あかし
立原道造作、「はじめてのものに」に影響されています。
画面の向こうで 起こる 架空的な戦い
現実味は 無いのに 私の頬に涙を伝わせた
―気付かないやうな 胸の痛みが 蛇口を捻つたのか
伝い落ちる これが心を潤せれば良いのに
となりのひとは私を 心配そうに覗き込む
―…忘れたい?……忘れたくない…?…
――…愛されたい…
勘違いな質問に 微笑みながら 私の視界は遮られた
伸ばす腕に 指に触れることができる
あたたかい 温度 生きている 音
君の腕で かき消される不安
間違いなくここに 生きている 存在している
痛みが 辛さが 憂いが 光が やわらかさが 匂いが
生きている あかし 生きている 意味
止まらない涙は 悲しみでは無くて。
幸福に満たされた私は、布団に包まれ目を閉じた。
仮名遣いを使ってみたかったという。(
お付き合いありがとうございました!