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記憶
「大好きやで」
そう言いながら君は、イタズラっ子みたいな笑顔を僕に向けるんだ…
「あんな女にいくら使ったんよ!」
泣きながら母が、父に訴えかけていたのが最初の記憶…
当時、7歳ぐらいだった僕には何の話か分からず、ただ、母が泣いているのが嫌だなと思ったことしか覚えていない
後、覚えていることと言えば、母が家で父ではない男と裸で抱き合っていたことぐらいだ…
小学校2年の初夏、両親は無職、僕も2つ上の姉も3日に1回食事できれば良い方だった
そんな中で妹が生まれた
父や姉は喜んでいたが僕だけが喜んでいなかった
食事すらまともに取れていない状態で、本当に父の子か分からない妹に家族愛を持てと言う方が不可能だ
そんな僕の運命を変える出会いが4年生の時に訪れた