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野郎どもの日常的な冒険譚  作者: えふだ
序章
2/4

第二話 そうだ、異世界に行こう(前編)

「危ない、避けて!!」


 

  異世界に来てから出会った、うさぎの耳と尻尾を持った[兎人族(と じんぞく)]の女の子 アイリが叫ぶ。



「大丈夫だ!それよりも詠唱を!!」



  僕のことを心配してくれたが、僕の剣技だけでは悔しくも奴を倒すことができない。アイリが得意とする呪術で、倒すしか方法は無さそうだ。



輝羅人(カラット)離れていて!仏説摩訶般若波羅蜜多心経......」


















―――「いや、なんで異世界の詠唱が般若心経なんだよ!」


「良く効きそうじゃね?」


「成仏させるということは、敵はゴースト等ですか?」


「いや?フェンリルだけど...」



「「... ... ...」」



  まったく、何に問題があるのだろうか。訳がわからないよ。


「ていうか、カラットって何?きらとじゃなかったっけ?」


「ああ、僕もそれ気になりました。」


「きらとのことに決まってるじゃん。異世界に行ったら、主人公名前変えがちじゃない?」


「まぁ、そう言われたらそうですけど...」


「確かにな...









  って、それよりもまず、今の状況の打開策を考えろよぉ!」






  目下(もっか)、今考えるべきなのはガトーの言う通りこの()()()から如何にして出るかだろう。












――― ガトーside




「ジーク!!?」



  鏡に触れた途端、ジークが引っ張られて鏡に消えてった。もっと早く警戒してれば、あいつの手を掴めたのに...



「これはまずいですね。優司君は、鏡の中に入ってしまったとみて間違いないでしょう。」


 

「おい、どうすんだこれ!?」


「皆目、見当がつきません...」


「そんな...」



  あいつがいなくなっちまうなんて、そんなのだめだ。ふと、タロウを見るとこっちを見てうなづいてきた。どうやら考えは一緒らしい。



「よし、行くか。」



  そうして、俺とタロウが鏡に触れようとしたとき。








「「っ!!?」」









  鏡から、指がいきなり出てきたと思ったら、すでに目の前にジークが平然と立っていた。




「ガトー、タロウ、()()()()()()は凄いよ!!」














―――その後、一回落ち着くために近くのファミレスに寄ってジークの話を聞くことにした。



「それで、()()()()()()って何なんだ?」


「うーん。何て言うんだろう、大半はこっちの世界と変わらないんだけど、ただ一つ気づいた点は。」


 

「「点は?」」




「モンスターがいた。」














「「... はあぁ!!?」」



「マジだよマジ、ほらこれ見てみそ。」



  そう言って、おもむろにスマホを取り出し俺たちに写真を見せてきた。



「確かに、これはアルビノや突然変異などではなく、モンスターですね。」



  その写真に写っていたものは、俺の身長はあるんじゃないかと思わせるぐらいの、巨大で真っ白い狼が倒れている姿だった。その上ありえないのが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()



「そして、近くにいたからなのかこの粒々が、俺の体に入ってきたんだよね。」


「なっ!大丈夫なのですか!?」


「うん。へーきへーき、むしろ体が軽い気がする。」


「そうなのか...」



  こいつは、なんでいつも通りなんだろうか。頭のネジじゃなくてパーツが足りないと思う。

  しかし、これはどうするべきなのか。先生に相談すべきか?それとも警察は取り扱ってくれるのか?



「それでさ、次は二人も一緒に行こうぜ!」






「「え??」」


 

「だってあっちの世界楽しそうだし、二人もいこうよ、楽しいよ、新発見だよ。」


「うーん。確かに、未知の世界は気になりますね。しかし、いつ行けばいいのでしょうか?僕達は学生で、忙しい時期ですし。」


「あぁ、それなら大丈夫。俺、あっちに二日いたし。」






「「二日いた!?」」


「うん、だから時間は気にしなくてもいいんじゃね?」


「そうですか、それならば...」



  チラリと俺の方を見るタロウとジーク、まぁ俺も、異世界は気になるしなぁ。


 

「よし!明日の放課後、あっちの世界とやらに行こう!」


 

「「了解だぜ(です)!!」」



  さて、明日は濃い一日になりそうだな。

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