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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
最終章 前編 幾多の死の先へ
33/53

レンside

俺は、休みの度にウミに会いに行き面白そうなラノベがあればそれを見舞品として持って行っていた




ラノベの話しとか都市伝説とか他愛のない話題で盛り上がり充実していたかに思えた……




8月上旬………




神食いの怪異と呼ばれる『フェンリル』の出現で空間に多大なる歪みを生み出し



日本を含め世界各地で天変地異が発生……



それに伴い鳴りを潜めていた怪異が活性化し…たそがれ町では旧都を中心に小規模ながらも『百鬼夜行』が発生し



俺を含めた死神集団を編成、神埼一族や他の地方からの陰陽師に協力を依頼する事態にまで陥り



それに加え神食いの怪異が起こした天変地異の影響で、空が曇天に覆われ夜が明けない事態にまで深刻化され



この現象が1週間以上も続いたことから



人々の間ではこの1週間を『ワールドエンドウィーク』などと呼ばれるにいたった



事態が沈静化したのは9月の初め…



それまで休みなく駆り出されウミに会えない日が続いたが…ようやく彼女に会えるだけで今までの疲れもなんのその…






だが…………





俺に待ち受けていたものはあまりにも不可解で現実味を感じないものであった



俺が病院につくなり先輩死神が慌てた様子でこちらへ来ると…



「やっと来たか!早く行ってやれ!」



「そんなに慌ててどうしt」



「彼女が……まだ寿命が来てない筈なんだが……」



その言葉で……俺は急いでウミの病室へ向かったが………



そこに彼女はいなかった………



「そんな…そんなそんなそんな………」



俺は自身の中にあった最悪の事態を圧し殺し受付の看護士にウミのことについて聞くと



「白神石 ウミさんは1ヶ月前から集中治療室へ移されましたが、面会には親族以外の方は申し訳ありませんが………あれ?………」




ウミさんはまだ生きている……それだけで充分だった



集中治療室の場所を病院内に設置された案内表示を見て直ぐ様向かった



「ウミさん………!」




息を切らし額から汗が滲みでるなか………



ようやく彼女がいる集中治療室へたどり着き



死神の目で彼女を探してた……



もう聞きあきたと思うが、死神の目で見れるものは『真名と寿命』いくら偽名を使おうが死神の前ではそれらが全て筒抜けだ………




そして………彼女の名前である『白神石 ウミ』の名前を見つけ……それをたどっていくつもある病室から



彼女を見つけた………




ガラス越しから見る彼女の姿は痛々しかった………



全身に繋がれた無数の管に1秒間隔でなり続ける心拍計……そして綺麗だった髪が全て抜け落ち………



人工呼吸器から送られる空気をか細い呼吸で行い………寿命がもう1ヶ月も無い彼女の命がそこにはあった………



「なんでなんだ………おかしいだろ………寿命はまだ10年も………あったのに………」



俺は彼女の変わり果てた姿に絶望し涙を流し……その場で崩れ落ちた……



「ここは関係以外立入禁止の筈だが………」



「………………」




そこへ1人の医師がやって来た…




「ほとんどの医師は彼女に対して『やることは全てやりました』なんて言うが………やったんならああはならない。」




「………………」




「全ての医師は万策尽きたかのように綺麗事を並べるが、それは医師自身の経歴にキズを付けたくないだけの言い訳にすぎない………もっとも彼女がそうならざる運命であれば何も言えないが………(ガシッ!!)」




気づけば俺はその医師の胸ぐらをつかみ激怒していた




「なんで諦めているんだよ!!医師だろ?患者の命を救うのが医師の筈だろ!!まだ諦めるには早すぎるだろ!!彼女はまだ…まだ………生きなきゃだめなんだ!!!!」



「………………………」



「全てやったんならなんでこんな状況になるだ!!おかしいだろ!!さっきから聞いていれば、経歴にキズだと!?お前ら医師は患者をなんだと思っているんだこのヤブ医者がぁ!!!!」




「………3600秒………そのぐらいあれば沸騰したお湯も冷めるだろう。」




プスッ………




「うっ………………て、てめぇ………」




俺は不意をつかれその医師が隠し持っていた何らかの薬剤が入ったものを注射器で注入され意識を失なった




「さて………………後は彼次第だな………死神よ。」








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