑怯な死神なんて、俺達で叩きのめしてやりますよ」


「なら安心だね。これからも君達の活躍を期待しているよ」


よし、私も頑張ろう。

――


私はロスト=スターとともに、人間界を観察していた。


「ようディウラスの犬ども!!」



――――死神が現れた!!



「おい、ライングラム」


「はい、なんですかロストスター」


戦法でも考えたのだろうか。


「どちらかというと死神のほうが犬だよな」

「そうですね」


どちらが犬かはどうでもいい。

ただ、敵は倒すだけ。



「オレの名はサイズ、死神だ!」

「うん知ってる」


―――こいつ、すごく馬鹿だ。



「じゃ、遠慮なくいかせてもらうぜ!!」


「じゃ、って何が?」


「キサマらを叩き潰せと上から名があってな!!」


―――話聞いてないし……!!




「うおら!!草刈りガマ!」


サイズが小降りな鎌を振り回した。



「カマだっせーな!」

「そうですね」


ともかく、なんとかしよう。


「こいつを倒すか仕事するかだが、どうするよ」


「……【ヘキサクール】」


やつの足元に線を引いて、こちらにこられないように足止めした。


ひとまず、仕事を優先したい。


「いきましょう」

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