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とある守り神
「私だって昔からこうだった訳じゃない」
かなえさまがそう呟いた。
「なんだって?」
狐月が聞き返す。
「私、かなえさまは造られた神様なんだよ」
かなえさまは笑顔でそう言った。
「詳しく教えろ」
狐月がそう言って話の続きを促した。
「私はたそがれ町の守り神だったんだ。だが時代の経過によって存在を忘れられていった」
「それで?」
狐月がそう尋ねる。
「もう存在が消えかかっていた。忘れられたくなかった。このまま消えたくはなかったんだ。ちょうどその時、私の前に一人の男が現れた」
「その男が行った神造りの儀式によって私はかなえさまになった。」
「でも良かったと思っているよ。人の願いを叶えるのは楽しいし。」
「人間の欲望には限りがない。そんな面白い物を見られるんだ。『狼月』には感謝しないとね」
「今なんと言った!?」
狐月が驚く。
「狼月だよ。神造りの儀式を行った男の名は狼月」
かなえさまは平然とそう言った。
「それっていつ頃の話だ?」
零二がそう尋ねる。
「君達の基準で言うと明治時代頃かな」
かなえさまは笑顔でそう言った。
「どういう事だ?」
狐月は考え込んだ。狼月は平安時代の人間だ。
狼月と名乗る男の存在。謎がまた一つ増えた。




