招かれざる神
その後二人はたこ焼きを買って食べた。
そこに月影が戻ってきた。
月影はゴルフバッグを背負っていた。
実はそのゴルフバッグの中には月影の愛刀「神刀虚月」が入っている。
「私はたい焼きでいいですよ」
月影は笑顔でそう言った。
そして三人はたい焼きの屋台の前に並ぶ。
するとそこには見知った顔があった………
「かなえさま!?どうしてここに!」
狐月がそう言ってかなえさまをにらむ。
「私はたい焼きが好物でね。だからこうして人間のふりをして買いに来たんだ」
かなえさまは狐月の怒りがこもった視線にも動じずにそう答えた。
「そんな事を聞いてるんじゃない!何故お前がここにいる?」
周囲の人間に聞こえないように小さな声で狐月が訊ねる。
「ずいぶんと嫌われたもんだね。神様が祭りに来て悪いかい?君達の知り合いの死神も祭りを楽しんでるじゃないか」
かなえさまがそう言い返した。これに対して狐月は何も言えなかった。
「じゃあただ遊びに来ただけで何もする気は無いんですね?」
月影がそう尋ねる。
月影はいつになく警戒していた………
すぐにでもゴルフバッグの中の刀を取り出しそうなくらいに。
「そうだと言っているだろう。まったく・・・頭の固い狐だね」
かなえさまが呆れながらそう言った。
「私は何もしないよ。何かをするとしたらそれは願いを叶える時だけだ」
そう言ってかなえさまは笑った。
「何故代償を奪う必要がある!お前のせいで零二は!」
狐月はかなえさまに怒りをぶつけた。
「まさかただで願いが叶うなんて思ってないかい?世の中そんなに甘くないよ。ただで願いを叶えてくれる神様なんてありがたみが無いしね」
「それに、零二から恐怖を奪っても死にはしなかっただろ?むしろ感謝してほしいぐらいだよ。」
かなえさまはそう言って笑った。
その時、待ちくたびれた店の男が、
「あの、買うんですか?買わないんですか?」
そう尋ねた。
「買うよ」
そう言ってかなえさまはたい焼きを買った。
狐月達もたい焼きを買う。




