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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
たそがれ編 参 真実
27/53

ミーティング



「予定より60秒早いが、早速始めよう。」



幽幻荘に到着して早々ドクターが話しを切り出した



ここに集まっているのは僕以外にもいる



「焦りは禁物だよドクター既にここには必要なものは全部揃えているからね♪」



暗殺者に狙われていた出版社の社長である『幽幻 悟』もとい『里中 心』も参加していた



彼女は元幽幻荘の住人であったことから旧都市については誰よりも詳しい……



「まず、今回の協力に感謝を里中 心……」



「むしろこっちが感謝したいぐらいだよドクター、こんな形であなたに恩を返せるからね。」



「里中さん…ドクターと知り合いなんですか?」



僕はそう里中さんに聞くと笑いながら



「昔色々と世話になったよ…20年前の旧都市の事件で目をヤられてな、視覚障害だったところドクターに無償で治療してもらってな。」



「医師としての責務を全うしたに過ぎない………それより本題に入ろう」



相も変わらずドライなドクターが最初に提示したのは



とある建築物の設計図だった



「これは黄昏タワーの設計図………」



「そんな重要なものどこから…」



「わっちが昔たそがれ都市化計画の闇を暴く時に使った物さ、勿論警察が押収したのはこれより最新のものだがな」



「じゃーこれが黄昏タワーの第一号の設計図………」



一目みた限りでは設計上問題はないように見えるが



上部につれて何らかの草文字が混じっている…



最上部に限ってはアンテナ部分を丸で囲い草文字が刻まれていた。



「零二の思った通り普通の設計図に所処草文字が入るのはまずあり得ない」



「やはり………このタワーの設計者に陰陽師が関わっている…それも呪術専門の…」



この程度の草文字なら神埼一族に保管されている古い書物や絵馬で何度も目にしているからある程度は読めるが



これに書かれていることは



ーたそがれの地より集まりし怪異を束ねし場所



ーその音色にて人より操られる傀儡になりて



ー天より高く聳え立つ塔にて日本の怪異を統率する唯一無二の力となる



ー具現は人々の噂にあり、力の源は感情にあり、それ成就には犠牲はやむを得ず



ー全ては怪異の世界の実現



ーかの者の悲願なり




「このかの者って事件元凶の市長か?」



だが里中は首を横に降り



「いや、この草文字自体市長が書いた物に間違いない………」



と返すが……それじゃ黄昏タワーは市長の意思でななく市長とは異なる第三者の為に作られたことになる……



「第一前提として人変怪異の生物兵器であるβ型は一年前に開発されたが……当時の技術で元祖となるα型を製作出来たのは考えにくい………」



ドクターがそう言うと次にとある資料とボイスレコーダーを取り出した



この資料は里中がたそがれ都市化計画の闇を暴いた時に使われたものと



ボイスレコーダーには当時の市長の貴重な肉声が記録されていた



資料には市長が裏組織の関係を記したものと写真の他に



アンテナ部分の仕組みと素材が明記されていた



それを見たドクターは



「やはり、我謝髑髏がしゃどくろが原材料か……増幅機能に大罪人の脳……」



我謝髑髏は埋葬されなかった死者達の怨念が集まって巨大な骸骨の姿とされる怪異………



それほどの怨念を更に増幅させるに生きた人の脳を使うとは非人道過ぎる……



そして問題のボイスレコーダーには誰かと会話していた時に録音したものだろう




ピッ………ジジジッ……







『こんなド田舎を都市開発した所で1円の価値にもならない』



『都市化計画はあくまでもこのタワー建設の為のカモフラージュさ』



『黄昏タワーが完成した今もうこの町はよう済み、唯一役立つ事と言えば怪異の餌となる人がわんさかいることぐらいかな~』



『人と怪異が手を取り合い助け合い共存する世界なんて夢のまた夢の夢物語に過ぎない!』



『あるのは怪異共が百鬼夜行のような終わらない宴を永遠と続ける怪異の世界だけさ♪』



『馬鹿よね~政治家は本気で理想卿が実現するって信じてるんだもん。』



『5つの特異点地方の中心に位置するこのたそがれ町に眠る膨大な霊的エネルギーを更に増加させ黄昏タワーで広範囲に広めれば日本は怪異で溢れ帰り怪異による怪異の為の怪異の世界が実現するってわけ。』



その後に市長からこの都市化計画に関わった政治家の名前や議員、大臣の名前を上げていき



最後に感極まる高笑いをあげ録音は終了した。



「奴の狙いはこの地に眠る膨大な霊的エネルギーだったわけだが……ここを含めた5つの特異点の話しは聞いたことがない。」



するとドクターがその特異点地方について軽く説明をした



「無理もない………なんせ陰陽師の業界では門外不出の禁句とされている……それを良からぬ事を考える輩に使われない為にな」



「それが何らかの原因で黄昏タワーは崩壊し膨大な霊的エネルギーの活性化を阻止したわけか………だが………今なおたそがれ町で怪異による事件が発生している所を見ると……再び誰かがそれを利用しているということになるが………一体………」



「それを今から確かめに行く………………予定時間通り……協力者も来た所だしな。」





ドクターがそう指摘すると部屋の入り口からライダーが入ってくる……



ドクターは念のため見張り番としてライダーを外へ待機していたが何かあったのだろうか?



ライダーがスケッチブックには一言



『来たぞ』



とだけ書かれていた………



それを見せた後ライダーの後ろから割って入ってきた1人の男が姿を見せた……



「あなたは!?………どうしてここに?」



その協力者と言うのが……



「よう!久しぶりだな青年。」



あの旧都市を長年捜査してきた中年の刑事だった……



「ほらよ闇医師、持ってくるのに苦労したがこれで借りは返したからな。」



「あぁ、十分だ……感謝する……ところで娘さんは?」

 


まさかこの刑事とも知り合いだったとはこのドクターの人脈は一体?



「元気100倍さ!今も楽しく高校生活を送れているよ………」



「なら良かった……後は我々が引き受ける………」



「おう!しかし驚いたな……坊主がドクターと知り合いとは…………おまけに有名社長さんまで………これで全ての謎は解けた……」



これまでにないぐらいのサッパリとした表情の刑事さんは………大きな正方形の段ボールを置き



僕に今後何かあったら協力してほしいと名刺を渡し……



早々に帰っていった………



刑事さんがおいていった段ボールの正体は警察が保管する未解決事件のコールドケース



このパンドラの箱が開かれた瞬間




僕のたそがれ町の闇を暴く最後の足掻きが始まろうとしていた




その闇の元凶とも言える全ての始まりの地である黄昏タワー……



それも政府が闇へと葬った黄昏タワーにあるはずのない地下施設への手がかりだ。



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