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三田川エリカの無双 その1

チート異能、俺TUEEEEのお時間です!?全3話。


なお時間軸としては、まだ裕一がミルミル村にいる頃の時期のお話。

「まったく、ここまでザコだとどうにもなりませんね……」

「バカな、バカな……!!」

「何が二十連勝?そんな腕前でどうやって?世の中それほど甘くない、あなたこそ、私の世界の言葉で鳥なき里の蝙蝠に過ぎない、ただの低レベルな中のオヤブンサマに過ぎないって事を証明してあげるには時間も魔力もこんなには要らなかったんですけどね」






 目の前のザコキャラにしか聞こえない声でこう真実を告げてあげる。ああ、いつもの事だけど気持ちいい!


 そしてそれに続く歓声と沈黙。いつもの事ね。



 変身魔法で姿も名前も偽装していたせいでとは言え、今回もまた3秒で敵を倒してしまうとは……まーた見かけ倒し、肩書だけのザコキャラじゃないの……。


 と言うかさ、こんなよくわからない小娘がこんなザコを吹っ飛ばしたからって大騒ぎ?

 あのねえ、よくわからないって事は強いかもしれないって事じゃないの。それもわからないで勝手にすごいすごいと大騒ぎしたり、そんなバカなと言わんばかりにお口あんぐりしたり、ああ面白い。



「しかしGランク冒険者をこうもあっさり倒すとは、何かコツでもあるんでしょうか」

「ないわよ、真正面からぶつかっただけ。それで負けるんなら私が弱いんだしで終わりだなと思ってやっただけ」

「なるほど、勝つも負けるも関係なくまっすぐな姿勢が勝利をもたらしたようです!皆様、新たなる英雄に拍手をー!」


 適当に思いもしない事をしゃべってやっただけでこれ。まったく、この世界も実にちょろいわね。

 Gランク冒険者だか何だか知らないけど、この闘技場の優勝ももはや私の物。まったく、「Zランク冒険者」と聞くだけでチヤホヤしたり侮ったりするような連中を相手にするのは実に面白い娯楽ね。







 三田川エリカ

 職業:賢者

 HP:100000/100000

 MP:9999990

 物理攻撃力:10000

 物理防御力:20000(デフォルトは10000)

 魔法防御力:20000(デフォルトは10000)

 素早さ:10000

 使用可能魔法属性:炎、水、氷、土、風、雷、闇、光

 特殊魔法:ステータス見聞・変身魔法・偽装魔法・変換魔法







 こんなよくわからない、あのデブキモオタ男やその取り巻きの連中が見ているような甘~い夢の世界に飛ばされた時は少し腹も立ったけど、すぐさまこんな風にステータスが見られるようになって本当びっくり。


 そして、それがこんなステータスだって知ってさらにびっくり。あの連中私の耳に最強チートとかってギャーギャー汚い言葉を突っ込んでたけど、やっぱりこの世界も私をこんな力の持ち主にふさわしいって認めてるのね。




 自分なりにこのよくわからない、異世界ファンタジーな世界を巡って気付いた事もある。


 この世界では黒髪は大変珍しいって事。ただ歩くだけで指を指され、珍しがられたり喧嘩を売られたりする。

 まあ言うまでもなく魔法で黙らせたけど、毎回毎回絡まれるのはただ面倒くさい。


 だいたいの問題としてステータスが見える魔法とやらを使ってその連中のステータスを見た結果、攻撃力100にもならない連中が大半。防御力も物理も魔法も100以下、しかも全身に防備を付けてそれって連中ばっかし。


 それでも汚らわしい連中によってこの柔肌に傷なんかつけられたくないから一応この指輪、防護の力がかかった宝石の指輪を作っていつもはめてる。

 これで防御力はさらに倍になり、もはや誰も私を傷つけられない。











「サンタセン様」

「サンタセンでいいわよ、それで何かあったの?」


 Cランク冒険者にまでなった私、今はサンタセンと言う偽名を使って銀髪縦ロールの姿になっている私の元には、いつの間にか寄り集まって来たしもべたちが並んでいる。


 一応ここにいる連中は本当の名前が「ミタガワエリカ」だって事を知っている少しは信用できそうなやつらだけどね、それでも私は使えない奴は使えないとはっきり言う主義だから、やけにみんなヘコヘコしてる。


「サンタセンが探している黒髪の男女ですが」

「それで、報告はあったの?」

「北のエスタって町の側に、黒髪の剣士がいるようです」

「ありがとうございます、それではこれはお代と言う事で」


 なーんだ、やっぱりいるんじゃないの。この世界を適当にめぐって、今やこの世界でも何人いるかわからないCランク冒険者にまでなった私だけど、やっぱりその力をあの連中に見せつけてあげなきゃいけないじゃない。

 そういう訳で私は金貨を投げ付けて追い払い、その連中の歪む顔を思い浮かべながら完熟茶を飲んだ。




 誰も彼もナマイキなのよ。




 いっつもオドオドしてるあのコミュ障女、それをかばいまくるウドの大木なセーギノミカタ女、そしてあのニート予備軍にへばりつく三人にお笑い芸人気取り女。みんなウザいったらありゃしない。


 だからこそ私は努力して、私こそがイチバンであり私の言う事を聞けって口を酸っぱくして耳に胼胝ができるぐらい言ってるのに、誰も言う事を聞かない。


 それどころかあの無自覚モテ男はそっぽを向き、それに釣られるようにどいつもこいつも私の素晴らしさをわかろうとしない。男も男でニート予備軍や無自覚モテ男以外も空気男やチャラ男、「清掃委員会」とか言いながらゴミ集めばっかりしてるような奴ら。


(特にあのニート予備軍と三人には目一杯教えてあげないと……これ以上私の心を踏みつけにすればどうなるかわかるでしょ、ねえ……?)




 フフフ……私がいかに素晴らしい存在か、とくと教えてあげなきゃね、いつまでも二次元の世界から行ったきり出て来られない、親不孝な悪い子どもたちを、私が親の代わりにしつけてあげなきゃいけないんだから、ほら現実を見せてあげるからね……。

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