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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
たそがれ編 壱 影の住人
7/53

零二side1

『君からは「恐怖」を奪った。まあ死にはしないから』




かなえさまから感情の1つ「恐怖」を奪われてから3年の年月が経った…



今は神埼家の助手として働いているが……



それは監視の意味での口実…




恐怖を奪われてからというもの……あまり実感が沸かず色々と試してはみた




ナイフで指と指の間を高速で突き刺すチープなものから始まり



自らの腕を包丁でスパッと切ってみたり



ヤンキーの喧嘩に絡まれたり



車に跳ねられかけた子供を庇って轢かれたり



仕舞いには銃で撃たれたこともあった。




かなえさまの言葉通り「死にはしない」があくまでも『恐怖』がなくなっただけであって一般人とは変わりない……



もちろん、痛感などの感覚器官は機能し……轢かれた時なんかは死への恐怖はまったくなかったものの滅茶苦茶痛かったというのが率直な感想。




流石に銃で撃たれた時は




「あ、不味いな」ぐらいの感情しかなく危うく死にかけた。




結果からすると……




信号機の赤色と黄色が無く、ずっと青信号の状態であると自ら結論付けた




そんな感じで3年間良く生きていたと自分の悪運の強さを褒め称えたい所だが




その悪運もここまでらしい




僕はある噂の調査にたそがれ町都市化計画の失敗の象徴でもある旧黄昏タワー跡地周辺を調べていた所



付近のヤクザに行動を悟られ逃走した後3人ぐらいに分隊した所を奇襲し撒いたが……



その直後得体の知れない何かに腹部を貫かれてしまい…




意識がそこで途切れ……自分がどうなったことすらもわからないまま……




暗い海の底へと落ちていった……




その時も……恐怖なんてなかったが




後悔はした……狐月がどれだけ悲しむかを……






だが……後悔したってもう手遅れなのだから……








僕は死ぬが……狐月……君には……









「オペ……終了……」




「7200秒と1秒………」





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