表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の心霊写真を撮ってくれ!  作者: まっど↑きみはる
9/20

俺の心霊写真を撮ってくれ! 9

「なるほど、そんな事情があったのですね。加藤さん、突然申し訳ありませんでした」


「いえいえ、お気になさらず」


「加藤さんはお気になさらずと言っています」


 加藤の言葉は美雪に聞こえないため、田車が間に入って話していた。通訳者はこんな気持なのかなーと何となく考える。


「話によると父により封印をされてしまったようで、なんとお詫びすればいいのやら」


「いやー、紛らわしかった俺も悪いんで気にしないで下さい、田車さんが来る前の住人つい金縛っちゃって」


「それも気にしないで下さいって言ってますよ。ところで疑問なんですが封印と成仏するって何が違うんですか?」


 田車は疑問に思っていたことを聞いてみると、美雪はきちんと答えてくれた。


「封印は人間で例えるとコールドスリープですね」


「こ、コールドスリープですか?」


 およそ巫女の口には合わない単語が出てきて田車は戸惑う。


「そうです、封印してされている間の意識は無く、そのまま消滅するか、時間が経ってまた霊として蘇るかします」


 霊なのに蘇るとは? と思ったが、あえて田車は何も言わずにいた。


「そうそう、確かにそんな感じだった」


 実際に受けた本人がそういうのだから、そういうものなのだろうと田車は納得する。


「成仏…… というか神道では死者は黄泉の国へと行く事になっています」


「それは聞いたことがありますね」


 田車が言うと、深雪は話し続けた。


「ですが稀に加藤さんのようにこの世をさまよい続ける死者もいるのです。そういった者たちに共通するのは何らかの強い念、特に負の感情。未練や怨念が強い場合が多いのです」


「なるほど、だから心霊スポットとかで祟りだの怖い霊を見ただのがあるんですね」


 「えぇ」と言って深雪は説明を入れる。


「祟りという字は『出』て『示』すと書きます、幽霊も出て何かを示したいのだと思いますが、大半の場合それは生きた人間にとって良くないことに繋がります」


「そうだったのか……」


 加藤は思い当たるフシがあった。自分はただ話を聞いて貰いたいのに相手を金縛りに会わせてしまう事だ。


「ともかく、人にとっても幽霊にとってもあるべき世界に居ない事はお互いにとって不幸です。加藤さんが危害を加える霊で無いとしても、早急にあの世へと行くべきなのですが」


 加藤は目をつむり腕を組んで何かを考えて、よしっと言って目を開いた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ