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たそがれ怪奇譚第2部 黄昏篇   作者: 狐鹿コーラ
たそがれ編 弐 崩壊都市
18/53

刺客

あの感覚と同じだ………



僕が怪異に心臓を串刺しにされ死んだときの感覚と……



今回は爆発によるものだけど……



恐らくだが………爆発からもっとも近かったのは間違いなく僕だ……



いくら「死にはしない」と言っても……肉体がバラバラになってしまったら……流石にどうしようもない。




と……この時まで思っていたが………




今回は違っていた。




僕がまた死んでしまったことには変わらないけど………




それでも自身に身に付いてしまった『死者蘇生』の効果は今なお健在していた。




ブゥウウン!!



目が覚めた時……僕達は後がやけに広い車の中で目が覚め……



1人の顔が見えないほど濃いアイシールドのオフロードヘルメットで顔を隠している男が僕を見下ろしていた。




「…………何なんだ……今何が……」




ヘルメットの男はスケッチブックを取り出しペン何かを書くとそれを僕に急いだ様子で見せた。



『今は一刻を争う、俺を信じろ味方だ。』



「僕と一緒にいた女性は?」



僕がそう聞くと……ヘルメットの男は助席側を指差すとその先にいたものは黒い繭のようなものが置いてあった



それが独りでに開くと……かなり苦しそうな様子の彼女がいた……



「幽幻さん!……」



僕はかけより黒い繭の中の彼女の容態を確認したが……



腹部に集中して黒い何が集まっているところを見る限り、そこから大量に出血しこの黒い何で止血を施している感じだが………



明らかに肌が若干白っぽく血を失い過ぎている………



今はこの黒い繭が救命ポットの変わりになっている……急いで治療を受けなければ彼女の命が危うい。



「この車は何処に向かっている?」



『ドクターの所だ……俺は彼の要請でここまで来た……』



「色々聞きたいが今はそんな時ではないな……急ぎ頼む……」



『だが簡単にはいかないようだ。』



スケッチブックにそう書いた瞬間



後方のドアから小刻みな機械音が耳にはってから数秒後




ドォオオン!!!!




ドアが吹き飛び後ろの景色が露になりこちらを追跡している一台の黒いバイクマンの姿を確認した。



「あいつが……」



その時……ヘルメットの男が無言で僕を押し倒すと……



無音の銃弾が僕たちに襲いかかる



バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチ!!



バイクマンは何らかの武器でこちらに向けて発砲してきた



バチバチバチバチバチバチ!!



やがて爆発で破られた箇所は黒い何が集まり塞がれると銃弾が通らなくなった



だが………あのバイクマンからバイクの爆音どころか発砲音すら聞こえなかった……



応接室に爆弾を置かれる時も………僕の直ぐ後ろだからドアの開閉音ぐらいは気づくはず……



だとしたら……




「急いでスピードを上げろ!!」



サイドミラーとバックミラーを確認した時にはバイクマンの姿は無く



ヘルメットの男が上を向くと……



黒いライダースーツに身を包んだ男が車の屋根をすり抜け侵入し……何も言わずハンドガンの銃口をこちらに向けて



無音の銃弾が僕の体を撃ち抜くと……ヘルメットの男がライダースーツの男へ殴りかかり……



更にライダースーツの男の銃を持つ手を掴みヘルメットの男自らの肉体に銃を数発発砲させ



ライダースーツの男の手からハンドガンを叩き落とし



互いにもみくしゃになると二人はそのまま車の上をすり抜け屋根に上がり乱闘を開始した………




僕は胸に1発……溝内に1発………




どれも急所で大量に血が溢れ応急的な止血は無意味な状態に……まもなく死ぬ……



死ぬ前に血塗れの手でハンドガンを拾い上げ弾倉を抜き弾の数を確認した……




「2発……………1発だけではないことがせめても救いか………」



僕は静かにハンドガンに弾倉を装填しハンドガンのセーフティを外し………



自ら頭に銃口を向け………引き金に指をかける



誰しもこの行為に恐怖するものだが………



恐怖を奪われた僕にとってはもっとも最善な方法だと恐怖の欠片もなく……… 



静かに引き金を引いた。




バンッ!!









血塗れの車内で目を覚ました時……まだ車は走行中で



車の屋根の上ではライダースーツの男とヘルメットの男の戦いは続いていた。



僕が死んでから蘇生までそれほど時間が経ってないように思える……



復活した今………あのライダースーツの男をなんとかしなければならない………




残り1発の弾丸が入ったハンドガンを片手に左側のスライドドアを開け



相手に気付かれないよう運転席のドアへよじ登り



乱闘を繰り広げていた………



だが………僕がしっかりと狙える位置についた頃………既に手遅れであった………



一個のヘルメットがこちらへ吹き飛ぶと



首無しの肉体が屋根の上に転がり………何らかの方法でヘルメットの男は頭をヘルメットごと飛ばされ殺されていた………



だが………ライダースーツの男も戦いでダメージを負っている様子で足元がおぼつかない感じでいた……



更に……ヘルメットの男の死体が影になり僕の存在に気付いてはいなかった……



ゆっくりと正確にライダースーツの男に照準を合わせ……



針に糸を通すように慎重に引き金を引き……



バンッ!!



ライダースーツが鳴るはずのない発砲音に気付いた時には……



弾丸はライダースーツの男の右足に命中した瞬間……



なんと首無しの死体が起き上がりライダースーツの男の顎に綺麗な半月を描いたアッパーを繰り出し



ライダースーツの男を車の外へと吹き飛ばした………




首無し死体がこちらに気づくと僕を掴みあげ優しく車内へ戻り




スケッチブックにて




『勇敢なる行為に敬意を評する』




「首無しの男に褒められるなんて夢にも思わなかったよ。」




追跡者を撒いた数分後………



ドクターがアジトにしている旧都市のアパート『幽幻荘』にたどり着くと



幽幻さんは直ぐにドクターの治療を受けなんとか一命をとりとめ事なきを得た……




しかし……テレビでは………




この一連の騒動は世しれわたることとなり………



『たそがれ町で謎のCARチェイス』


『出版社SATORI代表取締役がテロに巻き込まれた』



などの報道でいっぱいで……



僕の携帯の履歴には淳也と狐月の着信履歴で埋め着くされていた。



やがて意識を取り戻した幽幻さんから



「今回の件については私が責任を持つ」



とのこと………



神埼一族には旧都市で発生した一連の出来事を都市化計画時代の市長の遺産ということで調査報告を提出




これにより僕には謹慎処分もとい1ヶ月の長期休暇を言い渡されることに……




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