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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
たそがれ編 参 真実
28/53

パンドラ

世の中には「開けてはならない箱」がいくつか存在する……



おとぎ話『浦島太郎』で登場する『玉手箱』




水子の死体を利用し非人道な方法で相手を呪い殺す『コトリバコ』




人が死んだら入り永遠の眠りにつく『棺桶』




そして、ギリシャ神話に登場する災いそのものが封じられ開けたら最後……世界が崩壊する『パンドラの箱』



これらの『箱』は共通して「箱を開ける」行為を行ってしまったことにより厄災や呪いが降りかかり人々に害をなす……



棺桶は違うかも知れないが一度永遠の眠りについた者を再び現世へ呼び覚ました者は天から罰が当たる言い伝えがあることから……これも呪いと同等だ……



だが……今回の場合……



パンドラの箱は既に開かれてしまった………



その呪いがたそがれ町を蝕む根元だとするなら………



僕達はその箱の中から一握りの希望を探しだし……



箱を閉じなくてはならない……永遠と誰の手にも届かぬように…











刑事さんが持って来たコールドケースに保管されていた黄昏タワーの設計図ど第一号の設計図を照らし合わせ隠された地下施設の場所を特定…



周囲の監視カメラは僕達の行動範囲内の物をライダーが繰り出す影で覆い無力感



修理工事中の黄昏タワーの巡回警備員は里中さんの「心を読む」力で掻い潜りエレベーターへ乗り込む



このエレベーターこそが地下施設への唯一の入り口だからだ……第一設計図に記されていたエレベーターに



『4→2→6→2→10→5』



と暗号が書かれていた…この数字の配列からとある都市伝説が導き出される



それは『異世界エレベーター』



10階以上ある建物のエレベーターに乗り、特定の階を行き来することで異世界へ飛ばされてしまうというもの……



その怪異を利用しているなら現実世界で黄昏タワーの地下に施設が存在しないことが証明できる…



とにかく…この数列通りにエレベーターを上げ下げしていき



最後の5階のボタンを押した瞬間……



エレベーターは5階に止まらず降下していき



階を表示するデジタル表記に草文字が入り交じり…



ようやく問題の階まで止まり…



エレベーターの扉が開かれた……



「ここが……この場所が……」



僕は今目の前に広がっている光景に言葉を詰まらせ…同時にこの場所で何が行われていたのか理解せざるおえなかった……



「間違いない………零二…これが怪異の世界を実現しようとした者の業だ………」



「スクープ所の話しじゃないな…こんなものが世に出回っているとなると国民の混乱は避けられないね……」



『………………』



そこには幾つかの機械とSFものに出てきそうな無数に並ぶ生体カプセル………



全体的に血の匂いが充満し重苦しい雰囲気に包まれていた……



液体が詰まったカプセルの中には



禍々しい肉片や体の一部分が肥大化したもの………中には人体のパーツが一部欠損しているものまで……



「全部怪異なのか……それとも………」



するとドクターが何らかの資料を発見し僕の方へくると…



「こいつらは過去に行方不明とされた指名手配犯や終身刑、死刑が確定した者達の成れの果てだ………」



その資料には簡潔的な記録が記されてあった




名前、性別、罪名、実験結果




全てにおいての実験結果は『失敗』と記され………更に読み進めるとここでなんの実験が行われていたのか知ることとなる



『人工異能力者開発プロジェクト』



概要はα型の発展版であるc型の開発…



α型の欠点とされる怪異化が色濃く出る現象を解消し異能力のみを人体へ付与させる物



c型ver3.1………α型同様人体の肥大化や欠損が見られα型成功例『ヒューマンイーター』との性能テストにて5秒間の生存ののち自然消滅



c型ver3.2………α型には見られなかった知能の低下は無く特質した人体異常は見られなかったが能力使用時に被験体の死亡が確認…確率は95%



c型ver3.3………a型成功例『ヒューマンイーター』に遺伝子レベルで融合………………




ここから資料が破られ読めなかったが………



このa型成功例は紛れもなく『ヒトクイ』に違いは無いが…



あの怪異もここで造られ…しかも量産していたとは………



どこまで人を不快にさせれば気が済むんだ?



『ドクター、レイジ、ちょっと来てくれ』



ライダーが何かを発見した様子でこちらにやってくると、僕達はライダーの後をついていくことに………



この時僕は………ライダーが発見したものがα型成功例本体であれば破壊することしか考えていなかった…



だが………そんなこととは裏腹にライダーに導かれるままたどり着いた場所は…



病院とかである普遍的なスライドドアで鍵はかかっておらず半開きの状態だった……



「一応警戒はしろ………………開けるぞ。」



ドクターが警告を促すとドアに手をかけ………扉を開け………そこにあった物は



予想とは正反対の物で………



それは黒く長い棒のみが山のように積まれていたものだった……



ただ……この黒い棒はどこかで見たことがあるかもしれない……



「何故この棒だけが………こんなにも」



「……………思ったよりも状況は………深刻かもな………………ライダー……回収を………」



ライダーは静かに頷くと両手から黒い影が延びていき……山積みにされた黒い棒を包み込んでいく……



ドクターはこれが何なのか知ってる様子だった……けど……僕は最後までこれが何なのか思い出せなかった……



「恐らく………これを君は何度も目にしたことがある………………この愚か者は兵器開発に飽きたらず………………死についても研究していたらしいな………」



「死………………黒い棒………………」

 


その時、頭の中から誰かの声が響いた……… 



『頭の中からごめんよー、お目当ての物と胸くそ悪い物見っけたからこっちに来てちょ。』



里中さんがテレパシーでそんな報告をすると



「先に行ってこい………こちらはまだ時間がかかる………終わり次第そちらと合流する。」



ドクターとライダーはこの場所で回収作業を継続………



僕は里中さんのテレパシーに従い里中さんの元へ先に合流することに……



里中さんが『お目当ての物』と『胸くそ悪い物』を見つけたと言っていたが……



僕からすればここにある全てのものが胸くそ悪く見えてくる……



あまりこの場に長居すると性格が歪んでいく気がしてならない。



しばらく生体カプセルで意図的に造られた道を嫌でも目にはいる禍々しい肉片らしき内容物をながめがら約5分ぐらいは歩いたと思う………




実際にそんなに時間は経過してないことぐらいわかってはいるのだが………



「お、来た来た♪……まぁこの異界は時間の概念とか無いからね、普通の人間じゃーキツイのも当然さ。これ飲みなよ」



ようやく里中さんと合流した頃には僕は既に顔が真っ青でグロッキーな状態だった……



里中さんから渡された飲料水を飲んで僅かながら気分も良くなった所で里中さんが見つけた物を目にすることに……




そこには床一面に散らばったカプセルのガラス破片や培養液がぶちまけられ………



既に内側から何が破り出た後のこの施設の中で一際大きなカプセルがそこにはあった……




「………………大体わかってきたぞ………この研究施設は市長のものでは無く第三者によるもの………その目的はより強力な怪異を造り出すため………その完成形がこの破られたカプセルにいた……」




ずっと気になってはいた……市長のものと思われる草文字は黄昏タワーのアンテナ部分に集中していた……



だが………この異世界エレベーターを利用した研究施設は元々研究施設ではなく別の用途で使われていたものを第三者が利用し研究施設として再利用した。



そして資料にあった『ヒューマンイーター』はかつてたそがれ町の都市伝説として騒がれていた『ヒトクイ』



『ヒトクイ』と『c型』が融合して誕生した怪異の生態系を大きく崩すものがこのカプセルの物体………



「君の推理は70%は正解だけど………この研究施設自体、第三者の根本的な目的の為の保険に過ぎない。」



「保険?第三者の目的は別にあるのか………だとしたら何故………」



「理由は単純、たそがれ町を守護する存在が邪魔なのさ………神埼一族に死神………奴はその障害を排除するために研究していたのさ………」




「………………全部この肉片達から読み取ったんですか?………」




「いや、残念だけど…………このカプセル達は空っぽの器……死体よりも彼らには何もない……」



覚りの怪異は死体からもそこから心を読み取ることが出来ると書物に書いていたが……



このカプセルの物体達は覚りの怪異ですら読み取れないほど……無機物的な存在とでも言うのか………



とすれば………だれから………



「ここのことについては彼らから聞いた………着いてきて……」




ここには心のない存在しかいないと思っていたが………



唯一………彼女が心を読むことが出来る存在が………



里中さんに連れられ………鉄格子で塞がれた………先の見えない深淵がそこには広がっていた………



やがてその先に広がる地獄絵図とも呼べる場所に僕は言葉を失い………後に明かされる第三者の目的と正体に………




殺意を抱いていた………









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