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永かった………
本当に長い道のりだった……
怪異がはびこり人の世を乱したあの時代が懐かしく思える……
だが………時代が進むにつれ………いつしか人間達から怪異は忘れられ………
怪異は居場所を無くしていった……
現代のあの者が私の理想とする世界を実現しようと黄昏の地に城を築いたが………
あの者は………自分が怪異を支配することで………かの世界を実現しようとしていたが………
やはり人間は支配することでしか生存は出来ない劣等種族であるのを再確認した程度………
既に奴はこの世にいないがな………
『かなえさま』
『ヒトクイ』
『古の対魔の魂』
『特異点』
『人変怪異』
後は100年に1度の『如月の刻』を待つのみ………
夜鴉の霊能者集団ごときで神埼の人間を殺せる筈がないことは最初からわかってはいたが
予想通り時間稼ぎにはなった………
「どうだ?使い心地は………」
黒い求道者が着るフードがついた衣装を着た人物にそう訪ねる
「素晴らしい切れ味だ、もっと早く出会いたかったものだ……『食材』の無駄が減るからな。」
「上々だ………神埼の者以外は食っても構わん………好きにすることを許そう。」
「狐肉………私の手に掛かれば絶品のフルコースメニューを主に提供出来ますが………仕方ありませんね………死神肉で我慢しましょう。」
その者達の後ろには死ぬはずがない死の神と呼ばれた存在達のミイラのような干からびた死骸が無造に転がっていた………
「………ハァ……ハァ……ハァ……なんで……怪異ごときに死神が……」
満身創痍の虫の息で目の前に転がる仲間の鎌を拾い上げ……
「死ねぇぇええ!!!!」
後ろから苦し紛れの一撃を仕掛ける………
しかし………
パキンッ!!
魂を刈り取る死神の鎌は灰のように消滅………
左手で死神の首を鷲掴みにし体を持ち上げると
「良い死の香りがしますね………………これなら踊り食いも悪くない」
「あ、あ、いやだぁ………いやだぁ!!」
ガブッ!!!!
ダランッ………………
死神の悲痛の叫びは虚空へと消え頭から丸呑みにされていった……
「終わったか………」
「やはり死神は何をやっても美味しい!………主の理想が叶った暁には死神をフルに使ったリーパァーコースを考案しております故、どうぞ御賞味を味は保証します。」
「うむ………」
元が人食の大罪であるからなのか……はたまた生前の記憶からだろうか……
いずれにせよ鬼目の遺した遺産は大いに役にたったと言えよう……
神鹿の地の怪異が持つ力は死神をも凌駕するとは想定外だったが……
そのうち月の一族の『長』をも妥当出来る日もそう遠くはないだろう………
全ては………
平安の世の再現………それ以上………
人を供物とし怪異が世を統べる楽園
『怪異の世界』を実現させるために………




