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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
最終章 中編 月物語
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神埼の歴史



現代……



「その後どうなったんだ?」



「全部その日記に書いてありますが。」



「六法全書並みに分厚い日記帳なんて全部読めんわ……飽きる。」



修行の休憩がてら縁側で私が記した日記を読みながら神埼一族の歴史について長々と話したが……



さすがに長過ぎたか狐月が文句を言うと日記帳を閉じ、先ほどまで読んでいた部分の行方を聞いてくる




ーー結論から言うと



治療は成功し狼己様は自身の霊力に耐えられる体となり



私の月の一族の血が由縁なのか幼いながらも五行の火、妖術、結界術、呪術、等を扱えるほど才能に恵まれた



その代償に私は仙霊術や五行を扱えないほどまで霊力を大幅に削がれ、生命を維持するために必要最低限の霊力だけが残った



それを補う為に抜刀術を極めるに至ったおかげで今があると言って良い



「てことは、月影は超遠い私の叔母ってことになるのか?」



「ん~~どうなんでしょう……私の血で現代でも神埼一族が滅ばず、あなたが存在していることを考えると……案外そうかも知れませんね。私のことお婆ちゃんって呼んでも良いですよww」



「呼ばねーよ、これまで通り“月影”のほうがしっくりくる。」



「ウフフフ、そうですか」



私が平安から書いていた日記帳を久しぶりに見てからか……



本当に狐月は性格こそ男勝りだが容姿は狼月様の妻の芙蓉様と瓜二つ



輪廻転生……もしかしたらあり得るかも



「そういえば手術やった医師の名前に『鬼目』だったけど……まさかあの最悪の陰陽一族『鬼目』の祖先か?」



「あの方は確かに『鬼目』でしたが、歴史には記されいませんが不治の病……疱瘡の治療を確立したのは彼でした……更にあの時代……赤子の突然死も多くその原因を解明したのも彼です」



「鬼目の奴らにしては祖先はかなりまともだな……そんな人格の奴が現代の『鬼目』にも居れば良いけどな。」



「本当に………………そうですね………」





『鬼目一族』


……数々の禁術に手を出し厄災や天災を引き起こし


「暗殺業」「呪物売買」「封印の解除」


等の非人道な行為に手を染めていることから業界では「裏陰陽師」と呼ばれている



「暗殺業」の中にも陰陽師も含まれており鬼目の手によって滅びた陰陽一族は数知れず……



あの天生一族も鬼目一族によって壊滅し………私の友人も殺され……その彼女の3つ子の子供も問答無用に殺されたらしく……


3つ子の長男にあたる子の目玉だけが見つかり遺体は見つからなかった。



これにより神埼一族を初め、各地方の陰陽一族と連合を結び



『鬼目一族』と陰陽戦争が勃発……



結果………鬼目一族で内部分裂が発生したこともあり



鬼目一族当主『鬼目シンキ』は内部分裂の際に殺害され



そのあとの暴走した鬼目の傘下にあった陰陽一族を鎮圧する方で終息………実質………鬼目一族は崩壊したかに思えた………




昨年起きた「神食いの怪異」………あれには鬼目の残党が関わっていたことから……



鬼目との戦いはまだ終わってはいない……



「さて、休憩はここまです。修行にもどりますよ狐月」



「もうそんな時間か……よし!次こそ一本とってやる。」




時刻が丁度昼過ぎを差し、狐月の修行の再開を切り出そうとした瞬間



今まで感じたことのない邪悪な気配を感じ



縁側の庭に目を向けると……




黒いローブを身につけた人型の怪異を引き連れ……黒い陰陽着『狩衣』に身を包んだ人物……



私は……その人物に対し刀の柄を握らずにはいられなかった



「お久しぶりですね、月影……そして……初めまして狼月の子孫。」



私たちの前に突然姿を現した人物……それは……



「狼月…………いや…朧月ですね。」



「狼月?あれが、神埼一族の先祖……」



狼月の皮を被ったもう一つの人格の「朧月」であった



「この目で見るまでは信じたくはなかったのですが……何故貴方が現代に蘇ったのです?」



朧月はニヤけた表情を浮かべると



「そんな殺気立たなくとも、いずれ全てが終わりを迎える……言ったであろう?『私の思想は未来永劫きえることはない』と」




「亡霊が…………今この場で!!」



朧月は既に私の間合いに入っている……ここからの踏み込みであれば容易に首を飛ばせる……



だがそれを朧月は予測してないわけもなく朧月の付き人が私の前に立ち



私の行く手を阻むように私の目の前で黒い炎を壁のように展開し………



私は後ろに下がらざるおえなかった………



あの炎………一握りの死神だけしか使えない『魂滅の炎』に間違いないが………



朧月……まさか死神まで従わせているとは……



「今日は殺し合いに来たのではありません………挨拶がてら宣戦布告に来ただけです。」



そして朧月はその場で私達に言い放った。



「黄泉の国より魂が現世へ舞い戻る8月15日、かわたれ山にて『怪異の世界』を行い……その日をもって人の世は終わりを迎える。」



その瞬間、狐月は足首に隠していたスローイン用のナイフを取り出し……目に求まらぬ速さで朧月の背後を取りナイフを突き立てるが……



朧月が事前に展開していたと思われる結果によりナイフは弾かれ折れてしまう。



「“かなえさま”に霊力を全て取られた割にその速さ常人離れしておる……流石、狼月の子孫といったところか。」



「な、なぜてめぇが私に起こったこと知ってるんだ!?」



「全ては8月15日に分かる……また会う日を楽しみにしているぞ狼月の子孫と月影よ。」



そう言い残すと朧月は黒い炎に包まれその場から消えてしまった。








そして………宣戦布告した8月15日の現在へ………



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