三つ目の月
書くの楽しいから今日はいっぱい出ます
元渋谷駅、ボロボロになりながらも少し昔の景観を残しているこの駅は、戦争の傷跡を感じさせる。
「いやぁ、憧れの渋谷駅にこんな形で来るとは思わなかったっすね〜」
「あは、確かにねー、僕も日本がこうなったり東京がこうなったりするとは思わなかったねー」
「誰にも未来予知は出来ないのだから仕方ないだろう、今夜はここで休息を取るぞ」
そう話していると、永月の腹が大きく鳴り空腹を分かりやすく伝えてきた。
「えへへ…少し恥ずかしいっすね、ほら仁魅さん!ご飯っすよご飯!」
「待てよ…今ちゃんと分けるから…」
「そんなめんどくさいことしないで適当に取ったら良いじゃん、はーいはい、庸兜君どぞー」
「ちょ、やめろ!」
「やったー!凰臥くんありがとっすー!」
三人でご飯を巡って争っている、争っているとは言っても仁魅の決めた分配を無視されてるだけだった。
「いやぁ〜、美味しいっすね〜!とゆーか今日の昼やばかったっすね、あんなに襲われるなんて思ってなかったすよ〜」
「あは、僕と煌婪君がなんとか出来たから良かったけどねー、永月君はこの中で一番若いからもうちょっと身体鍛えようねー」
「ががが、がんばるっす!」
まぁそんな感じで話している間、仁魅は黙々と静かにご飯を食べていた。
少しずつ夜が更ける中、楽しそうな笑い声と真面目な注意する声が今宵も周りに響く、荒廃した中でも楽しく生きるが出来る三人だった。
「明日は5人くらい仲間を増やしたいねー、ちょっとずつ基盤が出来てるから後は僕達三人である程度の自治を作るだけだ」
「確かに、だいぶ仲間は増えてきたな…思ってたより順調に進んで私も少し驚いているよ」
「あは、まぁ僕達の運が良かっただけだよねー…最期までよろしくね、二人共」
「そうだな、永月殿は寝てしまったがな」
そうして三人は----二人だが----決意を更に強く刻んだ。
いや、地道だけど予定通りの進み方出来てて嬉しいですね。予定だとあと2話したら大きな転機が来るのでお楽しみにー