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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
最終章 前編 幾多の死の先へ
36/53

送り火

8月初め………



霊能暗殺集団『夜鴉』に神埼一族の暗殺を依頼したとされる人物



神埼家初代当主『狼月』



月影曰く彼は平安時代の人間で既にこの世に居ない筈だが……




神造りによる儀式で造られた神『かなえさま』



罪人の魂を元に作られた怪異『ヒトクイ』



彼の目的は『怪異の世界』の実現と……



夜鴉に依頼した目的は彼の障害となりうる存在の抹殺



一連の都市伝説の類いは狼月によるものだと断定され急ぎ場所の特定を急ぐが……



この最近、旧都へ調査に送った死神達の消息が途絶えてしまったと




1、2人とかそんなもんじゃない




およそ100名以上の死神の行方が解らなくなったと……




その捜索に10人程の死神を旧都へ派遣したが……消息を絶ってしまった




冥王から直々に旧都への調査中止命令が下される中




俺にだけ冥王から単独での旧都に関連する調査の続行が言い渡されてまもなく




夜鴉騒動の中、雲隠れしていたみたく姿を眩ませていた零二から呼び出され




何でも「旧都の中止に位置する黄昏タワーにきて欲しい………概要はあとで話す」とのこと




一応神埼の連中にも声をかけようかと思ったが



月影は狐月とともに『狼月』の行方を追っているらしくしばらく帰ってはいないとのこと。




そんでもって単身待ち合わせ場所である黄昏タワーへと向かった………





たしか黄昏タワーは都市化計画崩壊後、真っ先に死神の調査が入り隅々まで調べ尽くしていて、今更調べてもってレベルだが……




ここに来たのは生前、土方作業のバイトをしていた時以来…………マジであれは扱いが消耗品だったのは忘れよう(バイト)



死神になってから初め来たが……




「このタワーから感じる吐き気に似た気持ち悪いさは……」




感じているのは俺だけだろうか……零二の提供した情報で人変怪異の根源となる薬の保管場所が判明し終息したと思ったが…



俺にはこの黄昏タワーこそ全ての原因であるとしか思えないほどの何がある……



「死神……」



そこへ零二がタワーの柱から姿を表す



「おい零二!今までなにしてやがった!」



「その事については今話す…それと淳也と妹を救ってくれたこと感謝する。」



「礼なら淳也に言うだな、それよりその様子だとお前……このタワーに何があるのか知ってて俺を読んだんだな…」



「理解が早くて助かる……ついてきてくれ。」





零二は死神である俺に全て話した……




旧都崩壊の裏に何があったのか



人を怪異とさせる生物兵器は元は鬼目一族が造り出したもの……



今までのたそがれ町に蔓延る都市伝説の流行と偶発的な怪異の発生の真意…



そして、零二自身も暗殺者に命を狙われていたこと……



あの7月の花火大会後に警察に連れていかれ異様な早さで刑務所にぶちこまれたってのを聞いた時は何かの冗談だと思ったが……暗殺者に命を狙われたともあれば妥当な判断としか言いようがない。



更に零二はヒトクイを造り出した張本人があの狼月であることも突き止めていたとのこと……



零二曰く………その生産場が………



今俺達がいる黄昏タワーの中に隠されている………



ここまでの話しから死神である俺に何を求めているのか大体のけんとうはつく……




エレベーターに乗り特定の階のボタンを順に押していき……突然重苦しい感覚と共にエレベーターは下へ降りていき……




異空間へとつながる何らかの研究施設へとたどり着いた。



そこは無数の人1人入れるぐらい大きなカプセルが立ち並び……



中には奇妙な肉塊が入っているだけ……



だが……微かに感じるこの気配に見覚えがある……



ヒトクイじゃない……もっと身近な何かの気配……



「………俺以外にもこの場に死神が来ていたのか?」



「………………」



「なぁ……いい加減答えろ!この場所でヒトクイ以外の何かがあるってことぐらい俺でも解るが!何故お前までそんな怒りに満ちた殺気を放っているか聞いているんだ!!」




「……………これから………これから目にする光景は………決して世に出してはならない………闇そのものだ………だから………死神である君にしか頼めないことなんだ………」



やがて………鉄格子に囲まれ………その先の見えない暗黒が広がり………



その暗黒からはむせ返る程の血の臭いがたちこめていた………



その異様なまでの臭いの正体を死神の目を通して知ることとなる………




「はぁ……はぁ………はぁ………な、なんだよ………この“無惨に食い散らかした死体の山”は…」



恐怖したのはヒトクイに襲われた時以来だった………



死神になってから初めて恐怖したかも知れない………



死神の目でざっと見た限りでは約500人程の死体が放置され…



異空間故か……肉体の腐敗は一切なく何者かに食い散らかされたまま今に至るまでずっと放置されていたのだ……



500もの遺体が………




俺は鉄格子をすり抜け………




ゆっくりと下へ降りていくと………




チャプン………




と……脹脛まで水に浸かったが………これは水ではなく………血であった純度100%の……死の海……



その場所からしばらく歩き………周りを見渡した



ほとんどが頭部が無くなっていて体の部位が欠損しているものもあれば………



腕が鎌のようになっているものまで………



それだけじゃない………



この場にいるものほとんどから死神の匂いがする………



まさか………狼月は死神を実験台にして醜い怪異へと作り替えていたのか………



中には子供の容姿をしたものまで………



そして………俺は恐怖よりも怒りが勝り………




「あぁああああああァアアア!!!!」




吠えた………




「狼月!!!!俺は貴様のような外道を絶対に許さない!!!!」




怒りから涌き出た青黒い炎は……



ガソリンのように燃え広がり………



全てを焼き付くした………



この場にあるもの全てを………



やがて………青黒い炎はこの異空間までも焼き付くし………



間一髪のところで零二は脱出………



俺は怒りに任せて………徹底に燃やし尽くしヒトクイを造り出した外道『狼月』に復讐を誓った。





8月……半ば………




月影より………ヒトクイを名乗る




蟹江かにえ 芳樹よしき』という人物より




『全ての始まりの地である『かわたれ山』で待つ』と……





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