祭り
そして夜、祭りが始まる。
「次は射的だ」
りんご飴を左手に持った狐月がそう言った。
「待ってくれよ狐月・・・そんなに急ぐ事ないだろ?」
零二が息を切らしながらそう言った。
「何言ってるんだ零二。こういうのは楽しめるうちに全力で楽しむもんだ」
狐月は笑顔でそう言った。
普段から霊能者として怪異と戦う訓練を受けている狐月は零二とは対照的に息一つ乱れていない。
零二が狐月に追い付いた頃には既にコルク銃を構え射的を始めていた。
狐月の目線と銃口を察するに5段目中央の可愛らしいキツネのぬいぐるみに狙いを定めている…
やがて狐月が引き金に指を掛け
「狙い射つぜ!!」
とどこぞのガ○ダムマイ○ターが言ってそうなセリフを吐き引き金を引いた
パンッ!
放たれたコルクは狙った位置から右に反れ隣のドロップ缶に命中した
「や、やったぞねらいどおり(棒読み)」
「おもいっきり外れてたぞ?」
「この銃…バレル(銃口)曲がってないか?」
瞑想する狐月はその後もキツネのぬいぐるみを狙い続けたが…
「弾切れは気にしない…」
パンッ! スカッ
「目標をセンターに入れて…」
パンッ! スカッ
「直撃させるしか」
パンッ! スカッ
「任務完了。」
パンッ! スカッ
弾はカスることなくことごとく外れ…
残り1発になるとしびれを切らした零二が「かしてみろ…外したら金は返す。」
「やつはキツネ色の悪魔だ………零二の手におえる相手じゃない。」
既に狐月の心は折れ…半ば諦めていた
零二はライフルを構え肘を台に固定しブツブツとなにかを呟きながら銃口を調整し
そして
パンッ! コツ!
弾はキツネのぬいぐるみの眉間に命中しそのままぬいぐるみは落下し…何と1発でゲットしたのだ!
「おぉぉ!!スゲー!ありがとう零二大好き!!」
「お、おう」
「そろそろ腹が減ったな・・・」
零二がそう呟いた。
「じゃあたこ焼きはどうだ?向こうにあったはずだ」
狐月がそう言って先ほど零二がゲットしたキツネのぬいぐるみを抱きしめながら歩き出した直後…
「楽しんでるか?」
背後からそんな男の声が聞こえた。
「死神。お前も来てたんだな例の旧都市に駆り出されていると思ったが」
狐月が笑顔でそう言った。
「今回は俺の出番はないからな、今はデートの真っ最中だ。」
死神はそう言って笑った。
「早く戻らなくていいのか?彼女さんをあまり一人にするのはよくない」
零二が死神にそう言った。
「正論だねえ。実はあいつが「かき氷が食べたい」と言っててな。店を探してるけど見つからないんだよ・・・」
死神が少し困った様子でそう言った。
「それなら向こうにあったぞ。りんご飴の屋台のとなりだ」
狐月はかき氷の店の場所を死神に教えた。
「ありがとよ。じゃあなお二人さん」
そう言って死神は去っていった。




